メディア学部生が感じたオンライン授業下における健康テーマや健康グッズ
2021年1月26日 (火) 投稿者: メディア技術コース
5年前から新しい研究テーマを始めた健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアをつかって自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。
今回は、私も含めて3人の教員で担当している「インタラクティブデバイス論」のオンライン授業の1コマについて紹介させてください。
https://kyo-web.teu.ac.jp/syllabus/2020/MS_M302101_ja_JP.html
この授業は3人の教員で、デバイス信号処理(4回)、インタラクティブデバイス(5回)、健康アプリと健康デバイス(5回)、の3つの分野を学修するものです。私の担当は健康アプリと健康デバイスになり、その第4回目の授業の授業内課題として、zoomのチャットに以下の解答の一部として、健康飲料・サプリや健康デバイスと実際の商品名を調べて書き込みをしてもらいました。
課題 自身が興味ある健康飲料・サプリや健康デバイスに関して、amazon.co.jpにある商品を検索し、その機能概要・特徴・効能・性能・使用法についてまとめなさい。
すると以下のような、受講生ひとりひとりが1行の書き込みをしている26人分の結果が得られました。目視で確認すると睡眠と眼精疲労がそれなりに多そうですが、書き込まれた順番に表示されているので全体として雑然としていますね。
せっかくですから、もう少し緻密に分析してみることにしました。テキスト文を解析する手法として、どのような単語が何回使用されたかを計数する形態素解析という統計解析的な手法があります。この結果によると以下のようになりました。1列目は単語、2列目はスコア(後述)、3列目は単語の出現頻度、です。確かに眼精疲労と睡眠のキーワードの出現頻度が7件と高いことが分かりました。続いて、アイマスクやホットという単語の出現頻度が分かりました。
そして、2列目のスコアについて触れておきます。これは世の中にある文章の中で出現頻度が少ない、あまり使用されない単語の希少価値を示す値としてスコアが使用されています。2列目を確認すると、眼精疲労とeaa(商品名はEAA)が大きなスコアになっています。
さらに別の観点の個人が書いた2つの単語の関係から分析したのが以下の図になります。学生はひとりひとりが2つの単語を1行のコメントとして書いているので、それらの2つの単語の関係を見える化(可視化)したのが以下の図になります。中央あたりにある、コロナ禍なので「除菌」に関連する書き込みとか「EAA」というプロテインサプリと、さらに右下にある、ホットとアイマスク、これはこの分析システムの欠点なのですが、ホットアイマスクという単語が登録されていないので、ホットとアイマスクに分かれてしまっています。
そしてどのような単語がどれくらい多く使用されているかを見える化(可視化)するワードクラウドの分析結果によると眼精疲労やアイマスク、疲れ目が目立っていることが分かりました。EAAはプロテインサプリなので運動にも興味があるようです。そして出現頻度が高かった睡眠という単語は多くの人が高い頻度で使用しているため、あまり目立っていないことが気になるかもしれませんが、世の中ではあまり使用されていない眼精疲労やEAAがオンライン授業をしている学生にとっては特徴的なことがわかります。オンライン授業において、多くの学生が眼精疲労を感じていて、アイマスクに興味を持っていて、プロテインサプリにも興味があることが分かりました。
これからすべての授業がすぐにリアルな対面授業になるとも思われない中、多様な見える化(可視化)をするツールを使用することにより、オンライン授業では、どのような対策を考えていればよいか、という示唆になっていると思います。
「高校生向け」カテゴリの記事
- チュラロンコン大学からのインターン学生との再会(2019.03.14)
- 大学院授業:プロシージャルアニメーション特論の紹介(2019.03.08)
- ゲームの学会?!(2019.03.07)
- 香港理工大学デザイン学部の紹介(2019.03.04)
- 香港理工大学デザイン学部を訪問し、学部長Lee先生にお会いしました!(2019.03.03)