どんな数ですか (5)
2021年1月15日 (金) 投稿者: メディア社会コース
昨日は 0 について触れましたが、負の数は、遅くとも3世紀までに中国で発見され、計算規則も知られていました。0 よりも先に計算がおこなわれていたのです。
7世紀までにインドで金品の貸し借りとの関連で利用されるようになり、負の数は便利に使えるという認識が広まってきました。
やがて、ヨーロッパでも、負の数は解析学を中心として便利に使えることが知られ、広まっていきました。
しかし、負の数は意味のないものとして無視する伝統ができてしまっていました。
18世紀に論争があったというほど、かなり最近になるまでこの傾向は続きました。
現在でも負の数を嫌う人がいるのも理解できます。
ここまでの、すべての数が実数です。実数の全体は数直線で表されます。
17世紀までには数直線の概念はできていましたが、実数全体であることが厳密に示されたのは19世紀のことでした。
数直線は、その間に、座標やグラフにつながりました。
実数全体が数直線となることがわかっている時代で幸いでした。
数直線が使われなければ、いま毎日のように見るグラフもなかったでしょう。
数よりも直感的にわかりやすく一目でわかるような手段がなくて、困ったかもしれません。
明日に続きます。
(小林克正)
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