« 国の全数調査である国勢調査に接しよう! | トップページ | ベイズの定理とベイズ統計(1) »

記述統計と推測統計

2021年2月 3日 (水) 投稿者: メディア社会コース

ここ2日間ほど、思いつくままに統計関連の話を綴ってきました。この流れで、向こう5日間も進めたいと思います。本日は2種類の統計の立場の話をしましょう。統計という概念そのものは、古くから世界各地に存在していました。社会を統制するためには、人口把握や耕地測量などは必要となります。しかし、統計が統計学という学問体系として整備されていったのは1819世紀です。近代統計の父と呼ばれるケトレーや、フィッシャー、ネイマン、ピアソンなどがその先駆者と言えるでしょう。

統計には大きく2つの立場-記述統計と推測統計-があります。前者の記述統計は、母集団を対象とする分析スタイルです。すなわち、目の前のテーブルに対象に関するすべてのデータを並べ、そこから平均や分散・標準偏差などの各種統計指標を算出し、全体の傾向などを分析します。昨日話をした国勢調査は、日本国民全体(正確には、居住権のある外国籍の人を含みます)を母集団とする全数調査ですので、記述統計が適用できます。一方、後者の推測統計は、標本集団を対象とする推理スタイルです。サンプリングで得られた標本データに関する各種統計指標を算出した上で、母集団の傾向などを推測します。一定の信頼度(95%99%)で推定を行ったり、その信頼度の裏返しである危険率(5%1%)に基づく検定などを行います。昨今の新型コロナウィルス関連の情報は、推測統計に関係するものです。

明日は、上述した統計とは異なる統計概念の話をする予定です。本日は、宿題(Quiz)は無しとします。

以上

文責: メディア学部 松永

2021.02.03

 

在学生向け」カテゴリの記事

社会」カテゴリの記事

高校生向け」カテゴリの記事

ソーシャル」カテゴリの記事

« 国の全数調査である国勢調査に接しよう! | トップページ | ベイズの定理とベイズ統計(1) »