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メディア学部1年生のデザイン力を向上させて資金力の少ないNPO法人や中小企業のプロモーションに活用する③

2021年2月18日 (木) 投稿者: メディア技術コース

5年前から新しい研究テーマを始めた健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアをつかって自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。

千種はフィールドワークとして地元八王子の市民活動や中小企業の支援を行なってきていますが、今回はそのフィールドワークとメディア学部の教育をつなげて、①学生のデザイン力の向上と②八王子市内の団体・企業への地域貢献により、③持続的に産学公連携を実現するプロジェクト演習『企業・団体のプロモーション法』の紹介の第3段の最終回です。

『企業・団体のプロモーション法』 は以下の3点がポイントとなります。

①canvaという無料のWebデザインツールを使用した学生へのポスターのデザイン教育

②八王子市内のデザイン企業を経営するプロデザイナーを演習講師として招聘

③八王子市内のNPO法人等のポスターデザイン制作を受け入れるスケジュール管理

①と②によって学生のデザイン力を強く刺激し、デザイン力の向上に大いに貢献していることを説明させていただきましたが、今回は③によって、さらに学生のデザイン力がさらに向上するという授業の仕組みの部分について説明します。

メディア学部生は1年生から4年生まで様々な演習などでデザイン力を向上させていきます。しかし、最終的に一般公開されるレベルになることは少なく、学内外のコンテストが主な最終発表の場となります。これはつまり相当にデザイン力がありやる気のある学生のみが最終発表にたどり着くことになり、デザイン力を高めたいという大多数の学生にとっては発表の場がないに等しいです。これでは課題を完成させるだけで、デザイン力のブーストアップには至りません。また他のポスターデザインと比較する習慣もないため、良いデザインとは良くないデザインとは、という視点が弱いのも問題です。

また日本中のボランティア団体や中小企業のほとんどは、その脆弱な資金力によってイベント・活動、商品のPR方法としてポスターが十分に活かせていないのが現状です。結果として、PR不足→参加者が増加しない、活動の告知が不十分、商品の販売促進が不十分、そして、結果として広報活動に対する経済力・余剰資金が増えない、といった負の連鎖から脱出できていません。つまり、広報活動をしたいけれども十分な対価を支払いできないため現状に甘んじている、といったのが現状です。

上記の2つの立場からの課題を小規模ながら一挙に解決しようとするのがプロジェクト演習『企業・団体のプロモーション法』です。これを解決するために、学生の意識改革を実現するのが「③八王子市内のNPO法人等のポスターデザイン制作を受け入れるスケジュール管理」になります。前述の①と②でレビューも含めて100分で完成させるというポスター制作の課題です。しかし、通常の演習などではその時間内で終わらなくても良い、1週間遅れても仕方ない、という学生のマインドがあります。しかし、実際に現場で使用するポスターは行程が決まっていて納期も短期間なことが多く、納期遅れは厳禁です。

このような厳しい条件を成立させるために、ポスターの納期から逆算して、使用する文章や素材は事前に揃えておく必要があります。これらの組合せによって本番で使用できるポスターが100分で完成する仕組みを実現しています。この回では左上のポスターが依頼元の団体において決定されて、使用されました。この採用されたポスター制作者は1年生です。この1年間で劇的にデザイン力を向上させた良い事例になります。

終わり

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