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「しゃべりの間合い」間合い研究会のご案内

2021年3月10日 (水) 投稿者: メディア技術コース

文責:榎本美香

2021年3月7日(日)に開催されます間合い研究会のご案内です。参加費無料ですので、学生さんたちも是非のぞいてみてください。

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日本認知科学会い研第18回分科会のお知らせ
日本認知科学会の研究分科会「い-時空インタラクション」い研)
は,実生活のあちらこちらで遭遇・体感する「い」という,曖昧模糊とした
現象を対象に,身体知・コミュニケーション・アフォーダンス・共創システム
など(これらに限られるわけではありません)のさまざまな学問分野の考え方を
持ちより,アプローチすることを目指して発足した分科会です.
第18回研究会では,「しゃべりのい」というテーマを設け,
岡本雅史氏(立命館大学)と片岡邦好氏(愛知大学)に招待講演をお願いしています.
多くのご参加をお待ちしております.
※ご参加いただくには参加申込が必要です.下記の方法で申込をお願いいたします.
[テーマ趣旨]
 「しゃべり」は人々の日常的な営みである。そこにもいは満ちあふれて
いる。会話時に話し手が交替する際、相手の発話にいの手をはさむ際、沈黙
をやぶる際など、さまざまな機会に参与者でのいの駆け引きがある。漫
才や落語などの「しゃべり」を技能として観せる芸能では、演者と観客の
いも重要である。魅力的な政治演説や研究発表は、内容のみならず聴衆と
の絶妙ないが重要な要素となっている。ヒップホップのMCや、ライブのコー
ルアンドレスポンスなども聴衆とのいを顕在化するある種の「しゃべり」
である。さらに、実況中継やYouTubeなど、眼前に聴衆がいない状況でも、目
に見えぬ聴衆とのいをうまく作ることでコンテンツのおもしろさは決まる
のではないだろうか。
 本企画では、日常のさまざまな場面での「しゃべり」を対象として、そこに
見られるさまざまないについて議論したい。
(企画者:伝康晴(千葉大学))
・日程:2021年3月7日(日)13:00-17:50
・場所:オンライン開催(Zoomを使用)
・参加申込:必要(参加をご希望の方は,以下のフォームからお申し込みください.
 後日,参加方法をメールでお送りします.)
・参加申込締切:2020年3月5日(金)23:59(これ以降も可能な限り受け付けますが,
 できるだけこの期日までに参加申込をお願いいたします.)
・参加費用:無料
・テーマ:「しゃべりのい」および一般
・招待講演:岡本雅史氏(立命館大学)
      「漫才のテンポからみる対話のい―インタラクションリズムの重層性の解明に向けて―」
      片岡邦好氏(愛知大学)
      「政治演説における「」を考える――オバマ/トランプ演説における自己抑制をもとに――」
プログラム
13:00-13:05 開会挨拶・事務連絡・テーマ趣旨説明
伝康晴(千葉大学)
13:05-14:30 テーマセッション「しゃべりのい」(1)
13:05-13:45
「会話の「」の多様なる意味と役割 -映画「セトウツミ」を題材として-」
熊谷啓孝(慶應義塾大学),諏訪正樹(慶應義塾大学)
本研究では、日常会話で我々が暗黙的に理解している「の意味が何によって
規定されているかを模索する。手法として、高校生の日常を描いた映画「セトウ
ツミ」を題材に、作中で登場した「」を観察し、その意味や、会話における役
割をもとに36の小分類と5つの中分類を作成した。この分類を元に「」の意味
が非言語行為としての身体動作や前後の文脈によって規定されることを論じる。
13:50-14:30
「「ガヤ」とは何か —バラエティ番組の二人称的解釈に基づきwho/what/how条件を探る—」
浮田翠(慶應義塾大学),諏訪正樹(慶應義塾大学)
本研究は、ガヤの事例分析によりガヤの条件を探究し、「ガヤとは何か」に迫る
ものである。会話の参与者や視聴者は、ある発言がガヤか否かが身体でわかるの
に、ガヤの定義や条件を述べることは難しく、ガヤは暗黙知の最たるものだと捉
えた。本研究では、ガヤの事例収集した後、who/what/howの観点で精査し、条件
の仮説を見出した。ガヤの認識には状況依存的な要因があり、ガヤの必要十分条
件を定めることは困難だという考えに至ったが、ガヤの必要条件や、ガヤになら
ない充分条件を見つけ、ガヤとは何かということに迫ることができた。
14:45-15:45 招待講演1
「漫才のテンポからみる対話のい―インタラクションリズムの重層性の解明に向けて―」
岡本雅史氏(立命館大学)
キャッチボールが無意識にボールを投げるテンポを協調させて一つの滑らかなリ
ズムを相互構築する志向性があるように、対話もまた参与者のリズム生成に対
する無意識な志向性があると考えられる。本講演では、こうした協調的リズムへ
の志向性を日常会話より明確に示す漫才対話に着目し、リモート漫才と対面漫才
の比較から、演者がどのようなストラテジーを用いてテンポの良い対話リズムを
創出・維持しているのかを考察することで、非言語情報も含めたインタラクショ
ンリズムが重層的なリズム構造を有する可能性を示す。
16:00-17:00 招待講演2
「政治演説における「」を考える――オバマ/トランプ演説における自己抑制をもとに――」
片岡邦好氏(愛知大学)
本発表では、政治演説における演者と聴衆との相互行為の中で、演説中の「
がどのように生起し、利用されているかを考察する。その実例として、第44代お
よび第45代アメリカ大統領であったバラク・オバマおよびドナルド・トランプ両
氏による支援者集会での演説に焦点を当て、従来プロンプターを用いて「脚本で
演じた」オバマ氏と、しばしば「即興で演じた」トランプ氏の演説が、どのよう
な「」取りの差を生むのかを、マルチモーダル分析により考察する。
17:10-17:50 テーマセッション「しゃべりのい」(2)
17:10-17:50
「国会指名におけるい」
宿利由希子(東北大学)
本研究は,歴代衆議院予算委員会委員長4名(鹿野氏,中井氏,河村氏,棚橋氏)
の「指名発話の長さ」「指名発話中の」「前後の発話〜指名発話の時的隔たり」
の関係を調べた.その結果,鹿野氏,中井氏,棚橋氏の指名発話中のと長さの
に正の相関が認められた.また棚橋氏のみ,これらと前後の発話〜指名発話の
的隔たりとのに正の相関が認められた.この結果は,棚橋氏の指名発話の
が長い時、棚橋氏が指名するのも答弁者が答弁するのも遅いということを意味
する.
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