キャラクターのデザイン原案に関する研究
2021年3月 7日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース
みなさん、こんにちは。メディア学部助教の兼松です。
これまでこのblogの私の記事では,過去に私がやってきた研究のうち,主にライティング,カメラワークに関する研究と,シナリオに関する研究について紹介してきました.今回はキャラクター関連の研究を紹介します.
[兼松 祥央, 竹本 祐太, 茂木 龍太, 鶴田 直也, 三上 浩司, 近藤 邦雄, ロボットアニメーションにおけるポーズ制作支援システムの開発, 画像電子学会誌, 46巻 1 号, pp.165-169,2017]
我々がやっているキャラクター関係の研究としては,ここまでに紹介しているデジタルスクラップブックという考え方の他に,キャラクター原案制作支援という考え方で研究しているものがあります.この研究も原案制作支援に類するものです.
また,一昨日紹介した巨人キャラクターの研究もデジタルスクラップブック的な要素も含みますが,どちらかといえばこの原案制作支援に類するものです.
このキャラクター原案制作支援は,簡単に言えば既存キャラクターをたくさん調べて特徴などを分類し,新しいキャラクターのビジュアルを作るときの土台となる原案を作ろうというものです.
原案なので,みなさんがよくアニメやゲームで見るようなクオリティの高いキャラクターモデルや2Dデザインが完成するわけではありません.そう聞くと,あまり重要そうではないように聞こえるかもしれませんが,そもそも我々が研究しているキャラクターメイキングとは,なんとなくカッコよく見える・可愛く見えるイラストがかければ良いというものではありません.
作品のストーリーやテーマを伝える,世界観を表現するためのキャラクターは,そのビジュアルにもしっかりと設定を反映し,説得力がなければなりません.そして,往々にして設定を考える人と,実際に絵を描く人は違います.そのため,ディレクターをはじめとするそもそもの企画や大枠を考える人や,ストーリーを考えるシナリオライター,そして実際に絵を描くデザイナーなど,様々な役割のクリエイターが相談しながらデザインを詰めていきます.したがって,そこには誰かが頭の中で想像した物・形を他人に正確に伝えなければならない難しさがあります.
そこで私たちは,このデザインの相談をする段階での叩き台として,既存キャラクターの分析結果を用いて手軽にデザインの原案を作れる手法やデータのアーカイブを続けています.
最初にあげた研究では,特にロボットのポーズに着目して分析を行ったものですが,この前身となる,ロボットの原案制作システムに関する研究なんていうものもありますので,また別の記事でご紹介します.
(文責:兼松祥央)
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