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新入生の皆さんへ

2021年4月 6日 (火) 投稿者: メディア技術コース

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。メディア学部長の大淵です。

本日の入学式は、新型コロナ感染対策のため、通常よりは規模を縮小しての開催となりますが、ともかく東京工科大学のキャンパスに皆さんをお迎えできることを嬉しく思います。

さて、皆さんを迎えるにあたり、ひとつ世間とは逆のアドバイスをしたいと思います。それは、「自分の目標に固執しない」ことです。

私自身が大学生だったのは1980年代ですが、その頃の日本の大学生活は「モラトリアム期間」と呼ばれていました。モラトリアムとは支払い猶予を指す経済学用語から来た言葉で、社会に出てどんな生き方をするのかの決断を、4年間だけ先延ばしにできるというニュアンスでした。しかし、その後の三十数年で日本社会は大きく変わり、大学生はもとより高校生のときから自分の将来像を描くことが求められるようになりました。皆さんも、「偏差値で大学を決めるのではなく、自分の就きたい仕事を考えて大学を決めよう」と言われてきただろうと思います。

そのように将来の目標を持つのは良いことですが、ときには予定通りにいかないことがあります。その原因は自分自身にある場合もあるでしょうし、社会の方が変わってしまうこともあります。コロナ禍に見舞われたこの一年は、社会の変化により目標を断念せざるを得ない人がたくさんいました。海外留学を予定していた人、旅行業界に就職したかった人、ライブエンターテインメントの分野に進みたかった人などが代表例でしょうか。そうなったとき、じっと耐え忍んで状況が好転するのを待つというのも一つの方法ですが、そうではなく、まったく新しい分野で自分が活躍できる場所を見つけていった人も大勢いました。社会が不安定なときには、こうした転身の速さが、得てして成功につながったりするものです。

皆さんがこれから過ごす大学生活の中で、目標に向かって順調に進んでいると感じる間は、私のアドバイスなど忘れていてくれて構いません。でも、もしどこかでつまづいたと感じることがあったら、「目標は変えてもいいんだ」ということを思い出してください。メディア学部は、扱っている分野の多様性が自慢です。周囲を見回してみれば、それまで気付かなかった楽しそうなことがいろいろと見つかると思います。

Blossom

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