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2021年6月

降らずとも雨の用意1)

2021年6月30日 (水) 投稿者: メディア社会コース

2008年に私の研究室を訪ねてくれた先生が、「山崎さんは変わった取り合わせの本を読んでいるね」とおっしゃった。その時私が読んでいたいたのは、交通事故での保険とその補償について、インフルエンザについてだった。他には、京極夏彦の本があった。

今になって、そのことを思い出したのは、その2年後私自身が交通事故にあったからである。大学で色々な方と話しをしてから、別の場所にうつってまた親しい人の話を聞いていた。ちょっと疲れたなと思いながら、家に帰る途中事故にあった。たいした事故ではなかったが、それから後でよぎったのはその交通事故に関する本のことだった。治療自体は軽い割に長くかかりそれから保険の話しがありー私は歩行者だったーそのプロセスは本を読んで予想したとおりのものだった。

本を読むことは未来の体験の用意になっているなとその時におもったものでした。

                             山崎 晶子

 

 

レシピをどのように参照するか

2021年6月29日 (火) 投稿者: メディア社会コース

今回は,昔昔に行った研究についてお話ししたいと思います.

私たちは紙媒体(雑誌に載っていたシュークリームのレシピ),ゲーム機にあるレシピで,あまり料理をしない初心者がどのように料理をするのかを実験しました.今ならばYoutubeなどの動画や,レシピサイトなどを比較するといいのかもしれません.

そのときに分かったのは,ゲーム機にあるレシピがあまり使い勝手が良くないと言うことでした.今は跡形もなくなっているのですが,それも一つの問題だったと思います.

現在では,レシピを参照しながら料理をするためには,色々なやり方があると思います.スマートフォン,タブレット,PC,紙,それぞれに長所も短所もあります.実は,このようなメディアと人間の関わりを考えるのは,ヒューマンコンピュータインタフェースなどでも重要です.少しこのようなことをここでは話してみたいと思います.

 山崎 晶子

 

テレビ電話はなぜはやらなかったのか

2021年6月28日 (月) 投稿者: メディア社会コース

昨日はレシピのことをお話ししました.しかし,もう一つ重要なことは,遠く離れた人々と話すことをどうするかということも,昔昔は大変でした.例えば,誰かが,非常に長い映画に関して論評していたとき,「電話が安くなる時間に登場人物が電話をするね」と発した台詞にリアリティがある言っていました.このように電話というのは長く話しをするメディアとして親しまれてきました.

 そして,顔を見て話したいというのは,多くの人に望まれてきました.しかし,テレビ電話は発売されてもなかなかはやらずに終わっていきました.しかし,現在スマートフォンで顔を見ながら話しが出来るように,テレビ電話の機能は結局実現されたのです.テレビ電話の何がいけなかったのでしょうか?一つは,現在の授業形態でもわかるように思います.みなさん,顔を出したがりません.そのことも関係するように思います.こんな身近なことから人とメディアの関わりを考えることが出来ます.

プロボノ的実践をしている地域創生アプリデザインとペルソナの設定

2021年6月27日 (日) 投稿者: メディア技術コース

「健康メディアデザイン」という新しいメディア学の研究テーマに取り組んでいる健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアを活用して自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。
前回のプロボノによる実学主義の実践についての千種の取り組みについて事例紹介したいと思います。以下の中から今回はこの中の 1.地域創生アプリデザイン について紹介したいと思います。

  1. 地域創生アプリデザイン
  2. 企業・団体のプロモーション技法
  3. スマホ動画制作による地域メディアデザイン
  4. 地方創生におけるSDGsとデータサイエンス
  5. 健康メディアと地域メディアの企画デザイン

地域創生を行なう主体は地方自治体が多いですが、その際にどのような顧客層に対して、どのような機能を提供するかという顧客層の設定が重要になってきます。商品やアプリを開発するときに限らず利用する顧客層を仮定して全体像を設計します。これがターゲットまたはターゲッティングという顧客層の設定になります。具体的には20代女性OL、オシャレと映画が好き、といったある程度絞り込まれたユーザ設定になっています。でもこれでは多数存在する商品やアプリから選んでもらうことが簡単ではありません。
ターゲットをさらに詳細に絞り込んで顧客増を設定する「ペルソナ」という手法が利用されることが増えています。ペルソナとは、外界および自分自身に対して装う外面的な性格のことを意味し、マーケティング用語では商品やサービス・アプリの対象となる典型的な顧客像のことを意味します。ペルソナは、顧客の立場に立ってマーケティングをする際の指標にもなり、とても重要なので覚えていきましょう。
つまり、対象とする顧客数が少なくなっても対象ユーザに刺さる商品・刺さるアプリになることが可能です。商品やアプリの対象となる顧客像を定義するという点では同じ意味を持ちますが、定義する顧客像の詳細さが異なります。ペルソナとなる顧客像は、氏名や年齢、性別、住所、趣味趣向やライフスタイルなど、具体的かつ詳細な情報が含まれますが、ターゲットはそこまで詳細な情報は含まれません。
参考 https://infinity-agent.co.jp/lab/persona/

ではこの演習で実践したペルソナについて5パターン紹介します。

①「八王子市内でドッグカフェを探して、友犬をフォローできるるアプリ」

これは犬好きの学生が、八王子市内で利用できるドッグカフェアプリによって、ドッグカフェの情報だけでなく、犬グッズや犬の食べ物も一括してワンストップで提供できるアプリを想定しています。

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②「町田駅周辺のカフェや雑貨屋の情報を一覧できるアプリ」

これはカフェ巡りが好きな町田に住む女子学生がオシャレなカフェや雑貨屋の情報を検索できるアプリです。

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③「川越観光およびさつまいも関連の飲食店・お土産物屋の情報案内アプリ」

川越の近くに住む、寺社仏閣やさつまいも料理が好きな男子学生に適したアプリです。

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④「八王子に住み・通う中国人留学生の交流アプリ」

八王子に住む中国人留学生が八王子のことを知り、八王子の大学に通う中国人留学生と交流を促進するアプリです。

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⑤日光の観光アプリ、穴場スポットの観光アプリ

日光出身で八王子の大学に通う男子学生が、地元の地域活性化に貢献するように穴場スポットも紹介していく観光アプリです。

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以上のように、学生本人が自分の分身としてペルソナを設定し、それぞれ地域活性化を実現するアプリ企画をこれからデザインしていきます。最終的にできあがるアプリ企画が楽しみです。

 

実学主義をプロボノ的な実践で学修しています。

2021年6月26日 (土) 投稿者: メディア技術コース

「健康メディアデザイン」という新しいメディア学の研究テーマに取り組んでいる健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアを活用して自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。

今回はプロボノによる実学主義の実践についての千種の取り組みについて事例紹介したいと思います。

皆さんはプロボノという言葉聞いたことがありますか?Wikipediaによると『プロボノとはラテン語で「公共善のために」を意味する pro bono publico の略で、最初は弁護士など法律に携わる職業の人々が無報酬で行う、ボランティアの公益事業あるいは公益の法律家活動を指した。弁護士による無料法律相談、無料弁護活動などが含まれる。現在も弁護士の業界において、もっとも浸透している。』とあります。メディア学部の専門性から貢献はメディアの活用になります。

また、メディア学部ではディプロマポリシー(学位授与の方針)として『生活や社会を豊かにする情報・コンテンツの創出及びそれらを人から人に正しく円滑に伝達するディジタル技術の創造・活用に貢献できる人材』を設定しています。メディア学部生は在学中にさまざまなコンテンツ制作・処理および先端的なメディアを活用したり創造したりする能力を高めることを期待されています。

東京工科大学でも教育理念の中核に定めている「実学主義教育」はビジネス社会で活躍できる知識や技術、スキルの学修と社会や技術・スキルがどのように 変化してもこれに適応できる柔軟な考えを持つ人材の育成を目標としています。先端的な科学技術に対応する教育・研究のために最先端の施設を整えるだ けでなく、適応力と実践力で「一歩踏み出せる力」を養成することを目指しています。

千種は以上の東京工科大学およびメディア学部の方針の教育的な活用の場として、八王子市の地域創生や市内にあるボランティア団体におけるメディアの活用を支援するプロボノ的なプロジェクト演習やメディア専門演習を開講しています。

  1. 地域創生アプリデザイン
  2. 企業・団体のプロモーション技法
  3. スマホ動画制作による地域メディアデザイン
  4. 地方創生におけるSDGsとデータサイエンス
  5. 健康メディアと地域メディアの企画デザイン

1.~4.は1年生前期から履修できるプロジェクト演習、5.は2年生後期か3年生前期に履修できるメディア専門演習になっています。今後、メディア学部ブログで1~5のプロボノ的な演習内容を紹介していきたいと思います。これまでこれらの演習の断片的な紹介をしてきましたが、"プロボノ的活用"という視点から紹介していきます。

「楽しい」を研究するということ

2021年6月25日 (金) 投稿者: メディア技術コース

技術コースの羽田です.
私の研究室ではコンピュータを使った「面白いこと」についての研究を行なっています.面白いことと言っても,一発ギャグのようなものを作るのではなく,ゲームを作るという訳でもありません.
ゲームとは異なる「体験することが楽しい」と言ったことを五感を使った新しい体験をすることを目標に研究を行なっています.

2020年のコロナ禍でみなさんも身に染みて分かったように,「楽しいこと」というのは人生のオマケのように見えて,実は欠かせないとても大事な物だったということです.
インターネットやVRと言った技術を使うことで,人の移動ができない場合でも旅行した気分になって楽しめる装置や,会えない人とあった気分になれる装置といったものが考えられます.

Zoomに代表されるビデオ会議システムも,元々は仕事の打ち合わせなどをオンラインで行うために開発された筈なのですが,大学での授業をするのはもちろん,サークルなどの打ち合わせや友達との飲み会をオンラインで開催するといったことにも使われています.

私の研究室で過去に研究していた遠隔乾杯システムは,このオンライン飲み会を楽しくするためのシステムです.遠隔でも乾杯の時の触覚を味わえるようにビールジョッキに装置を取り付け,お互いに乾杯したタイミングを検知して,ジョッキを装置で叩くことで本当にジョッキを合わせて乾杯したような感触を取り出す物です.
論文のPDFがこちらで公開されているのでご覧ください.

http://www.interaction-ipsj.org/proceedings/2016/data/pdf/3C44.pdf

2016年と5年前の研究ですが遠くの人と楽しく宴会したいという気持ちは今の方が強くなっていますし,今後も遠隔で密なコミュニケーションをとりたいという需要は減ることはないでしょう.こういった一見無駄なようなことにもメディア技術を生かすというのはこれからますます大切になっていくのではないかと思っています.

(羽田久一)

メディア学入門

2021年6月24日 (木) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

1年生の必修科目「メディア学入門」は、4人の教員によるリレー講義ですが、私が担当する第6回から第9回は、ちょうど緊急事態宣言の期間と重なり、すべてオンライン授業になりました。

昨年も同じ時期にオンライン授業を行ったのですが、そのときは学生さんたちの通信環境のことも心配だったので、すべてオンデマンド型の授業にしました。その後、皆さんの通信環境も良くなってきていることがわかったので、今年は少しやり方を変えて、オンデマンド型とリアルタイム型の併用の授業にしました。授業の内容をだいたい三等分して、1つめと2つめについてはオンデマンドの教材で勉強してもらい、3つめはZoomを使ったリアルタイム授業で説明しました。やってみた感想としては、適度な緊張感を保ってなかなかうまくいったんじゃないかという気がしています。

私の担当回は技術的な内容が中心でしたが、時間が限られていることもあって、いろんな分野のイントロ的なことを紹介していく感じになりました。授業で紹介したことに興味を持ち、関連する授業でもっと先の内容を勉強してみたいと思ってくれた人が沢山いたならば、私の授業は成功だったということになります。そしてその中の何人かが音声音響処理の分野に興味を持ってくれて、卒業研究で私の研究室に来てくれると嬉しいですね。

来週からは、メディア学部でも対面授業が増える予定ですが、オンライン授業の良さも取り入れながら、これからの時代の講義のあり方を考えていきたいと思っています。

 

研究室紹介:ビジュアル&コンテンツインフォマティクス

2021年6月23日 (水) 投稿者: メディア技術コース

助教の戀津です。

昨日の研究室選択についてのお話では、プロジェクト名だけ出して説明をするスペースがありませんでしたので、この機会にビジュアル&コンテンツインフォマティクスプロジェクトについて紹介しようと思います。

ビジュアル&コンテンツインフォマティクスは、柿本先生と私の合同で行っているプロジェクトです。
今年度までは、イメージメディア/ビジュアルコンピューティングという名前で行っています。これは、柿本先生のご専門である画像処理に大きく寄った名称です。(私が合流する以前からの名称なので当然ですが。)
私が着任して以降、実際には学生のテーマとして私の研究分野についても研究を行いながら、プロジェクト名に私の対象領域が入っていないということもあり、来年度から変更することになりました。

そこで、私の研究内容について総括し、この分野に名前をつけるとしたらどうするか、という非常に難しい課題に直面しました。
さらに、当然ながら私の分野だけでなく画像処理の研究室でもあるので、その意味を包含する必要があります。
結論としては、ご覧の通りビジュアル&コンテンツインフォマティクスという形になりましたが、ここに至るまで丸々一か月以上かかりました・・・。
インフォマティクスとは情報学という意味で、接頭語が付くことで「〇〇についての情報学」という意味になります。
ビジュアルインフォマティクスは画像情報処理、コンテンツインフォマティクスはコンテンツについての情報学という意図です。

ちなみに、昨日の記事で三上・兼松先生のコンテンツプロデューシング/ゲームイノベーションと非常に似ていると書きました。
それは、私が本学の卒業研究で当時の金子先生・近藤先生・三上先生の研究プロジェクトである、コンテンツプロデューシング/コンテンツプロダクションテクノロジーの出身だからです。
学部の研究から修士・博士に至るまで、シナリオ制作支援の研究を行っており、自身の研究分野形成に大きな影響を受けています。

・・・また前段が長くなりました。なんで?
ここから研究室紹介です。

研究室の研究テーマですが、柿本先生の分野は2D・3Dを問わず画像処理/表現技術の研究です。
CGを作るのではなく、CGを作るための技術を考えプログラムの実装をするのが主な内容になります。
詳しくは過去の研究紹介などを見るのがわかりやすいため、学内者向けの研究室紹介ページをご覧ください。

私の分野は、映画やアニメなどの映像コンテンツを主体とはしますが、漫画や小説、あるいは歌詞や俳句(!?)などの作品制作において、よい作品がどのようにできているかを分析・可視化することを主なテーマにしています。
流石に歌詞や俳句はまだやったことがありませんが、興味のある方がいれば是非一緒に取り組んでみたいなと感じています。
その分野あるいは表現手法について分析し、そのコンテンツがどう成り立っているかを解明します。解明結果をうまく説明・表示できるように工夫し実現するところまでがセットです。
分析結果はそれ自体がコンテンツとして面白かったり、対象とした作品をより深く理解する補助になることが期待できます。先日紹介した絡みグラフなどはまさに分析結果自体が興味深い例です。

また、どうやって作られたかがわかれば、それを応用して次の作品作りに活かすこともできるかもしれません。
コンテンツ制作における優れた作品をつくるコツ、技芸というものを見つけ出すことが一番の目的です。
なので、本当は私の分野名は『アーツインフォマティクス』が一番正確に言い表す語になります。せっかく考えたのでここで披露しておきます。
アートではなくアーツ(Arts)というのが重要なポイントなのですが、アーツの意味があまりメジャーではないため誤解される恐れがあり、コンテンツインフォマティクスとしました。
長くなりましたが、「この作品はなぜ面白いのだろう」を解き明かすのが主な活動となります。作品を好きな気持ちと好奇心が原動力です。

ビジュアル&コンテンツインフォマティクスプロジェクトでは教員二名の専門分野の範囲で学生自身が好きなようにテーマを決め研究を行います。
ただし、昨日の記事で書いた通り、情熱次第では多少分野を外れていても歓迎です。過去には昆虫の研究がしたい!という方もいました。(素晴らしい情熱でした。)
まだ研究室選択で迷っている方の参考になれば幸いです。一・二年生の皆さんも是非覚えておいてください。いつかご縁があれば一緒に研究できることを楽しみにしています。

研究室選択で重視すべきことは?

2021年6月22日 (火) 投稿者: メディア技術コース

助教の戀津です。

三年生の皆さんは、今まさに卒業研究の研究室選びをしている時期ですね。
私は柿本先生と合同でビジュアル&コンテンツインフォマティクスというプロジェクトをしており、昨日で3回目の説明会を行いました。
その中で説明したことと、質問にあったことを絡めて少しお話します。

ビジュアル&コンテンツインフォマティクスは技術コースですが、コンテンツコースの内容に近い部分も扱います。
特に、三上・兼松先生のコンテンツプロデューシング/ゲームイノベーションプロジェクトとはかなり似ています。
もちろんコースが違い、別研究室である以上厳密には方向性の差はあります。しかし、(だいぶ大ざっぱに言うと)コンテンツ制作手法にかかわる研究であればどちらの研究室でもテーマにできます。

昨日の研究室説明会で、あるモノに関する音の再現についてこの研究室でテーマにできるか?という質問がありました。
私の回答としては、「可能か?はYes、適しているか?はNo」です。

音の再現、という点に関しては、間違いなく大淵学部長をはじめサウンド関係の先生方の方が適しています。
専門の教員に見てもらえるということは当然大きなメリットで、初歩的な部分のサポートからより専門的で複雑な部分の議論など、専門外の我々では対応できないことは多々あります。

一方、専門の異なるところから、別の視点で対象に取り組むというのもメリットがあります。
今回の質問を例にすると、ゲーム中で登場するなどの架空の物品に「それらしい音をあてる」というあたりで、実際の音響の分析とは別のアプローチが考えられます。(もちろんサウンド系研究室でもそういう研究は可能です)
ただし、その場合には初歩的な部分のサポート含め、対応できない部分も多くあります。

また、近隣分野だったり応用の範囲で少しなら対応できる場合もあれば、全く範囲外で何のサポートもできないということもあります。
後者の場合は流石に「できない」と言わざるを得ないですね。私の場合はソーシャルやビジネスのテーマだとお手上げです。
専門外の事を扱う負荷の量と、その考え方は教員によって様々なので、負荷が高すぎれば当然ながらNoとなります。

そのため、今回の質問(テーマ)であれば可能ではあるが適していない、というような回答になるわけです。テーマにできるかもしれないけど教員の負荷が高いということですね。
そういう場合には、自分自身で情熱を持ってわからない事は調べ、それでもわからない事は専門の教員に自ら聞きに行くという主体的な行動が求められます。
指導教員にだけ負荷を求めるのでなく、その分自分自身がしっかり動くということですね。そのような姿勢であれば、多少専門外の事でもテーマにできるかもしれません。

話を戻し、似た分野の研究室の場合ですが、そのテーマを研究するという点においてはどちらでもいいといえるでしょう。
すると研究室選択で何を重視すべきか、というタイトルの話にようやくつながります。(私の話は前段が長くなりがちですね・・・。)

まず第一には「やりたいテーマに適しているか」があります。これは当然ですね。
そして第二に、あるいは同等程度に重視してほ
しいのが「教員との相性」です。
人間同士ですので、どうしても人格の良し悪しとは別に相性があります。私見ですが、この相性が研究生活及び学生生活に及ぼす影響はかなり大きいです。
相性をこれからはかるのは難しいですが、これまでの二年間で接してきた中で感じたものがあるならばそれは重要な指標になります。
それに、情熱をアピールして専門外のテーマをお願いするなら、事前にある程度の良好な関係性があるのが望ましいですね。

前段で書いてきた、テーマの適性から大きく逸脱せずに複数の研究室が該当するならば、是非主宰の先生との相性を検討してみてください。
皆さんがよりよい研究生活ができ、よい成果が出ることを祈っています。

「無理」と言われると実現したくなる

2021年6月21日 (月) 投稿者: メディア技術コース

 3年生向け講義「3次元コンピュータグラフィックス論」の先週の授業では「レイトレーシング」を取り上げました。今日の主題はその技術ではなく、履修生からの質問を受けて考えた大事なことです。誰にとって大事かというと、非定型的な仕事(何らかの「問題解決」)をするすべての人にとってです。
 
 まず、質問のあったスライドページを示します。
 
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 レイトレーシング法はCG画像を生成する一手法で、検索すれば多くの説明が出てきます。手法のポイントは、画像の一画素一画素について、視線に相当する直線(レイ)と物体モデルとの交点を見つけてその画素で見える物体表面色を計算(シェーディング)する、という点です。
 
 このスライド内容に対して次のような質問がありました。
 
 質問
 『
 逆に直線との交差計算ができない形状とは例えばどんなものがあるのでしょうか?
 』
 
 もっともな質問です。ついそうツッコミたくなるスライドですからね。これに対する私の回答は以下の通りです。
 
 回答
 『
 面積のない形状、つまり点や線です。交差計算自体は実行可能ですが、交点が求まらない場合がほとんどだからレイトレーシングは事実上できない、ということになります。
 
 例えば、ベジエ曲線をレイトレーシングで描画することはできません。点群データもできません。
 
 そもそも、点や線は、仮にレイとの交点があった場合でも、その交点をどういう明るさでシェーディングすればよいか、レイの反射方向はどうなるか、などに関する計算方法はありません。その意味でも点や線は無理、ということになります。
 』
 
 ここから先は私の研究者としての独り言です。
 
 「無理」と言われると研究者としては、完璧じゃなくてもそこそこ妥当な方法で何とか実現できないか、と考えたくなります。実現できれば新たな研究成果になるかもしれません。
 
 例えば、レイと点・線との交点は通常は求まりません。ただ少し現実的に考えると、近い所をレイが通るならその点・線が見える、とみなすこともできます。近い、というのは、距離を測り、事前に定めた距離と照らし合わせれば判定できます。これだと交差判定が実現できます。
 
 シェーディングに相当する計算も、距離が近いほど明るくするなど、妥当なやり方はあります。
 
 実際、点とレイとの距離を使って妥当な交差判定ができる、というのは「メタボール」のレイトレーシングの基本的な考え方になります。
 
 研究者に限らず、価値のある仕事をする場合に上記例のような発想は重要です。
 
 「不可能」と言われたら、「ゴール設定を多少変え、完璧じゃなくても有用な解決法があるはず」と考える癖をつけておくと、「問題解決力」の基礎体力になります。
 
 ちなみに、問題解決力のための別の基礎体力は「豊富かつ雑多な知識」です。大小さまざまの困難な問題を解決するのに必要なのは創造性です。創造性は、知識概念の量と組み合わせる力との掛け算です(ジェームス・W・ヤング「アイデアのつくり方」)。
 
 さらに蛇足ですが、私自身もいま大学教員として困難な新しい問題に直面していますが、ゴール設定を多少変えてでもなるべく最適な解決策を仲間と一緒に模索するのを楽しんでいるところです。

メディア学部 柿本 正憲

シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その23

2021年6月20日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。
今回も「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介します。
今回紹介するのはこの映画です。
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『スタンド・バイ・ミー(1986)』
【監督】
ロブ・ライナー
【脚本】
ブルース・A・エヴァンス
レイノルド・ギデオン
【参考URL】
https://movies.yahoo.co.jp/movie/11893/
【あらすじ】
アメリカのオレゴン州にある、人口1000人ほどの田舎町、キャッスルロックに済む少年ゴーディには、中の良い友だちが3人いた。リーダー的存在のクリス、父親が誇りのテディ、弱気だが負けず嫌いのバーン。彼ら4人は木の上にこしらえた秘密基地に集まって遊ぶことが日課だった。
ある日のこと、バーンが一つの提案を持ちかけた。それは「人間の死体を見てみないか」というもの。数日前から行方不明になっていた少年の死体をたまたま見つけたバーンの兄は、見て見ぬ振りをして帰ってきた。それをたまたま知ったバーンは、4人で発見して第1発見者となれば、一躍有名になれるのではないか、と考えたのである。
4人は、それぞれの家族に「友だちの家の庭でキャンプする」と嘘の計画を伝えると、街から30kmほど離れたチェンバレーへ向かうことに。バーンによると行方不明の少年は、どうやら列車に跳ねられたらしく、4人は線路沿いに歩いていくことになった。
意気揚々と出発したものの、所詮は子供の無計画な思いつきで、寝袋は持参しても食料の準備はしておらず、なけなしのお金を四人でかき集めて買い出しに行くはめになったり、列車が通る時間を全く把握しておらず轢き殺されそうになったり、常にトラブル続きの道中だった。
もうすぐチェンバレーかという夜のこと、獣の遠吠えに危険を感じた4人は火を起こし、交代で見張りをすることにした。とっくに食料は尽きていて、手持ち無沙汰になった4人は、ゴーディに「なにか面白い話をしてくれ」と頼むと、その話題でひとしきり盛り上がった。
その後、クリスが寝静まった仲間たちを見守っていると、ゴーディは交代のために起きてきた。するとクリスはコーディが語った自作の物語が盛り上がったことを引き合いに出し「小説家になれよ」と勧めてきた。
しかし、ゴーディはどうしても自分に自信がなかった。ゴーディにはとても優秀な兄がいたが、突然の事故で亡くなっており、両親はそのショックから立ち直れず、事あるごとにゴーディよりも優秀だったと嘆かれていたからである。
その後、夜が明けると4人はさらに歩き続け、ついに線路近くの茂みに放置された死体を発見する。しかし、4人とは別にバーンの兄から死体の話を聞きつけていた不良グループがその直後に現れ、リーダーのエースが死体を渡せとナイフで脅してきた。自分たちが第一発見者となって手柄を横取りしようとしたのである。
しかし、これに対してゴーディはクリスが密かに持ってきていた銃を突きつけ返して拒否。すると、銃を渡せとたかを括ってきたため、ゴーディはエースに威嚇射撃した。これにひるんだ不良たちは諦めて逃げていった。
ようやく目的の死体との対面を果たした4人だが、出発したときに想像していたような喜びはなく、匿名での報告を決めた。
特にゴーディは死んだ兄を思い出し、どうして兄ではなく自分が生きているのだろうか、と複雑な思いがこみあげていた。すると、そんなゴーディにクリスは「将来小説家になって、この数日間の冒険を書いてほしい」と伝え、改めてゴーディが文才を活かすよう促した。
その後、4人は次第に会うこともなくなり、それぞれ別々の道を進むことになったが、ゴーディはこのときの冒険がきっかけとなり、小説家として成功をおさめることになった。
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「スタンド・バイ・ミー」は、スティーブン・キングの小説が原作の映画で、原作のタイトルは、作中で冒険に出かけるきっかけとなった死体を指す『THE BODY』です。「ホラーの帝王」の異名を持つスティーブン・キング原作の小説はホラー映画として何本も映画化されていますが「スタンド・バイ・ミー」はそれらのなかでは珍しく、ホラーではない小説の映画だったりします。
この作品は今なお日本でも人気が高く、放映希望アンケートで上位にランクインしたり、映画のタイトルにもなっている楽曲「スタンド・バイ・ミー」はもちろん、映画の道中に流れる楽曲の数々を、思い出の曲として上げるファンも多いです。
では、この作品でシナリオライターとしてどこに注目すべきか、といえば「原作小説を活かしつつ映画のためにシナリオが書かれている」という点です。
スティーブン・キングの小説が数多く映画化されていることからも分かるように、日本も海外も小説を原作に映画が作られることはよくあります。
商業的な観点から考えれば「人気になった小説をもとに映画を作れば、原作小説のファンが見に来てくれるだろう」という計算ができて、ある程度確実な収益を見込むことができるわけですが、原作と映画の内容があまりにも違いすぎてファンを落胆させる場合も少なくありません。最近では一概に映画化を喜べない人もいるようです。
どうしてそんなことが起きるのか、というと、一番の理由は単純なことで「小説と映画は全く別物だから」です。
仮に単なる一人の原作小説ファンとして見るだけなら、映画の出来に納得がいかなくて憤慨するのも楽しみ方の一つですが、シナリオライター的な観点から見るならば、小説と映画というふたつのメディアの違いは別物の作品として内容を把握すべきです。
別物として把握すべきポイントはたくさんありますが、中でも重要なことの一つは、小説なら詳細に記述されている心理描写が、映画では映像や俳優の演技から読み取ることしかできないこと、が挙げられます。
小説であれば、作中で起きた何らかの出来事に対して、それぞれの登場人物が感じたり考えたりした内容を、地の文で記述し、説明することができますが、映画ではそれができません。それをどうしても実現しようとするなら、ナレーションやセリフで語らせるしかないのですが、すべてのシーンでそれをやってしまうと、映画としての進行テンポが悪くなってしまいます。
当然シナリオライターは、小説と映画が別物になることを承知の上でシナリオを書くことになります。大ヒット小説が原作だったら、シナリオライターはラクにシナリオを書けるだろう、と思われることも多々ありますが、むしろ逆です。大ヒット小説の内容を映像にして映画にすることは難しいので、とても苦労することになります。
その点で「スタンド・バイ・ミー」は、物語の中心となる4人の少年たちの抱える問題を適度に映像化しつつ、くどくなりすぎない程度に心情をセリフにしています。そして、主人公のゴーディに関して言えば、ナレーション役を「大人になって当時を振り返るゴーディ」にすることで、特に念入りに心情描写させています。
本作の舞台はアメリカの田舎町。登場人物も幼く未熟な少年たちで、起きる出来事も、それに対するリアクションも、それほど派手なものになりえない内容です。正直いってどれもスケールの小さい事象ですが、本人たちにとっては大きな事件だったり、大冒険だったりするのだな、と思わせてくる映画になっているのは、登場人物たちの心理描写を巧みにシナリオに反映できているから、と言えるでしょう。
シナリオライターを目指す方には、ぜひ一度見ていただきたい作品です。
(文責:兼松祥央)

6月13日(日)「バーチャルオープンキャンパスDAYS」開催報告

2021年6月19日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

皆さん、こんにちは!

八王子キャンパスの今年度初のオープンキャンパスが6月13日(日)に開催されました。緊急事態宣言の期間中ということで、本学は「バーチャルオープンキャンパスDAYS」と題してオンラインでの開催となりました。多くの方々にご視聴いただきまして、どうもありがとうございました。

当日のメディア学部関連のイベントは以下の通りです。(※[ ]は担当教員です)

【1】9:30〜10:00:メディア学部説明[大淵]
【2】10:00~11:00:学部概要+コース紹介[大淵・三上・寺澤・進藤]【片柳研究所棟 大ホール】
【3】11:30~13:30:「メディアとSDGs」[吉岡・飯沼]
【4】13:30〜14:00:メディア学部説明[大淵]
【5】14:00~15:00:学部概要+コース紹介[大淵・三上・寺澤・進藤]【片柳研究所棟 E402教室】
【6】15:00~16:00:「メディア学部特別番組「出張!! intebro」」[佐々木]
【7】16:00~17:00:「TGS出展予定ゲームのバーチャル展示」[三上]


このうち、赤色で示した「学部概要+コース紹介」は、片柳研究所棟の中にある「大ホール(視聴覚ホール)」と「E402講義室」からライブ配信されました。皆さんを会場にお迎えして各教員の説明を直接、聴いていただける環境を整えつつ、ご自宅からも視聴できる「リアル+オンライン」のハイブリッド方式でしたが、今回は完全オンラインでの開催ということで無観客での実施となりました。7月以降のオープンキャンパスは、皆さんとキャンパスでお会いできることを心より期待しています。

さて、本日のブログでは、当日の「学部概要+コース紹介」を午前と午後の部に分けて写真でご紹介いたします。キャンパスに足を運びたいと思っておられた方が、大学の雰囲気を少しでも感じていただければ嬉しいです。


◎片柳研究所棟の外観:地上16階、地下1階の建物で、講義室や応用生物学部・工学部の研究室、産学官の研究施設などがあります。
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◎片柳研究所棟からの八王子キャンパスの眺め:坂の上の奥に見える独特な形の建物は、左側が研究棟A、右側が研究棟Bです。メディア学部の活動拠点である研究棟Cは、研究棟Aの左奥にあります。
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◎片柳研究所棟の中に入ってみましょう!:入口を入ってすぐにロビーがあり、通常はここがオープンキャンパスの受付場所になります。
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◎大ホールの外観と内観:約600名を収容できるホールで、講義にも使用されます。7月以降のオープンキャンパスでは、皆さんをこちらにお招きしたいです。
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◎学部概要説明(大淵学部長):メディア学部の特長のほか、学部開設からこれまでの歩みについても詳しい説明が行われました。
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◎コース紹介(1)「メディアコンテンツコース」(三上教授):コンテンツコースが網羅する幅広い分野・領域に関する説明のほか、各教員の研究室や活躍する卒業生の紹介がありました。
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◎コース紹介(2)「メディア技術コース」(寺澤教授):コンテンツコース、社会コースとの連携についての説明のほか、AI技術を活用したシステムのデモンストレーション動画も紹介されました。
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◎コース紹介(3)「メディア社会コース」(進藤教授):4つの研究分野の観点から、社会コースでのさまざまな取り組みや各教員の活動について紹介が行われました。
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◎午前の部が終了しました!:研究棟Aと研究棟をつなぐ屋根の下には噴水があり、その中央に「朝の調べ」という彫刻作品が展示されています。午後の部は4階のE402という講義室で学部概要とコース紹介を行います。
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◎E402講義室の外観と内観:約300名を収容できる片柳研究所棟の中で最大の講義室です(同じ規模の講義室がもう1つあります)。通常のオープンキャンパスでは、この場所で学部説明や模擬授業などが行われます。今回のライブ配信では綿密な機材チェックが行われました。教員はスクリーンの右側に立って説明を行います。大ホールとは全く異なる配信システムなので、先生方も少し緊張気味です。最後の写真は、開始に向けて職員がカウントダウンしている様子です。さあ、いよいよ午後の部の始まりです!(※説明内容は午前の部と同じです)
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◎学部概要説明(大淵学部長):「メディア学」はメディア学部の根幹を成す学問体系・理念で、このもとに教育カリキュラムが綿密に構築されています。そのポイントを大淵学部長がわかりやすく解説しています。また、コロナ禍での対応についても説明がありました。
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◎コース紹介(1)「メディアコンテンツコース」(三上教授):コンテンツコースでの成果の一つとして、学生たちがグループで制作したゲームを動画で紹介しました。動画をご覧になって、発想のユニークさ、完成度の高さに驚かれた方も多いのではないでしょうか? こうしたコンテンツ制作を目指す方は、ぜひ「プロジェクト演習」を履修しましょう。三上教授の「コンテンツプロデューシング」での研究は、ゲーム以外の映像分野に興味がある方にも大いに役立ちます。
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◎コース紹介(2)「メディア技術コース」(寺澤教授):技術コースの各教員の専門分野について、詳細な説明がありました。ここでは紙面の都合上、大淵教授と寺澤教授のスライドのみを掲載します。「技術」を柔軟に駆使して「ワクワクすることに挑戦」したい高校生の皆さんを歓迎します!
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◎コース紹介(3)「メディア社会コース」(進藤教授):メディア学部のカリキュラムの中で、メディア社会コースの柱となっている4つの研究分野に関連する授業が表で示されました。また、各教員と学生が関わる、地域と連携した活動や社会貢献などの活動についても、写真や動画で紹介がありました。
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◎片柳研究所棟からの眺め:E402教室からの八王子市街方面の眺め、E402教室前の廊下からのキャンパスの眺めです。当日は少し不安定な天候でお昼過ぎに一時的に大雨が降りましたが、午後の部の「学部概要+コース紹介」が終わったころには、すっかり上がっていました。八王子キャンパスは緑豊かな丘陵地にあります。次回、7月のオープンキャンパスでは、皆さんの目でこの風景をご覧いただけることを心から願っています。
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当日はこのほか3つのオンラインイベントが開催されました。

・「メディアとSDGs」(社会コース:吉岡講師・飯沼准教授):昨今、世界的に高い関心を集めているSDGsの事例を紹介するとともに、学生自らが、自身の社会貢献の活動を報告しました。
・「メディア学部特別番組「出張!! intebro」」(コンテンツコース:佐々木教授):intebroのメンバーによる軽妙なトークと取材映像を交えて、メディア学部の魅力と“学び”の面白さをご紹介しました。
・「TGS出展予定ゲームのバーチャル展示」(コンテンツコース:三上教授):今年もオンラインで開催される「TGS(東京ゲームショウ)2021」への出展を目指して各グループが制作したユニークなゲームを、制作者が実際に操作しながら、工夫した点や苦労した点などをお話ししました。

これらのオンラインイベントにも多くの方々が参加し、ご視聴くださいました。ありがとうございました。

次回の八王子キャンパスのオープンキャンパスは、7月18日(日)に開催します。さらにメディア学部の魅力を知っていただけるよう、さまざまな企画を計画していますので、どうぞお楽しみに!


(文責:伊藤謙一郎)

「クリエイティブ・アプリケーション」の演習講師である渡邉賢悟さんの活躍がengadgetに掲載

2021年6月18日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさんこんにちは。伊藤彰教です。

プロジェクト演習「クリエイティブ・アプリケーション」で演習講師をつとめておられる、メディアサイエンス専攻博士号取得者である渡辺賢悟先生のご活躍の様子が、engadgetに掲載されました。

『iOSアプリ開発者に訊く:10年現役のペイントツール『彩えんぴつ』作者 渡邉賢悟さん』

長年のiOS, MacOSのアプリケーション開発が認められ、Apple開発者会議WWDCの開催のタイミングに合わせて「日本の代表的な開発者のおひとり」ということで取材を受けました。

これをきっかけに「クリエイティブ・アプリケーション」に興味をもってもらい、多くの学生さんに受講してもらえると、わたしも渡邉先生もとてもうれしいです。「どんな人なの?」「どんな演習なの?」はぜひリンク先の記事をご覧ください。わたしがここで書くよりも、プロの記事はさすがの分かりやすさです。ぜひ♪

(画像はコロナ禍の前の演習の様子です:またみんなでこんな風な演習ができるようになるといいですね)

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和風なゲームやアニメに頻繁に登場する「神社」をより効率的に作成するツール

2021年6月17日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

卒業生の卒業研究成果の中で研究発表したものについてのシリーズです.さらにいくつか「映像表現・芸術科学フォーラム(2021年3月8日)」から紹介します.次は,“建築様式を考慮した神社の鳥居と社殿の制作支援システム”の紹介です.

昨年は「Ghost of Tsushima」や「天穂のサクナヒメ」など,日本や和を題材としたゲームが多くありました.そしてそのような作品になくてはならないのが,神社や寺,お城などの日本固有の建築物です.菊池先生の研究室では「日本城郭」のプロシージャル生成の研究が実施されており,大変好評ですが,こちらは「神社」を題材とした制作支援です.

このような歴史的な建築物,独特な様式のある建築物を制作する際には,建築当時の様子やそれぞれの建物の持つ役割などを入念に調査するひつようがあります.この研究では,日本の神社の様式などを調査し,それの様式に沿った神社を容易に生成できるように支援するシステムを開発しました.

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今回の研究では制作者が意図した神社を作るということを目的に,基本的には,制作者が手続きにそって作業していく手法をとっています.将来的に摩完全に自動で敷地に合わせて神社を自動で生成していくことなども考えていきたいです.

文責:三上浩司

ゲームキャラクタエディットなどでウェーブやカールなどの特徴ある髪型を作成する手法

2021年6月16日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

卒業生の卒業研究成果の中で研究発表したものについてのシリーズです.ここからは「映像表現・芸術科学フォーラム(2021年3月8日)」から,“モバイルアプリにおけるアバター髪型のウェーブ,カール編集システム”の紹介です.

最近のゲームではプレイヤーキャラクターを自分の好みにエディットする機能が多く実装されています.数あるパーツの中から自分の好みのものを選び,配置を調整して好みの色に設定するプロセスにあっという間に1時間かかったなんてこともあると思います.

そんな,キャラクターエディット機能なのですが,今回のテーマである髪型に関していうと,用意されている髪の形状を選んで色味を調整する形で作られることがほとんどです.3DCGのモデリングツールを使えば自由な形状は実現可能ですが,家庭用ゲームやスマホゲームなどでは,マウスやキーボードも稀ですので,思い通りの髪型を作るのは容易ではありません.それでも長さや形だけなら思い通りのものも作れますが,ウェーブやカールのかかった髪型となるとそう簡単にはいきません.

そこで,本研究ではスマートフォン上でなぞった形に髪の毛をウェーブ・カールさせる編集システムを考案しました.

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実際にいろいろな人に試してもらったところかなり簡単にカールやウェーブ形状の髪の毛を作成してくれていました.
思い通りの髪型を再現するための手法としてスマホゲームに採択される日も近い(かな?).

文責:三上浩司

卒業研究「プロダクトデザイン」2021年3月卒の皆さんのポスター紹介 その2

2021年6月15日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

真夏を前に蒸し暑い時期に入りました。大学での授業も大人数授業は遠隔となっていますが、そろそろいつものキャンパスに戻れることを期待しています。現4年生もコロナ禍が続いていますが、就活と卒研、どちらも頑張っています。

今回は、鈴木さん、土屋さん、長谷川さんのポスターを紹介します。

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鈴木さんは、調理に長い時間をかけにくい環境にある人が多いことに着目しました。そうしたユーザー向けの調理用機器の製品調査およびアンケート調査を行い、複数の料理を同時に行う機器の不足を指摘しました。このことを踏まえ、コンロに向かうことなく、複数の料理が可能な炊飯器型の調理機器のデザイン提案を行いました。

土屋さんは、健康維持のための製品が増えていることに着目しました。健康であるためには栄養摂取は重要であり、栄養源としてのタンパク質の重要性を背景に昼食も兼ねてプロテインを摂取する人も多いことが分かりました。そこでプロテインを摂取するための容器・用具を調査する中、プロテイン粉末がダマになってしまう製品がないことを指摘しました。このことを踏まえ、半球状形態の蓋部分と特徴とする容器のデザイン提案を行いました。

長谷川さんは、情報機器で進歩する中においても、机上のペンの存在感に着目しました。文字を書くためにも、スケッチなどの視覚表現のためにも、ペンは必須と考える人は多いことを指摘し、アンケート調査を行い、ペン立ては汚れやすいが掃除もしにくいと感じるユーザーが多いことを確認しました。また市場にある製品調査も行いながら、メッシュの基本形態の構成でペン立てとペンケースを兼ねるデザイン提案を行いました。3Dプリンタでの出力も行い、訴求力のある提案になりました。

メディア学部

萩原祐志

【履修登録不要】メディアサイエンス先端特別講義I

2021年6月14日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です.

今日は大学院メディアサイエンス専攻の学生向けの告知です.
今週水曜日からメディアサイエンス先端特別講義Iがはじまります.
この講義は今週から3週間,水曜日の4,5限に実施します(全7コマで,最後の1コマは現在調整中です).
スウェーデンのウプサラ大学から林正樹先生をお招きし,ウプサラ大学ゲームデザイン学科の研究紹介や,バーチャルミュージアムの実習などを行います.

授業はzoomを使ったリアルタイムでの実施ですが,授業終了後に録画をアップロードしますので,オンデマンド形式での受講も可能です(でも,リアルタイムに誰も来ないと寂しいのでなるべくリアルタイムに来てね!).

また,この講義は履修登録不要の講義ですので「履修登録期間に登録を忘れてた・・・」という心配は無用です.リアルタイムに参加する方もオンデマンドで受講するかたも,後日私から受講者名簿登録の案内をメーリングリストを使ってお知らせします.

講義用のzoomアドレスなど,詳細は6月4日のお昼ごろに菊池先生からメーリングリストで案内が出ていますので,確認してください.

皆さんのご参加をお待ちしています.

(文責:兼松祥央)

プロジェクト演習「SDGs佐渡」がスタート。

2021年6月13日 (日) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部のある八王子と佐渡の関係を皆さんはご存知でしょうか?

それは、徳川家康の時代にさかのぼり、大久保長安という武将が関係しています。

大久保長安は、伊豆、甲斐、信濃、美濃、越後と幅広い地域を管轄していました。そんな中、佐渡金山の開発をすることになり、その後八王子に領地を与えられることになったのです。

まさか、そんな昔から遠い佐渡と八王子に関係があったなんて、ご存知でしたでしょうか。

それが関係しているかは定かではありませんが、東京工科大学と佐渡もかなり長いお付き合いがあります。

例えば・・・・・

【2013年4月18日掲出】
「トキボランティア」に参加した学生が甲斐元也・佐渡市長と八王子キャンパスで懇談

https://www.teu.ac.jp/information/2013.html?id=106

本学の学生は、佐渡に行ってトキを野生に戻すために、ビオトープ作りをしてきました。また、竹が増え過ぎて環境を壊してしまう、いわゆる竹害を防ぐための伐採なども行ってきました。切った竹を精製して灯籠を作り、ライトアップイベントも企画しました。

私も一度佐渡の岩首という集落に訪問し、棚田や地元のお祭りなどを視察したことがあります。美しい緑の棚田が広がる合間から、真っ青な日本海を望む景観は、今でも忘れることが出来ません。夜空に浮かぶ天の川も、本当に美しい光景です。


さて、そんな佐渡に学生ボランティアを送り込むプロジェクトが、今年度からメディア学部主導で始まることになりました。

その名も、プロジェクト演習「SDGs佐渡」です。

SDGsについても、教科書を輪読しながら深く学ぶと共に、佐渡についても調査を行い、コロナ禍で出来る事としてオンラインイベントを実施します。

そして、このブログを書いている6/2(水)、いよいよ佐渡の方と学生がzoomに集結して、顔合わせを行いました。後半には、過去に佐渡プロジェクトに参加したことのある先輩も登場しました。

こんな感じでした。

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んー、もうワクワクが止まりません。

とにかく、佐渡は資源が豊富。

そこにはすでにサステイナブルな自然と共存する仕組みが存在しています。

一方で、高齢化などでの悩みもあります。

近代化を最小限にしているようにも思いますが、少しでも文明が入ることで自然が破壊されている様子もあります。

お話を伺っていて、東京にいる私には想像もつかない発想や視点がありました。

さて、7月に実施するオンラインイベントで、佐渡のことを広く知ってもらえるように、これから学生が企画を立てます。

イベントを実施する際には大学のホームページから情報発信しますので、お楽しみに!

 


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

スマホアプリ「Vocagraphy!」のこれから

2021年6月12日 (土) 投稿者: メディア社会コース

"Vocagraphy!"は、私が難聴児を育てる中で、「こんなアプリがあったらいいな・・・」を実現したものです。お付き合いのあった開発企業である株式会社 夢現舎さんに相談をして、地道なやりとりをしながら開発を進めました。もともと私は聴覚障害の専門家ではありませんので、このアプリが本当に聴覚障害児の役に立つのか、最初は自信がありませんでした。しかし開発を進める中で、実際に娘と一緒に使うことで、どうしたら楽しく言葉を覚えることが出来るかを精一杯突き詰めました。

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図:アプリのチラシ

今回、NHKの全国放送でアプリについて丁寧に放映していただき、思った以上に沢山の方からお声を頂きました。それは、このアプリが必要とされていることを証明する内容でした。皆さんから頂いた声が私のパワーの源となり、さらに使いやすく役に立つアプリになるよう開発を進めるという決意へと導かれました。

現在、Android版の開発に向けて、開発協力を呼びかけています。また、静止画だけでなく動画を取り込めるように協議を進めています。動画を取り込めるようになると、「早い」のような形容詞や、「投げる」のような動詞を覚えるのにも、このアプリを使えるようになります。

また、今回頂いた声には、聴覚障害ではなく発達障害のお子さんを持つ保護者の方からの要望が多くありました。言葉を覚えるという点においては、同じ悩みを抱えているのです。さらに、成人の方でも失語症になった場合に、絵カードを使って言葉を思い出すリハビリが行われます。そのような場面でもこのアプリが使えるようです。

私が娘に言葉を覚えて欲しいという思いをアプリに詰め込み、それがウェブやテレビのようなメディアを通じて多くの人々に伝わりました。さらに人々が感じたことがメールなどで私にフィードバックされ、それが力になり私を動かしています。

これが、「メディアのチカラ」なのだと思います。

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https://blw.jp/

 


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

【6月13日(日)】バーチャルオープンキャンパスでオンラインイベント開催!

2021年6月11日 (金) 投稿者: メディア社会コース

6月13日(日)はバーチャルオープンキャンパスです!

詳しくはこちら>>>>

https://jyuken.teu.ac.jp/jyuken/index.html

 

私は飯沼先生と一緒にオンラインイベントを開催します。


<オンラインイベント申し込みページ>
URL: https://www.teu.ac.jp/entrance/open/reception/index.html

※「バーチャルオープンキャンパスDAYS八王子(6月13~19日)」を選択して下さい。

日時:6月13日(日) 11:30-13:30

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コロナ禍でインターネットやデジタルコンテンツの活用が増える中、持続可能な開発目標であるSDGsにおいても世界を変えるためにメディアが活躍しています。本ウェビナーでは、これまでのメディア学部の取り組みや今後の展望についてご紹介します。


 

昨年も数回開催した「メディアとSDGs」です。

最近は、SDGsという言葉を聞かない日は無いというくらいに、浸透していますよね。

持続可能な社会を実現するためには、不可欠なものだからです。

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デジタルのコンテンツやデータを扱うことで、世の中をどのように良くすることが出来るのでしょうか。

一緒に考えてみませんか。

私は専門分野である聴覚障害支援の他に、今年度から教養学環の大山先生と新しく始めたプロジェクト演習「SDGs佐渡」の取り組みを紹介します。飯沼先生は海外との連携プロジェクトをご紹介します。

お楽しみに!

 


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

 

【テレビ放映の裏話(4)】今度は「おはよう日本(全国放送)」放映!・・・驚きの反響

2021年6月10日 (木) 投稿者: メディア社会コース

NHKのディレクターさんから連絡があったので、首都圏ネットワークのお礼を伝えると

「今度はおはよう日本で放映されますよ。全国放送です!」

ええええ・・・・・・

そんなことがあるんですね。まぁ、いろいろ聞いてみるとあるようですが、こんなに短期間でまた放映されるとは思っていませんでした。

そして、5月17日(月)、今度は朝の6時半過ぎとのこと。娘も見たいというので起こして、眠い目をこすりながら一緒にテレビの前に座りました。前回の放映よりも少し短いと聞いていましたが、ほぼ同じ内容で流れました。

朝早かったですし、前回ほど周囲への告知はしなかったので、どのくらい反響があるのか全く想像がつきませんでした。そこで、アプリのダウンロード数を確認すると・・・・・・・

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なんかすごいことに。最初の山が「首都圏ネットワーク」で、2回目のが「おはよう日本」です。

放映後数日で、1,000は増えたと思います。その後も伸びて、首都圏ネットワークの放送前と比べると、2,000以上増えたことになります。テレビの効果というのは本当にすごいですね。

問い合わせもたくさん来ました。エールを頂いたのと同時に、現在iOS版だけなのでAndroid版を開発して欲しいという要望でした。さらに驚いたのは、聴覚障害ではなく、発達障害などを持つお子さんの保護者の方からの声が多かったことでした。想定はしていましたが、思った以上に多かったです。

いずれにしても、このアプリを必要としてくれる方々が多くいらっしゃることが確認出来て、私がたくさんの勇気を頂いたように思います。

番組を作って頂いたNHKのスタッフの皆さん、出演して頂いた皆さん、ありがとうございました。

そして、アプリ開発を協力して頂いた株式会社 夢現舎の皆さん、デザインを担当した卒業生の城戸君、英語版の翻訳を担当した谷さん、ありがとうございました。

あれ、今度はディレクターさんからメッセージが、、、

「吉岡さん、今度はNHKワールドで放映されます!世界配信です。」

・・・・・・・・・

おわり

 

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メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

【テレビ放映の裏話(3)】いよいよ「首都圏ネットワーク」放映!・・・とその反響

2021年6月 9日 (水) 投稿者: メディア社会コース

4月20日(火) NHK「首都圏ネットワーク」放映時間の18時半になりました。

えっ、「Border Break 〜打ち破れ!その境界〜」

かっこいいオープニング・・・・・(涙

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コーナーのタイトルは聞いてなかったので、まずはオープニングのかっこよさに驚きました。実は、この日は2回目のゼミがあったので、研究室で一部の学生と一緒にテレビを見ることにしました。しばらくテレビの音だけが響きわたる研究室。最初にアプリを使っている人のシーン、次に自宅、外のシーン、そして研究室。恥ずかしいからか、6分が少し長く感じました。

とにかく分かりやすい。

これまでアプリについて人に説明してきましたが、どうしても専門的な内容を話してしまうし、難しいことを考えてしまいます。今回のようにプロが客観的にまとめて下さったことを本当に感謝しています。

首都圏ネットワークはアーカイブを見ることが出来ます(無料の登録が必要です)。よろしければ、ご覧ください。


首都圏ネットワーク(東京・神奈川・千葉・埼玉)
難聴の娘にアプリ開発
https://www.nhk.jp/p/shutoken-net/ts/MX1YJ59WZ8/episode/te/Q3XG97L4GN/


また、番組の内容がウェブ記事でも紹介されました。こちらは放映よりもさらに詳しい内容になっていますので、アプリ開発の経緯をお分かり頂けると思います。ぜひご覧ください。


NHK「首都圏ナビ WEBリポート」
https://www.nhk.or.jp/shutoken/wr/20210513.html


番組放映後に、1件の問い合わせが来ました。アプリの機能に関するご要望で、このようなフィードバックがあると開発して良かったと嬉しく思いました。アプリのダウンドード数を確認してみると、なんと400くらい増えていました。テレビの効果はすごいなと改めて実感しました。

NHKのディレクターさんから連絡があったので、お礼を伝えると

「今度はおはよう日本で放映されますよ。全国放送です!」

ええええ・・・・・・

つづく

 

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メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

 

 

 

【テレビ放映の裏話(2)】撮影って、やっぱり緊張します。

2021年6月 8日 (火) 投稿者: メディア社会コース

まず最初は自宅での撮影。

「ピンポーン」

えっ、カメラでか〜〜〜。

私はこれまでメディア学部の授業で、映像作品を作るとか、音楽を作るとか、作る側の話をすることが多かったのですが、大きなカメラを向けられて話すのには慣れていません。これまでにも取材を受けたことはありましたが、NHKのカメラはさすがに大きかったです。ブームマイクもしっかりこちらを向いているし。

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最初は自宅だったので、話しているうちにだんだんリラックスしてきました。どこからどこまで使うのか分かりませんが、とにかく聞かれたことに答えるので精一杯だったと思います。自宅の他にも近所を娘と歩いて昔を回想するなど、全部で2時間くらいかかったと思います。別の日に研究室にも撮影に来て頂きました。今年度から新しく始まる「聴覚障害支援メディア研究室」の記念すべき第1回目のゼミです。私の挨拶や学生の発表など30分ほど撮影して頂きました。

撮影後、私が話したことを視聴者がどのように受け止めるのかをとことん考えて頂いたのでしょう。収録から放映までの間に何回も確認のお電話をもらい、一つ一つの事実を確認しながら丁寧に編集を進めて頂きました。一つ一つの言葉の使い方、用語の意味、ナレーションの言い回しが私の意図とずれてないかなど、本当に丁寧な仕事をするのだなと感心しました。

さて、どんな番組になるのでしょう。

いよいよ4月20日(火) NHK「首都圏ネットワーク」放映時間の18時半になりました。

えっ、「Border Break 〜打ち破れ!その境界〜」

かっこいいオープニング・・・・・

つづく

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https://blw.jp/

 

 


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

【テレビ放映の裏話(1)】NHKから取材依頼が来た!

2021年6月 7日 (月) 投稿者: メディア社会コース

NHKから取材依頼が来たのは、今年(2021年)の2月10日のことでした。研究室ホームページの問い合わせフォームから、1件の投稿がありました。聴覚障害のある子どもについて取材を進めていたところ。私が開発したアプリ「Vocagraphy!」について知って頂けたようです。

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https://blw.jp/

まずは、テレビ会議システムで初顔合わせをしました。コロナ禍でもう慣れてしまいましたが、テレビ会議システムでの打ち合わせは本当に便利だと思います。移動の時間が必要ありませんし、電話よりも相手の雰囲気が伝わりますし、今回のような打ち合わせをするにはちょうど良い仕組みです。

ちなみに、今回私は取材をされる側でしたが、研究室の学生にはインタビューの方法などを指導することがあります。事前に十分な調査を行い、最終的に何を明らかにしたいのかというビジョンを持ってインタビューをするように話しています。実際にインタビューをする時には相手がどのような反応をするか分かりませんので、臨機応変に対応出来るように準備をします。今回私が取材を受けてみて、やはりプロの方はスゴイなと感じました。私の研究室のホームページ、アプリのサイト、アプリに関する記事など、いろいろ調査をして頂いており、またそこに出てくる聴覚障害に関わる専門用語についても調べて頂いており、話していると、もっと話したいという気持ちになりました。これから学生に向けて、こんな取材が出来るようになって欲しいと思い、インタビューの指導にも生かせると感じました。

話は逸れましたが、最初の取材を受けてからしばらく時間が過ぎます。そう、東京都は第2回目の緊急事態宣言の最中でした。しかし、社内で検討を進めていただいたようで、もっと話を聞かせてくださいとメールが来たのが3月上旬でした。

そして内容をつめた後、撮影日が決まりました。まず最初は自宅での撮影。

「ピンポーン」

えっ、カメラでか〜〜〜。

つづく


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

絡み可視化システムの公開

2021年6月 6日 (日) 投稿者: メディア技術コース

助教の戀津です。
先日の記事で紹介した、力学モデルを用いたキャラクター同士の絡みの可視化について、プログラムの公開を行いました。

前回の記事と説明が重複しますが、絡みとは登場人物間で会話をしたり、同一の目的で行動したりといった、俗に「絡みがある」と言われるような行動を指します。
その絡み情報を、力学モデルと呼ばれるグラフ描画アルゴリズムにかけて計算しています。
これにより、ある作品についてその登場人物のリストと登場人物間の絡みを入力することで、その作品の登場人物の関係性をおおまかに可視化できるようにしています。

例として、スタジオジブリの名作『紅の豚』についての可視化結果を表示します。

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主人公の2人を中心に各登場人物が配置されています。カーチス(文字が見えにくいですがポルコの右下です)も中心近くにいますね。
マンマユート団や空賊連合のボス達など、団体で行動している人物は塊になっていることもわかります。
また、各登場人物をクリックすることで、他のどの人物と絡みがあるかを表示しています。(というより、絡みのない人物を薄くします)
意外な結果として、マンマユート・ボスとジーナは実は作中で一度も絡みがないことがわかりました。確かにお店での会合にも欠席してましたね・・・。
こういうことがわかるのも可視化の有効な活用法ですね。

上の図は最終的な全シーンの絡みを合わせた結果ですが、可視化システムのページでは絡みのあるシーンを一つずつ追加しながら力学モデルの計算をしています。
グラフの様子がリアルタイムにぐねぐねと動くので、ぜひ見てみてください。
こちらのリンクから確認可能です。

可視化システムはこちらからアクセス可能です。
https://www2.teu.ac.jp/lenz/karami/

この記事の執筆時点ではまだ1作品の例を表示しているだけですが、好きな作品について絡みの情報を入力できるよう現在プログラムの実装中です。
皆さんの好きな作品が、この絡み可視化システムでどのような結果になるのか気になるようであれば是非入力してみてください。
興味のある方はユーザー登録をお願いします。入力システムができ次第、登録頂いたアドレス宛に連絡します。
入力機能は近日中に公開予定ですが、まずは紅の豚の可視化結果を見て楽しんで頂けると嬉しいです。

環境マッピングの原理

2021年6月 5日 (土) 投稿者: メディア技術コース

 ゲーム作品などのCG映像で、表面全体が金属のようにテカテカして周囲の景色を反射させる物体がときどき登場します。景色の画像を物体表面に写しこむこの技術は「環境マッピング」と呼ばれます。
 
 3年生向け講義「3次元コンピュータグラフィックス論」の昨日の授業では環境マッピングの原理を説明しました。
 
Photo_20210605110601   

 まず「マッピング」全般の基本的アイディアは、3次元形状表面の各三角形頂点に、元画像中の望ましい対応点の座標を割り当てることです。これをテクスチャ座標といいます。元画像はテクスチャ画像と呼ばれます。通常は各頂点に一度割り当てたテクスチャ座標は変えません。これにより物体表面にテクスチャ画像が貼りついて見える効果が出ます(コンピュータ側がどう処理するかはここでは省略します)。
 
 環境マッピングは、CGで描画するたびに各頂点のテクスチャ座標を計算により変化させます。描画時の視点と物体との位置関係に応じてうまく変化させると、画像が物体表面を滑るように移動し、あたかも周囲の景色が映り込んでいるかのように見えます。
 
 テクスチャ画像としては周囲全体のほとんどすべての景色の色を集約させた写真を用意します。実際に完全に反射する金属球をカメラ撮影することによりそのような環境画像を取得します(下図の右上)。
 
Photo_20210605105402 

 ちょうど球をぴったり囲む正方形のテクスチャ画像を用意します(図左下)。テクスチャ座標は左下が(0,0)、右上が(1,1)、球が円に見えるその円の中心点が(0.5,0.5)です。
 
 描画時には、視点を原点、視線をz軸とする「視点座標系」に物体表面の各頂点座標が毎回変換されます。このとき頂点に別途設定済の法線ベクトル(表面に垂直な向き)も視点座標系にもれなく変換されます。例えば視線に平行な法線ベクトルの(x,y,z)は(0,0,1)となります。そのような点では表面が視線に向かって正面を向いていることになります。
 
 環境マッピングではこの法線ベクトルの(x,y)だけを使います。法線ベクトルにちょっと計算を加えると、環境を集約させたテクスチャ画像のうち、その点で視線が反射した先の場所のテクスチャ座標が求まります。具体的には、法線のxyそれぞれに1を加え2で割った結果をテクスチャ座標として利用します。視線に正面を向く点の法線(0,0)はテクスチャ座標(0.5,0.5)になります。テクスチャ画像の中央ですから、まさに視点側の向きが映り込んだ場所ですね。
 
 実は正面以外の向きの頂点でも、同じ計算で正しい反射先の色(画素)を環境画像からコピーできます。このような処理を視点や物体位置が変わる描画のたびに全頂点に対して行います。これが環境マッピングの原理です。
 
メディア学部 柿本正憲

海外大学とのオンラインによる交流クラス(英語で取り組むワークショップ #4)

2021年6月 4日 (金) 投稿者: メディア技術コース

以前のブログ記事(以下URL)で、海外大学と英語でコミュニケーションをとるプロジェクト演習をスタートしたことを紹介いたしました。

 

プロジェクト演習(英語で取り組むワークショップ)#1

プロジェクト演習(英語で取り組むワークショップ)#2

プロジェクト演習(英語で取り組むワークショップ)#3

 

前回はまずこの演習に6名参加してくれましたー(最終的に8名になりそう)という話になっていましたが、演習としてはこちらの大学でだけ行っていた状態でした。が、しかし、ついに!5月19日、Taylor’s大学の学生たちとオンラインですがリアルタイムで顔合わせをいたしました!(☝ ՞ ՞)☝ ウェーイ。当日は学生がTaylor’s大学から8名、こちらから8名が参加し、教員がそれぞれ2名づつで、計20名によるミーティングです。ちょうど、Zoomで20名がいっぺんに映ることができたので、まず記念写真を…

 

Screen-shot-20210519-at-170522_1000

始めの集合写真

 

どうですか?皆、まだ緊張のせいか表情が硬い感じですね(飯沼先生とTaylor’sのHayati先生は余裕そうだけど…)。私も不安が顔にでています(一番上の左から2番目)。ということで、Zoomに入ってカメラをオンにしたところではウェーイ、ヒューヒュー、という感じでしたが、始めの挨拶的なことを述べた後に、互いの自己紹介からはじめました。学生たちはあらかじめ自己紹介のためのスライドを用意することにしていました。言葉だけよりわかりやすいし、そのほうが話しやすいでしょう。一週間前には内容の確認も兼ねて予行演習もしておきましたので、これはそれなりに上手くこなせたのではないでしょうか。全体的な傾向としては、Taylor’sの学生は交流をすごく楽しみにしてくれていて、明るくエネルギッシュな感じです。一方、こちらの学生は自分の発表以外は黙して語らず…、になりがちですね。頑張って欲しいです。

 

その後に、Zoomのbreakout roomの機能を利用して、向こうの学生2名とこちらの学生2名づつをグループにして学生だけで会話させるようにしてしまいました(大丈夫か…)。会話が続くか、成立するか、など、かなり心配はしたのですが、Taylor’sの先生が若い人同士心配ないよ、と言っていただいたので、その間、教員同士でもディスカッションをしておりました。後で状況を聞いてみましたが、楽しかったというところもありましたが、こちらがわが黙ってしまって会話が難しかったというところもありました。ただ、会話できるようになってからこうした体験をしよう、と考えている人がいたとしたら、その時は来ないで終わってしまうのではないかと思います。上手くいかなかったにせよ、授業形式で教科書があって行っていることとの違いを体感できたならそれは凄くいい収穫だと思います。あまり上手く話せなかったという学生も、通じて会話ができたときは嬉しかったという感想がありました。外国語で通じた

 

ところで、工科大の学生の自己紹介の傾向で気になったことがありました。こちらの学生は、「自己紹介」の内容が、自分についてよりも、日本についてや住んでいる地域のこと、日本の文化のことを説明することが多く、自分自身については名前と学年、住んでいる場所を述べる程度になっている人がほとんどでした。それに対して、マレーシアの学生は、自分の家族や趣味、自分がどんなことをしてきたか、を話していました。自己紹介なのですから後者のような内容になるのを当然ながら期待するのですが、工科大の学生は自分自身について話すのを避ける傾向があるように見えました。これについては本番の一週間前に練習したときにも指摘したので、その後変更があるかと期待していたのですが、ほとんどの人がそのままでした。これは卒業研究などでも同様の傾向があって、自身の研究よりも参考研究や使用しているツールの説明ばかりする傾向が多く観察されます。こうした違いを認識できるのも海外交流の良さかと思いますが、当人達の「気づき」があってくれることを願っています。

 

また、マレーシアの学生たちはすごく日本に興味があるようで、アニメやゲームなどへの興味や、こちらの学生の内容に対しても反応してくれていました。一方で、こちらの学生はマレーシアのことを知らない学生が多いのですが、事前に調べてみることもあまり無かったようで、それも残念なことでした。海外交流では、向こうが働きかけてくれるのを待つような受け身ではなく、互いに対等な強さの働きかけが求められると想います。会話に自信が無いのであれば、なおさら積極的に働きかけることが必要だと思います。せっかく自主的にこの演習を受講してくれたのですから、この機会を利用して自分自身を変えていってくれるのを期待しています。

 

最後に、再度全員での集合写真です。今度はだいぶリラックスできている様子が見えると思いますが、いかがでしょう?

 

Screen-shot-20210519-at-185956_1000

終わりの集合写真

 

さて、これからグループ(Taylor’s2名、工科大2名)で、互いの文化を紹介するための調査や発表資料を作るグループワークに進んでいく予定です。はたしてどうなるか…、またこのブログで紹介していきたいと思います。

 

 

 

太田高志

 

Google MapsにSimCityみたいなViewが追加されました

2021年6月 3日 (木) 投稿者: メディア技術コース

新しいメディア学の研究テーマに取り組んでいる健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアを活用して自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。

以前のブログで山手線の列車到着案内版の情報がリニューアルされた記事を書きましたので、今回は、それと関連した2020年にGoogle Mapsに追加された新機能について説明したいと思います。下記の記事にあるように、列車の到着情報の表示スタイルが時刻表示でなく、あと何分後とい表示に変更になり、より直観的な情報提示になりました。
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2102/02/news050.html

"米Googleの日本法人は2月1日、AndroidおよびiOS版「Googleマップ」で、首都圏エリアの鉄道と地下鉄のリアルタイムの遅延情報と位置情報の表示を開始したと発表した。JR東日本、東京メトロ、都営地下鉄が対象。

これは、公共交通事業者やICT事業者が参加する産官学連携の「公共交通オープンデータ協議会」が提供するデータに基づくもの。データが提供されるのは「第4回東京公共交通オープンデータチャレンジ」のコンテスト実施期間中のみで、コンテストは2022年1月31日に終了する。"

というものです。以下のような情報提供は直観的で全体像を把握しやすくなっています。

Photo_20210530225301

またさらに、JR東日本、東京メトロ、都営地下鉄、については、電車の現在位置を表示することが可能となりました。以前、SimCityというゲームで実現していた情報がゲームの中でなく、現実世界にもやってきましたね。じぃーっと眺めていると、列車の位置が更新されていて、このゲームにはまっていたので個人的には本当にゲームの様に面白いです。

列車の運行本数が多い地域だと有難味が少ないかもしれませんが、列車の運行本数が少ない場合は、有益な情報提供となりますね。次はどんな機能が追加されるか楽しみですね。

Photo_20210530225302

 

ユーザインタフェースから見た山手線の列車到着案内版の表示変更

2021年6月 2日 (水) 投稿者: メディア技術コース

新しいメディア学の研究テーマに取り組んでいる健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアを活用して自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。

今回は雑談的な内容になります。JR東日本では、2019年~2020年にかけて長年使用されてきた山手線の駅の案内の情報が変更になりました。さてどのような変更でしょうか?ホームの行先、列車到着時刻、など、情報として十分な気がしますね。

Photo_20210530223301

答えはこちらです。これまでは列車到着時刻が表示されていましたが、今後は何分後に到着するかを表示するようになります。

https://www.jreast.co.jp/press/2019/tokyo/20191015_1_to.pdf

Photo_20210530223302

プレスリリースによると以下の取組によるものです。


JR東日本では、グループ経営ビジョン「変革2027」においてお客さまに提供する輸送サービスの質的変革を掲げ、お客さまが快適に感じていただけるご利用環境の実現に取り組んでいます。今回、東京支社では山手線などの駅のホーム上における列車の到着までの時間などのご案内の充実を図るため、以下の取り組みを実施します。

〇 山手線全駅のホーム上の発車標に、列車が駅に到着するまでの時間「約○分後」の表示を実施し、列車到着までの時間をより分かりやすくお知らせします。

〇 山手線をはじめとした東京支社管内の一部の駅において、ホーム上の発車標を LED から LCD 化(液晶ディスプレイ化)し、視認性を向上します。

〇 2019年3月から東京支社管内の一部の駅において、ホーム上における自動音声による英語案内放送の充実を図ってまいりましたが、山手線全駅や中央(快速)線、中央・総武(各駅停車)線などの一部の駅に拡充します。

考察力の鋭い人はその本質的なまでわかっていると思いますが、これは利用者の生活スタイルの変化に対応した結果になります。従来は多くの会社員・学生は腕時計をしていたので、旧スタイルの表示でもあと○○分で列車が到着すると分りましたが、スマートフォンの普及に伴って腕時計をしている割合は年々減少傾向です。実際、マクロミル社の時計やスマートウォッチに関する調査(201811月実施)

https://honote.macromill.com/report/20181129/

によると、時間チェック、メインで使うものは、男性:「腕時計」が多数で55%、女性;「スマホ」が多数で62%、です。約半数以上の人が腕時計をしていない現状では、列車の到着案内が○○時○○分という表示では、半数くらいの人がバッグからスマートフォンを取り出すか、ホームにある時計を探さなければいけなく、適切な情報提示ではない、ということになります。
したがって今回の列車の到着案内が「約3分後」という表示になり、直観的に大体の目安が伝わります。その上、時刻の引き算もしなくてよいということです(笑)急いでいる時はありがたいですね。

最近はスマートウォッチがブームになってきていますので、さらに近い将来はまた別のより良い提示方法が採用されるかもしれません。

 

アプリをデザインするには知ること・使うことから(健康アプリ調査)

2021年6月 1日 (火) 投稿者: メディア技術コース

新しいメディア学の研究テーマに取り組んでいる健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアを活用して自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。

今回はメディア学部2年生後期・3年生前期に実施しているメディア専門演習I/IIの健康メディアと地域メディアの企画デザインという演習の1コマを紹介したいと思います。この演習では、①アプリの評価方法の学修、②adobe xdを使用したアプリデザインの実施、③既存アプリの調査、④新しいアプリ企画およびアプリデザイン、の4段階でアプリの企画法を学びます。そして、漠然とアプリデザインを学ぶのでなく、最近注目されている健康アプリおよび地域アプリを対象としたアプリデザインを企画・制作していきます。

すでに①アプリの評価方法の学修、②adobe xdを使用したアプリデザインの実施、は終了しているので、今回は③の既存アプリの調査(健康アプリ)を実施しました。つまり④新しいアプリ企画およびアプリデザイン、をするためには、①→②→③と手順を追って、知識とスキルを向上させながら取り組んでいきます。

興味ある、人気ある、健康アプリを調査した結果の一部を紹介します。ダイエット系アプリのグループと習慣化その他のグループです。

まず、大学生に限らず多くの人が興味あるのがダイエットです。ダイエット関連では、ひたすら体重計の値をアプリに自動読み込みしてグラフ表示するシンプルダイエット、写真から食事内容を自動記録するあすけん、AIを積極活用した食事管理・運動記録などの総合ダイエットアプリのFiNC、水を1日に2リットルを摂取すると身体の健康に良いという理論に従った水の摂取記録をするWaterlogged、ランニングのコースや時間、速度を記録するNike Run Club、など多彩で、かなり実用的なものも多くあります。

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次のグループは習慣化その他のアプリになります。健康アプリに限らず、適切な効果を得るためには、継続して利用していくことが非常に重要なポイントになりますが、多くの健康アプリではその継続性が十分でないものが多くあります。またそれは日常にも多々あります。忙しくて忘れてしまう、飽きてしまった、役に立たない、など様々な理由がありますが、必要なことでさえ継続性が達成できなければせっかくの当初の意欲が残念な結果になってしまいます。

アプリの利用に限らず、様々な行動を習慣化することを目的としたアプリがあり、重要な健康アプリとセットに使用したり、日常の行動を習慣化するためにこのようなアプリを使用することも効果が期待できます。そのような習慣化アプリとして、Habitifyやリズムケアがあります。その他のアプリとして、ドコモのdポイントがもらえる歩数を増やしたりや決めた健康ルールを達成したりするdヘルスケア、いびきの状況を記録確認できるいびきラボ、サイクリングのルート作成、消費カロリーが計算できるキョリ測、の調査結果がまとまっています。

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このように、健康アプリを調査するにしても、学生ひとりが多くのアプリを調査するには多大な時間が掛かりますが、多数の視点の異なる学生が多数のアプリ調査結果を報告して相互に参考にすることで、高い問題意識を有した状態で、より良いアプリデザインの知識をより増やすことができます。

 

後日、地域アプリの調査結果を報告したいと思います。

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