研究室選択で重視すべきことは?
2021年6月22日 (火) 投稿者: メディア技術コース
助教の戀津です。
三年生の皆さんは、今まさに卒業研究の研究室選びをしている時期ですね。
私は柿本先生と合同でビジュアル&コンテンツインフォマティクスというプロジェクトをしており、昨日で3回目の説明会を行いました。
その中で説明したことと、質問にあったことを絡めて少しお話します。
ビジュアル&コンテンツインフォマティクスは技術コースですが、コンテンツコースの内容に近い部分も扱います。
特に、三上・兼松先生のコンテンツプロデューシング/ゲームイノベーションプロジェクトとはかなり似ています。
もちろんコースが違い、別研究室である以上厳密には方向性の差はあります。しかし、(だいぶ大ざっぱに言うと)コンテンツ制作手法にかかわる研究であればどちらの研究室でもテーマにできます。
昨日の研究室説明会で、あるモノに関する音の再現についてこの研究室でテーマにできるか?という質問がありました。
私の回答としては、「可能か?はYes、適しているか?はNo」です。
音の再現、という点に関しては、間違いなく大淵学部長をはじめサウンド関係の先生方の方が適しています。
専門の教員に見てもらえるということは当然大きなメリットで、初歩的な部分のサポートからより専門的で複雑な部分の議論など、専門外の我々では対応できないことは多々あります。
一方、専門の異なるところから、別の視点で対象に取り組むというのもメリットがあります。
今回の質問を例にすると、ゲーム中で登場するなどの架空の物品に「それらしい音をあてる」というあたりで、実際の音響の分析とは別のアプローチが考えられます。(もちろんサウンド系研究室でもそういう研究は可能です)
ただし、その場合には初歩的な部分のサポート含め、対応できない部分も多くあります。
また、近隣分野だったり応用の範囲で少しなら対応できる場合もあれば、全く範囲外で何のサポートもできないということもあります。
後者の場合は流石に「できない」と言わざるを得ないですね。私の場合はソーシャルやビジネスのテーマだとお手上げです。
専門外の事を扱う負荷の量と、その考え方は教員によって様々なので、負荷が高すぎれば当然ながらNoとなります。
そのため、今回の質問(テーマ)であれば可能ではあるが適していない、というような回答になるわけです。テーマにできるかもしれないけど教員の負荷が高いということですね。
そういう場合には、自分自身で情熱を持ってわからない事は調べ、それでもわからない事は専門の教員に自ら聞きに行くという主体的な行動が求められます。
指導教員にだけ負荷を求めるのでなく、その分自分自身がしっかり動くということですね。そのような姿勢であれば、多少専門外の事でもテーマにできるかもしれません。
話を戻し、似た分野の研究室の場合ですが、そのテーマを研究するという点においてはどちらでもいいといえるでしょう。
すると研究室選択で何を重視すべきか、というタイトルの話にようやくつながります。(私の話は前段が長くなりがちですね・・・。)
まず第一には「やりたいテーマに適しているか」があります。これは当然ですね。
そして第二に、あるいは同等程度に重視してほしいのが「教員との相性」です。
人間同士ですので、どうしても人格の良し悪しとは別に相性があります。私見ですが、この相性が研究生活及び学生生活に及ぼす影響はかなり大きいです。
相性をこれからはかるのは難しいですが、これまでの二年間で接してきた中で感じたものがあるならばそれは重要な指標になります。
それに、情熱をアピールして専門外のテーマをお願いするなら、事前にある程度の良好な関係性があるのが望ましいですね。
前段で書いてきた、テーマの適性から大きく逸脱せずに複数の研究室が該当するならば、是非主宰の先生との相性を検討してみてください。
皆さんがよりよい研究生活ができ、よい成果が出ることを祈っています。
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