アプリをデザインするには知ること・使うことから(健康アプリ調査)
2021年6月 1日 (火) 投稿者: メディア技術コース
新しいメディア学の研究テーマに取り組んでいる健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアを活用して自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。
今回はメディア学部2年生後期・3年生前期に実施しているメディア専門演習I/IIの健康メディアと地域メディアの企画デザインという演習の1コマを紹介したいと思います。この演習では、①アプリの評価方法の学修、②adobe xdを使用したアプリデザインの実施、③既存アプリの調査、④新しいアプリ企画およびアプリデザイン、の4段階でアプリの企画法を学びます。そして、漠然とアプリデザインを学ぶのでなく、最近注目されている健康アプリおよび地域アプリを対象としたアプリデザインを企画・制作していきます。
すでに①アプリの評価方法の学修、②adobe xdを使用したアプリデザインの実施、は終了しているので、今回は③の既存アプリの調査(健康アプリ)を実施しました。つまり④新しいアプリ企画およびアプリデザイン、をするためには、①→②→③と手順を追って、知識とスキルを向上させながら取り組んでいきます。
興味ある、人気ある、健康アプリを調査した結果の一部を紹介します。ダイエット系アプリのグループと習慣化その他のグループです。
まず、大学生に限らず多くの人が興味あるのがダイエットです。ダイエット関連では、ひたすら体重計の値をアプリに自動読み込みしてグラフ表示するシンプルダイエット、写真から食事内容を自動記録するあすけん、AIを積極活用した食事管理・運動記録などの総合ダイエットアプリのFiNC、水を1日に2リットルを摂取すると身体の健康に良いという理論に従った水の摂取記録をするWaterlogged、ランニングのコースや時間、速度を記録するNike Run Club、など多彩で、かなり実用的なものも多くあります。
次のグループは習慣化その他のアプリになります。健康アプリに限らず、適切な効果を得るためには、継続して利用していくことが非常に重要なポイントになりますが、多くの健康アプリではその継続性が十分でないものが多くあります。またそれは日常にも多々あります。忙しくて忘れてしまう、飽きてしまった、役に立たない、など様々な理由がありますが、必要なことでさえ継続性が達成できなければせっかくの当初の意欲が残念な結果になってしまいます。
アプリの利用に限らず、様々な行動を習慣化することを目的としたアプリがあり、重要な健康アプリとセットに使用したり、日常の行動を習慣化するためにこのようなアプリを使用することも効果が期待できます。そのような習慣化アプリとして、Habitifyやリズムケアがあります。その他のアプリとして、ドコモのdポイントがもらえる歩数を増やしたりや決めた健康ルールを達成したりするdヘルスケア、いびきの状況を記録確認できるいびきラボ、サイクリングのルート作成、消費カロリーが計算できるキョリ測、の調査結果がまとまっています。
このように、健康アプリを調査するにしても、学生ひとりが多くのアプリを調査するには多大な時間が掛かりますが、多数の視点の異なる学生が多数のアプリ調査結果を報告して相互に参考にすることで、高い問題意識を有した状態で、より良いアプリデザインの知識をより増やすことができます。
後日、地域アプリの調査結果を報告したいと思います。
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