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スマホアプリ「Vocagraphy!」のこれから

2021年6月12日 (土) 投稿者: メディア社会コース

"Vocagraphy!"は、私が難聴児を育てる中で、「こんなアプリがあったらいいな・・・」を実現したものです。お付き合いのあった開発企業である株式会社 夢現舎さんに相談をして、地道なやりとりをしながら開発を進めました。もともと私は聴覚障害の専門家ではありませんので、このアプリが本当に聴覚障害児の役に立つのか、最初は自信がありませんでした。しかし開発を進める中で、実際に娘と一緒に使うことで、どうしたら楽しく言葉を覚えることが出来るかを精一杯突き詰めました。

Vocagraphy_flyer
図:アプリのチラシ

今回、NHKの全国放送でアプリについて丁寧に放映していただき、思った以上に沢山の方からお声を頂きました。それは、このアプリが必要とされていることを証明する内容でした。皆さんから頂いた声が私のパワーの源となり、さらに使いやすく役に立つアプリになるよう開発を進めるという決意へと導かれました。

現在、Android版の開発に向けて、開発協力を呼びかけています。また、静止画だけでなく動画を取り込めるように協議を進めています。動画を取り込めるようになると、「早い」のような形容詞や、「投げる」のような動詞を覚えるのにも、このアプリを使えるようになります。

また、今回頂いた声には、聴覚障害ではなく発達障害のお子さんを持つ保護者の方からの要望が多くありました。言葉を覚えるという点においては、同じ悩みを抱えているのです。さらに、成人の方でも失語症になった場合に、絵カードを使って言葉を思い出すリハビリが行われます。そのような場面でもこのアプリが使えるようです。

私が娘に言葉を覚えて欲しいという思いをアプリに詰め込み、それがウェブやテレビのようなメディアを通じて多くの人々に伝わりました。さらに人々が感じたことがメールなどで私にフィードバックされ、それが力になり私を動かしています。

これが、「メディアのチカラ」なのだと思います。

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https://blw.jp/

 


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

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