「楽しい」を研究するということ
2021年6月25日 (金) 投稿者: メディア技術コース
技術コースの羽田です.
私の研究室ではコンピュータを使った「面白いこと」についての研究を行なっています.面白いことと言っても,一発ギャグのようなものを作るのではなく,ゲームを作るという訳でもありません.
ゲームとは異なる「体験することが楽しい」と言ったことを五感を使った新しい体験をすることを目標に研究を行なっています.
2020年のコロナ禍でみなさんも身に染みて分かったように,「楽しいこと」というのは人生のオマケのように見えて,実は欠かせないとても大事な物だったということです.
インターネットやVRと言った技術を使うことで,人の移動ができない場合でも旅行した気分になって楽しめる装置や,会えない人とあった気分になれる装置といったものが考えられます.
Zoomに代表されるビデオ会議システムも,元々は仕事の打ち合わせなどをオンラインで行うために開発された筈なのですが,大学での授業をするのはもちろん,サークルなどの打ち合わせや友達との飲み会をオンラインで開催するといったことにも使われています.
私の研究室で過去に研究していた遠隔乾杯システムは,このオンライン飲み会を楽しくするためのシステムです.遠隔でも乾杯の時の触覚を味わえるようにビールジョッキに装置を取り付け,お互いに乾杯したタイミングを検知して,ジョッキを装置で叩くことで本当にジョッキを合わせて乾杯したような感触を取り出す物です.
論文のPDFがこちらで公開されているのでご覧ください.
http://www.interaction-ipsj.org/proceedings/2016/data/pdf/3C44.pdf
2016年と5年前の研究ですが遠くの人と楽しく宴会したいという気持ちは今の方が強くなっていますし,今後も遠隔で密なコミュニケーションをとりたいという需要は減ることはないでしょう.こういった一見無駄なようなことにもメディア技術を生かすというのはこれからますます大切になっていくのではないかと思っています.
(羽田久一)
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