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研究室紹介:ビジュアル&コンテンツインフォマティクス

2021年6月23日 (水) 投稿者: メディア技術コース

助教の戀津です。

昨日の研究室選択についてのお話では、プロジェクト名だけ出して説明をするスペースがありませんでしたので、この機会にビジュアル&コンテンツインフォマティクスプロジェクトについて紹介しようと思います。

ビジュアル&コンテンツインフォマティクスは、柿本先生と私の合同で行っているプロジェクトです。
今年度までは、イメージメディア/ビジュアルコンピューティングという名前で行っています。これは、柿本先生のご専門である画像処理に大きく寄った名称です。(私が合流する以前からの名称なので当然ですが。)
私が着任して以降、実際には学生のテーマとして私の研究分野についても研究を行いながら、プロジェクト名に私の対象領域が入っていないということもあり、来年度から変更することになりました。

そこで、私の研究内容について総括し、この分野に名前をつけるとしたらどうするか、という非常に難しい課題に直面しました。
さらに、当然ながら私の分野だけでなく画像処理の研究室でもあるので、その意味を包含する必要があります。
結論としては、ご覧の通りビジュアル&コンテンツインフォマティクスという形になりましたが、ここに至るまで丸々一か月以上かかりました・・・。
インフォマティクスとは情報学という意味で、接頭語が付くことで「〇〇についての情報学」という意味になります。
ビジュアルインフォマティクスは画像情報処理、コンテンツインフォマティクスはコンテンツについての情報学という意図です。

ちなみに、昨日の記事で三上・兼松先生のコンテンツプロデューシング/ゲームイノベーションと非常に似ていると書きました。
それは、私が本学の卒業研究で当時の金子先生・近藤先生・三上先生の研究プロジェクトである、コンテンツプロデューシング/コンテンツプロダクションテクノロジーの出身だからです。
学部の研究から修士・博士に至るまで、シナリオ制作支援の研究を行っており、自身の研究分野形成に大きな影響を受けています。

・・・また前段が長くなりました。なんで?
ここから研究室紹介です。

研究室の研究テーマですが、柿本先生の分野は2D・3Dを問わず画像処理/表現技術の研究です。
CGを作るのではなく、CGを作るための技術を考えプログラムの実装をするのが主な内容になります。
詳しくは過去の研究紹介などを見るのがわかりやすいため、学内者向けの研究室紹介ページをご覧ください。

私の分野は、映画やアニメなどの映像コンテンツを主体とはしますが、漫画や小説、あるいは歌詞や俳句(!?)などの作品制作において、よい作品がどのようにできているかを分析・可視化することを主なテーマにしています。
流石に歌詞や俳句はまだやったことがありませんが、興味のある方がいれば是非一緒に取り組んでみたいなと感じています。
その分野あるいは表現手法について分析し、そのコンテンツがどう成り立っているかを解明します。解明結果をうまく説明・表示できるように工夫し実現するところまでがセットです。
分析結果はそれ自体がコンテンツとして面白かったり、対象とした作品をより深く理解する補助になることが期待できます。先日紹介した絡みグラフなどはまさに分析結果自体が興味深い例です。

また、どうやって作られたかがわかれば、それを応用して次の作品作りに活かすこともできるかもしれません。
コンテンツ制作における優れた作品をつくるコツ、技芸というものを見つけ出すことが一番の目的です。
なので、本当は私の分野名は『アーツインフォマティクス』が一番正確に言い表す語になります。せっかく考えたのでここで披露しておきます。
アートではなくアーツ(Arts)というのが重要なポイントなのですが、アーツの意味があまりメジャーではないため誤解される恐れがあり、コンテンツインフォマティクスとしました。
長くなりましたが、「この作品はなぜ面白いのだろう」を解き明かすのが主な活動となります。作品を好きな気持ちと好奇心が原動力です。

ビジュアル&コンテンツインフォマティクスプロジェクトでは教員二名の専門分野の範囲で学生自身が好きなようにテーマを決め研究を行います。
ただし、昨日の記事で書いた通り、情熱次第では多少分野を外れていても歓迎です。過去には昆虫の研究がしたい!という方もいました。(素晴らしい情熱でした。)
まだ研究室選択で迷っている方の参考になれば幸いです。一・二年生の皆さんも是非覚えておいてください。いつかご縁があれば一緒に研究できることを楽しみにしています。

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