絡み可視化システムの公開
2021年6月 6日 (日) 投稿者: メディア技術コース
助教の戀津です。
先日の記事で紹介した、力学モデルを用いたキャラクター同士の絡みの可視化について、プログラムの公開を行いました。
前回の記事と説明が重複しますが、絡みとは登場人物間で会話をしたり、同一の目的で行動したりといった、俗に「絡みがある」と言われるような行動を指します。
その絡み情報を、力学モデルと呼ばれるグラフ描画アルゴリズムにかけて計算しています。
これにより、ある作品についてその登場人物のリストと登場人物間の絡みを入力することで、その作品の登場人物の関係性をおおまかに可視化できるようにしています。
例として、スタジオジブリの名作『紅の豚』についての可視化結果を表示します。
主人公の2人を中心に各登場人物が配置されています。カーチス(文字が見えにくいですがポルコの右下です)も中心近くにいますね。
マンマユート団や空賊連合のボス達など、団体で行動している人物は塊になっていることもわかります。
また、各登場人物をクリックすることで、他のどの人物と絡みがあるかを表示しています。(というより、絡みのない人物を薄くします)
意外な結果として、マンマユート・ボスとジーナは実は作中で一度も絡みがないことがわかりました。確かにお店での会合にも欠席してましたね・・・。
こういうことがわかるのも可視化の有効な活用法ですね。
上の図は最終的な全シーンの絡みを合わせた結果ですが、可視化システムのページでは絡みのあるシーンを一つずつ追加しながら力学モデルの計算をしています。
グラフの様子がリアルタイムにぐねぐねと動くので、ぜひ見てみてください。
こちらのリンクから確認可能です。
可視化システムはこちらからアクセス可能です。
https://www2.teu.ac.jp/lenz/karami/
この記事の執筆時点ではまだ1作品の例を表示しているだけですが、好きな作品について絡みの情報を入力できるよう現在プログラムの実装中です。
皆さんの好きな作品が、この絡み可視化システムでどのような結果になるのか気になるようであれば是非入力してみてください。
興味のある方はユーザー登録をお願いします。入力システムができ次第、登録頂いたアドレス宛に連絡します。
入力機能は近日中に公開予定ですが、まずは紅の豚の可視化結果を見て楽しんで頂けると嬉しいです。
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