社会メディアコースのソーシャル・デザイン科目群の説明 2)教育メディア論
2021年8月31日 (火) 投稿者: メディア社会コース
皆さん こんにちは!
社会メディアコースで用意されているソーシャル・デザイン科目群の中のいくつかの科目の、紹介をしたいと思います。
講義科目では、”教育メディア論” ”ソーシャル コンテンツ デザイン” ”グローバルメディア論” そして
3年次専門講義科目の”ソーシャル・デザイン論”が用意されています。
本日は”教育メディア論”に関して紹介したいと思います。教育メディア とは、学習内容を伝達するために使われるツール、更には
それらを利用する際に関係する環境や構成を指します。例えば、明治~大正時代でしたら、”石板”は 学習内容を生徒に伝えるための
”媒体=メディア”でした。石板を教室の前に設置するか後ろに設置するか、移動式にするか、など、”石板”に関係する
環境をどのように設置するかは教育方法や内容と同時に構成されていたのです。時代とともにICT(Information
Communication Technology)が発達し、現在はPCを使った教育が小学校でも行われるようになりましたが、教育者は、
この新しい”教育媒体”をどのように教育環境に設置し、教育方法や内容と共に学習効果を最大限に引き出すために必要か考慮します。
更に”教育メディア論”では、教育メディアが歴史的にどのような学習心理学の理論とともに、利用されてきたかについても
言及しています。この授業では、学習心理学の理論とそのメディアを使った応用の歴史を、じっくり学ぶことができます
学習とは、学校外の環境においても行われる人間の根本的な活動です。家庭教育が学校外で行われる学習の良い例ですが、その他にも
例えば、準教育的公共空間と呼ばれる美術館や博物館、動物園などでも学習は行われており、メディアは幅広く使われています。
そのような環境においてもVRや3DCGなどが積極的に使われるようになりました。これらの事例についても学ぶことができます。
ここ、数年にわたりCOVID-19の影響で、ますます、ICTを活用した教育の在り方が変わりました。しかし
オンライン授業や、遠隔協調学習などがさかんに行われるようになった現在、課題が浮き彫りになったのも事実です。
持続可能な開発目標SDGsでも言及されている、教育格差の問題がデジタルデバイドの課題とともに語られるようになりました。
世界各国でも推奨されるオンライン学習ですが、2020年は世界でも家庭のコンピュータ普及率が低い地域や経済的に
困窮している家庭に生まれた子供たちは、オンラインで授業を受けることができなかったことが、世界的に問題視されました。
まさに、教育メディア論で学ぶテーマや学習理論は未来の、教育現場の新しいあり方のヒントがたくさん詰まった授業です。
文責:飯沼瑞穂