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海外大学との交流クラス最終発表会(英語で取り組むワークショップ #5)

2021年8月 8日 (日) 投稿者: メディア技術コース

海外大学の学生と一緒にワークショップを行うプロジェクト演習の続報です。前回の報告(海外大学とのオンラインによる交流クラス)からしばらくたって、ついにこの演習も最終回を迎えました。

 

前回の初顔合わせのミーティングの後に、学生達はそれぞれの大学から2,3名づつ、合わせて4名から6名で1グループを作り、互いの文化の違いを調査し発表する課題に取り組みました。それぞれのグループは身の回りから適当なテーマを選び、お互いの国での在り方を調査し、一つの発表資料を用意する作業を行いました。といっても、マレーシアの学生が試験期間になってしまったりと、なかなか思うように事前のディスカッションができないようだったため、最終日の前の週のクラス内で、各グループ対面(ネット上の)で最低限必要な相談をしてもらいました。その後、各グループで調査やスライドの作成、発表などの役割分担をして、SNSでの相談を繰り返し、発表の準備をしました。

 

いよいよ最終日の発表です。今回のワークショップは、最終的にTaylor’s大学から8名、東京工科大学から7名の15名の学生が参加し、3つのグループに分かれて作業をしました。各グループの調査テーマは、「マレーシアと日本のマクドナルドの違い」、「ママクと居酒屋の違い」、「7月の祭り、Eid Al-Adhaと七夕」というものでした。スライドは、Taylor’s大学の学生がデザイン学部ということもあるせいか、それぞれの大学の学生が別々に調査したものを合わせたのにも関わらず、統一のとれた、デザイン性の高いものが作られていたのには感心いたしました。発表も、個々のパートを分担して皆で行うなど、役割もきちんと事前に相談できているようでした。

 

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今回、この演習クラスを初めて実施したのですが、そのためクラス運営もバタバタしてしまい、グループディスカッションもあまり時間がとれなかったところもありました。そうした状況を鑑みると、その割には結構皆良くできたなとほっと安心するとともに、やればできるんだなと随分感心いたしました。

 

 

それと同時に感じたのは、直接オンラインで会話しているときの学生の積極性の違いです。おそらく最も大きな要因は語学力によるのだと思いますが、質問やコメントなどの発言を求める際には日本の学生からはほとんど発言がありませんでした。ただし、普段の大学内の授業でもその傾向はありますので、語学力だけの課題ではないようにも感じます。単に語学力ということではなく、そうした姿勢もこういう機会をきっかけとして変わっていけると、異文化交流の異議があるのかと思います。グループワークとしては、SNSを利用してのメッセージを介したコミュニケーションはできていたようでしたが、Zoomなどを用いたリアルタイムの会話での会議は自発的には行われなかったようで、このあたりもできるようになると会話の機会が増えて、このクラスをより有効に活用してもらえることになると思っています。そうしたなかで、一応最後まで参加し続け、最終発表まで達成した人は、それなりの自信につながったのではないでしょうか。

 

教員側も、このクラスの実施には色々不安がありました。まず、そもそも学生が集まるか、ということが大変心配な点でした。何名くらい受講してくれるかわからない状況で、海外の大学に学生参加の依頼をすることが難しいため、そもそもスタートできるのかが直前まで決定できませんでした。今回は、卒研の学生などにも働きかけてなんとか数名の人数に参加してもらいましたが、やはり途中で抜けてしまう人もいて、なかなか最後までハラハラしどうしでした。また、当初はいくつかのアイデアや企画をグループで討論してもらいながら作り上げるようなワークショップを想定していたのですが、学生の状況や、Taylor’s大学の先生方の意向もあって、異文化交流に重きをおいた内容になりました。英語で海外の人と、メディア学の知識を活用してプロジェクトを実施するという内容に取り組むには、学生の意欲や語学力の向上に加えて、クラスの設計に工夫が必要だということを痛感いたしました。この演習は、これを初めとして今後も続けていきたいと、タイの大学などにも声をかけて企画中です。在校生だけでなく、高校生の皆さんも、グローバル人材として活躍したいと思う人や、海外に友人を作りたいという人がいたら、是非入学して、この演習に参加していただきたいと思います。

 

最後に、例によって集合写真です。

コロナが収束したら直接互いのキャンパスを訪れてワークショップを行い、集合写真を撮れるようになるといいですね。

 

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これまでの記事

 

プロジェクト演習(英語で取り組むワークショップ)#1

プロジェクト演習(英語で取り組むワークショップ)#2

プロジェクト演習(英語で取り組むワークショップ)#3

海外大学とのオンラインによる交流クラス( 英語で取り組むワークショップ #4)

 

 

 

太田高志

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