ストローで考える身近なSDGs PART1
2021年8月 2日 (月) 投稿者: メディア技術コース
新しい研究テーマを始めた健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアをつかって自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。
今回は、多面的なプロジェクト演習を実施している中から今年度から始まった「地域創生としてのSDGs的アイデアソン」という半年間14回実施する授業の一貫としてストローの例を紹介させていただきます。
Sustainable Development Goals、持続可能な目標と言われていますが、一般にはGrobal Goals、グローバル目標と17のグローバルな目標と世界中で広く使用されているようです。考え方は「地球にとってネガティブなことを抑えて、ポジティブなことを推進する」という解り易いスタンスですが、有史以降特に産業革命以降様々な取り組みがされてきた結果が今現在なので、実際には困難なことも多種多様です。例えば、植民地は植民される側にとっては不利益が多いですが、植民地を支配する側にとっては多大な利益を得ることができます。これによって利益が対立する2つの立場が発生していました。その解消には人権という永続的な思想を導入して非常に困難な道のりを経て、やっと解消されてきています。
今回は1つのトピックを取り上げて紹介したいと思います。それはこれから夏に向けて、冷たいドリンクに使用されるストローです。Google検索で「ストローとSDGs」と検索すると約150万件がヒットします。最も大きな潮流は地球温暖化対策としての脱CO2ですが、その重要な柱として脱石油、脱プラスチックがあり、この一環として石油を使用するストローの使用削減が象徴的に取り組まれています。
また普通のごみと違って分解されないプラスチックが問題を引き起こしています。脱プラスチックは地球の海洋環境における食物連鎖の生態系に影響を与えることも解ってきました。地球環境で分解されないビニールを餌と間違えて食べて死んでしまったウミガメや砂浜の細かい砂のように粉々になった直径5mm以下のマイクロプラスチックを餌と間違えて食べたイワシとそれを食べるマグロといった生態系に関連する生物自身の環境ホルモンに影響を与え、それを食べる人間にも悪影響が蓄積するという側面も研究されています。
石油由来のストローの削減やレジ袋の削減は脱石油という側面よりも、脱マイクロプラスチックからのアプローチとして注目されています。これは海洋プラスチックゴミを分析して、発泡スチロール、ビニール、ペットボトルから多く発生していることが分かってきたからです。そして広い海に浮かんでいるゴミごみを回収するのは大変ですが、マイクロプラスチックとなってしまうと回収が不可能でそれは分解されることなくどんどん蓄積していくことが大きな懸念となっています。そして特にレジ袋やストローやペットボトルは人間の生活スタイルの中で使用され、消費・廃棄される物なので、ここをストップするのが重要な対策となってきます。次回はその具体例を紹介していきたいと思います。
https://waterstand.jp/waterlife/water_environment/waterlife00067.html
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