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デジタルトランスフォーメーションについて その7

2021年10月17日 (日) 投稿者: メディア社会コース

みなさんこんにちわ。メディア社会コースの進藤です。今週は7回にわたりデジタルトランスフォーメーションについてお話します。では今日もよろしくお願いします。

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 この項ではデジタルトランスフォーメーションに必要な組織について述べる。

 デジタルトランスフォーメーションに成功している企業の組織は、まず、デジタルトランスフォーメーションを引き寄せる組織文化を持っている。組織文化は、規範、集団の信念などを意味し、組織の人が容認された行動パターンだと信じているものであり、行動の基本的過程、価値観などを示すもの(ケイン他,2020)であり、デジタルパーパスやビジョンの策定と共有が前提となる。

 デジタルな組織は、また、デジタル環境の変化とスピードに対応することができる体制となっていなければならない。組織をモジュール化(部品のようにばらばらにしておき、組み合わせ可能な状態にしておく)して、必要に応じてすばやく動くことができるクロスファンクショナルチームを作っておき、階層を可能な限り排除することで、外部の人材や組織も含めた、オープンなエコシステム、もしくは、コラボレーションのためのプラットフォームやネットワークを作っておくことが望ましい(ケイン他,2020)。このような、オープンで分散型の組織は、イノベーションを起こすのには向いているが、意思決定に時間がかかったり、モジュール間でのすりあわせ、調整コストが必要な場合もある。そうしたデメリットもあることを意識して、必要に応じて、トップダウン型の意思決定を組み合わせる必要があろう。

 

参考文献

ジェラルド・C・ケイン、アン・グエン・フィリップス、ジョナサン・R・コバルスキー、ガース・R・アンドラス(著)、三谷慶一郎、船木春重、渡辺郁弥(訳)(2020)『DX経営戦略―成熟したデジタル組織をめざして』NTT出版

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