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インターネットはなぜつながる?(1)

2021年10月29日 (金) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。メディア学部の寺澤です。

皆さんはスマートフォンやノートPCなどで日常的にインターネットを利用していますね。これらの機器ではインターネットへの接続には、無線LAN(WiFi)、LANケーブルによる有線LAN、携帯電話の電波を使った接続などが用いられています。これらを使い分けて上手にネットを利用している人も多いでしょう。しかし、つなげ方の方式が違うのに、せいぜいその選択を設定変更すればネットにつながり、ユーザーから見ればいつも同じようにYouTubeが見られ、TwitterやInstagramをチェックできるのは考えてみれば不思議ではありませんか?

それはネットワークの技術は階層的になっているからです。代表的な階層モデルとしては「OSI参照モデル(7階層モデル)」というのがあります。インターネットの階層モデルではもう少し簡略化されています。ネットワークを利用するということは、ユーザーから見れば、例えばTwitterアプリを使うことです。Twitterアプリはソフトウェアとして作られていて、スマートフォンのOS(iOSやAndroid)の上で動いています。ユーザーがTwitterでメッセージを送ると、最終的にはそのメッセージはTwitter社の用意しているサーバーコンピューターに届けられ、他の人が見ることができる状態になります。

この時スマートフォンの中で起きていることは、(1)ユーザーが投稿したテキストなどをデータとし、(2)最終目的地であるTwitter社の所定のコンピューターに送るためそのIPアドレスとポート番号を指定し、(3)インターネットを通じてそこに到達するために中継してもらう最初の機器を指定し、(4)そこに向かってデータを送る準備をし、(5)実際に電波などで送り出す、という流れになります。これはデータを階層の上(ユーザー寄り)から下(送受信のハードウェア機能寄り)に、必要な処置をしながら、おろしていくということです。(この番号付けは説明のためのもので、必ずしも階層モデルの各階層とは一致しません。また、簡略化しています。)サーバー側ではこれを逆にたどり、最終的にサーバーソフトウェアにデータが届けられます。

各階層は役割が決まっており、上下の階層とどのような情報をどのようにやり取りするかも決まっています。(1)の一部と(2)の一部はアプリが担当し、残りの部分は普通オペレーティングシステム(OS)の一部として実現(実装)されています。最後の(4)や(5)の部分の階層の役割を果たすソフトウェアを切り替えることにより、有線のLANで通信したり、WiFi電波で接続したり、携帯電話の電波を使って送ったりできるのです。この時、他の階層はその影響を受けません。

皆さんが使っている機器では、従来から使われているIPアドレス(IPv4アドレス)のほかに新しいIPv6アドレスによる通信もできるようになっています。しかし、これを設定で切替えたり、あるいは自動的な切替えで使っていたとしても、皆さんがTwitterアプリを使う時にはその違いを意識することはありません。これもIPアドレスに関する処理を行う階層のソフトウェアを切り替えるだけで、アプリの階層を含む他の階層に影響が及ばないからです。

今日は私の担当している「インターネットシステム入門」の授業で先日扱った内容からトピックを紹介してみました。

(メディア学部 寺澤卓也)

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