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インターネットはなぜつながる?(2)

2021年10月30日 (土) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。メディア学部の寺澤です。

昨日はネットワークの階層モデルとそのご利益の話を書きました。今日はもう一つの不思議について書こうと思います。昨日の記事では「IPアドレス」という用語が出てきました。これは、皆さんも耳にしたことがあるかもしれませんが、通信相手のコンピュータを指定(識別)するための番号です。192.168.1.2のような表記をします。当然自分が使っているコンピューターにもIPアドレスは必要です。IPアドレスの目的はコンピュータの識別ですから、同じIPアドレスの機器が同時に存在してはいけません。これはどのようにして実現されているのでしょうか?

本学では教室のほとんどでネット接続ができます。多くの教室が使われて同じ時間に授業が行われるので、教室ごとに利用可能なIPアドレスの範囲が異なっている必要があります。教室内ではその範囲内でIPアドレスを使うことになりますが、同じ教室にいる受講者のノートPCはその時、それぞれ異なるIPアドレスになっていなければなりません。また、次の授業の際にほかの教室に移動すると、その教室の環境に合わせたIPアドレスに変更する必要があります。実は同じことはカフェや駅や施設内でスマートフォンでネットを利用するときにも必要です。

しかし、普通は教室に行ってPCを立ち上げればネットにつながります。カフェに行くと、初めての時はちょっとしたスマートフォンの設定が必要かもしれませんが、2回目以降に訪れた時には自動的にネットにつながることがほとんどでしょう。IPアドレスは機器の利用者が自分で設定することもできますが、同じ教室や場所にいる他の利用者とは重複しないIPアドレスを指定することは非常に困難です。もちろん、適当なIPアドレスを設定しても通信はできないばかりかトラブルを引き起こすこともあります。そこで、ネットにつながる多くの機器ではIPアドレスの自動設定を行うDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)という機能(プロトコル)を利用しています。ノートPCやスマートフォンは初期設定ではこの自動割り当て(を受ける)機能が有効になっています。

大学内などにDHCPサーバーを設置し、どの教室ではどの範囲のIPアドレスが使えるかを設定しておくと、その教室でネット接続をしようとするノートPCなどからのリクエストに応じて、DHCPサーバーがIPアドレスの自動割り当てを行います。一元管理が行われているので誤って重複したIPアドレスが使われる心配はありません。家庭内などではWiFiルーターがDHCPサーバー機能を持っていることが多いです。このような機能があるため、私たちはいつも手間要らずでネットワークを利用できるのです。

さて、ここで疑問を持った人はいませんか?IPアドレスは通信をするために必要なものなのに、その自動割り当てを通信で行っていることになります。これはどういうことでしょうか?興味のある人は調べてみてください。昨日の記事もヒントになると思います。

今日は私の担当しているメディア専門演習「ネットワーク構築」の授業で先日扱った内容からトピックを紹介してみました。

(メディア学部 寺澤卓也)

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