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2021年11月

授業紹介:1980年代のハードシーケンサーへのデータ入力[準備編]

2021年11月30日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の伊藤(謙)です。

私の先端メディア学/ゼミナール「ミュージック・アナリシス&クリエイション」には現在、1年生2名と2年生1名の計3名が受講しています。今期の学生たちは、映像コンテンツ・舞台演出などで用いられる音楽の効果に関する研究や、既存楽曲の分析を踏まえた音楽制作に取り組んでいます。毎回の授業で自身の研究・制作の進捗状況を報告し、その内容について全員でディスカッションすることで、さまざまな研究手法や作曲のアイデアを共有し合い、相互にスキルアップを図っています。

こうした普段の活動とは別に、私が毎学期、受講生に必ず課すのが「ハードシーケンサーへのデータ入力」です。今はソフトシーケンサーが主流で、PCやタブレット、スマホにソフトが入っていれば誰でも気軽に音楽を作ることができます。いわゆる「打ち込み」というものですね。メディア学部でも、メディア専門演習やプロジェクト演習で専用の機材とソフトを使って音楽制作を行っています。

しかし、どんなに新しいテクノロジーを用いても、メディア学部は基本や原理を大切にしています。先端的で高度な知識やスキルを単に駆使するだけでなく、どのような発想と歴史的な流れによって今日の数々のメディアとして形作られているかを知ることは、自身の立ち位置を客観的に把握し、未来を展望するのに不可欠と言えるでしょう。

「『打ち込み』って何で『打ち込み』って言うと思う?」と学生に聞くと、多くが「PCのマウスや鍵盤のキーボードで音楽のデータを入力すること」と答えます。この答えは決して間違いではありません。でも、もともとは「数値化された音の高さと長さをテンキーで入力すること」なんですね。1980年代のはじめにデジタルのハードシーケンサーが普及し始め、音の高さは鍵盤から入力(ステップライト入力)できるようになり、演奏した通りに入力(リアルタイム入力)できるようにもなりましたが、それまでは楽譜に書かれた音の高さと長さを数字に置き換えて「高さ」と「長さ」をそれぞれ別々に入力していました。この時点で、気が遠くなるような手間と時間がかかることが容易に想像できるでしょう。

でも、それ以前には、8〜16音程度のフレーズを自動演奏するアナログのハードシーケンサーしかなかったので、それに比べれば数百〜数千音を入力・再生できるデジタルのハードシーケンサーは夢のような「マシン」でした(ちなみに価格も夢のように高額で、容易に購入できるようなものではありませんでした。当時、中学生だった私はカタログの写真を見て、自分が使っている姿をいつも想像していました)。何より、入力したデータを本体に記憶でき、しかもカセットテープ(その後はフロッピーディスク)にセーブして持ち運べるのは夢のようでした。

・・・といったいくつもの「夢のよう」なことが今は当たり前になり、価格も安くなって(ソフトであれば無料もあり)、専門知識やスキルがなくても簡単に音楽が作れるようになりました。多くの人が思い思いに音楽制作を楽しめる時代となったのは素晴らしいことですね。しかし逆に言えば、誰もが音楽を作れて、配信などでたくさんの人に聴いてもらえる時代だからこそ、「自身の音楽」を客観的に見つめることがより大切になってくるでしょう。

こうした考えのもと、この授業では過去の技術についても実際の体験を通して先人の苦労に思いを馳せるとともに、そうした中でも創意工夫を重ねた姿勢を学ぶことを重視しています。「ハードシーケンサーへのデータ入力」はその一つです(2年前にもこのブログで紹介しています。こちらもぜひご覧ください)。

ちょうど先週、そのためのセッティングと基本操作の練習を行いましたので、今回は「準備編」として写真と動画でその様子をご紹介します。なお、今週の授業では楽譜を見ながら入力する作業を行います。こちらは「実践編」として別途ご紹介する予定です。お楽しみに!

Mac_advance2021_01 Mac_advance2021_02
  今回は無造作に置かれたこの状態から機材の接続を開始   1年生の2人はMC-4の入力準備を

Mac_advance2021_03 Mac_advance2021_04
   この機種のマニュアルを読むのも、もちろん初めてです    電源を切るとデータが消えてしまうのでカセットテープに保存

Mac_advance2021_05   Mac_advance2021_06
MC-4体験済みの2年生はMC-500を使用  フロッピーディスクで起動させます

【動画:その1】MC-4 (1981年発売) の入力練習[2:20]
 音高を数値化したデータを先に入力します。途中で入力ミスがあったようですね。

【動画:その2】MC-500 (1986年発売) の入力練習[0:41]
 こちらは鍵盤で音高を、本体で音の長さを入力しています。


(メディア学部 伊藤謙一郎)

先端メディアゼミナールの学生さんの研究発表その1: 発表前の緊張

2021年11月29日 (月) 投稿者: メディア技術コース

文責:榎本

 

本日、私の先端メディアゼミナールを受講してくれている橋本樹さんが研究会で発表を行います。

人工知能学会 言語・音声理解と対話処理研究会(SLUD)第93回研究会」」

https://jsai-slud.github.io/sig-slud/93th-sig.html

◎ 11月29日(月)

[13:50-15:05 一般口頭発表2 (3件)]

14. 対話のことばの「人に優しい」構造の考察

〇市川熹(千葉大/早大)

15. 会話はいかにして分裂し、統合するのか
〇橋本樹,榎本美香(東京工科大)

16. 雑談に介入する際に必要な対話要約の調査
〇山下紗苗,東中竜一郎(名古屋大)



橋本さんの一つ前の発表の市川熹 先生は、私の千葉大学大学院時代の主指導教官でした。
今は退官されて早稲田大学にも所属しながら、精力的に研究を続けておられます。
ですので、大ベテランですね。

橋本さんは学部2年生で初めての研究会発表です。さぞかし緊張していることでしょう。
練習はしていて、スライドも完璧!読み原稿もある。オンライン開催ですが、私もついている。
大丈夫なはずです!

って、私の方が随分緊張してます。

どうなることやら、乞うご期待!


【広告のあり方の変化⑦】みんなが楽しめるコンテンツの提供(メディア学部 藤崎実)

2021年11月28日 (日) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部の藤崎です。

このブログをみている人の多くは、「広告」と聞いた時に、TVCMや、YouTubeの途中に入ってきて、邪魔をする広告を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、現在の広告は、実はもっと幅の広い取り組みを指してます。

サブウェイさんさんが運営しているツイッターアカウントのように、ユーザーに寄り添うツイッターを、見たことはありませんか?

また、有隣堂さんが運営しているYouTubeチャンネル、「有隣堂しか知らない世界」のように、おもしろい動画を提供している企業を見たことはありませんか?

今の時代はマスメディアに加えて、ネットメディアやSNSが普及している時代です。
こうした時代は、マスメディアの「伝える広告」に加えて、「みんなが楽しめる何かを提供すること」、「人と人」「企業と人」のつながりをつくることが広告になる時代です。

現代の広告は多くの場合、広告のカタチをしていません。
近年の広告は、一方通行のものから、コミュニケーションとしての広告に変化してきています。
一言で言えば、みんなが楽しめるコンテンツを企画することが広告になるのです。

◎サブウェイ公式ツイッター
https://twitter.com/subwayjp

◎有隣堂YouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」
https://www.youtube.com/channel/UCmKlo3BXt60nzgk2r_JgvwQ

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広告のあり方は常に変化し発展しています。その変化に敏感になってくださいね。
(メディア学部 藤崎実)

【広告のあり方の変化⑥】YouTube有隣堂しか知らない世界(メディア学部 藤崎実)

2021年11月27日 (土) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部の藤崎です。

みなさんは、有隣堂さんという書店をご存知でしょうか。神奈川県を中心に展開する1909年創業の老舗の書店チェーン店です。

有隣堂さんは、東京工科大学のFOODS FUU1階にも「有隣堂 東京工科大学店」がありますので、
在学生のみなさんにとってはお馴染みの書店です。

その有隣堂さんが運営するYouTubeで最近話題になっているチャンネルに、
「有隣堂しか知らない世界」というチャンネルがあります。

このYouTubeは、当初は本を解説する内容でしたが、再生回数が伸び悩んでしまったそうです。
そこで方針を大きくを変えたところ話題となり、登録者数も11万人を超えて(20211118日現在)快進撃を続けています。

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(画像出所)https://www.youtube.com/channel/UCmKlo3BXt60nzgk2r_JgvwQ

「有隣堂しか知らない世界」の特徴として、商品販売を目的としてつくられていない点が挙げられます。
個性豊かな店員さんと、進行担当のミミズクのぬいぐるみ、R.B.ブッコローの本音のツッコミが楽しい動画です。

https://www.youtube.com/channel/UCmKlo3BXt60nzgk2r_JgvwQ
みなさんも、是非ともご覧ください!

(メディア学部 藤崎実)

 

【広告のあり方の変化⑤】サブウェイ公式twitterの取り組み(メディア学部 藤崎実)

2021年11月26日 (金) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部の藤崎です。

みなさんは、サブウェイ(SUBWAY)というサンドイッチのお店をご存知ですよね?
アメリカに本社を置くファーストフードチェーン店です。

サブウェイさんはサンドイッチのバリエーションが豊富です。おいしいサンドイッチを好みに合わせて作ってくれる人気のチェーン店です。
そのサブウェイさんさんが運営しているツイッターアカウントがとても人気です!

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(画像出所)https://twitter.com/subwayjp

公式ツイッターのアカウントプロフィールには次のように書かれています。
→“オーダーメイド・サンドイッチ“「サブウェイ」の公式twitterです。 「話せる公式」を意識し毎日皆さんの投稿を探してお話し。サブウェイチームにて土日祝も含めお返事いたします。

そうなのです。サブウェイのツイッターアカウントは、ユーザー対話型の運営を行なっています。ですので、私たちユーザーの投稿を見つけては、話しかけてくれるのです。
反対に、私たちが話しかけた場合、返事をもらえるのです。

企業運営のアカウントは多くの場合、土日はお休みの場合が多いのですが、
サブウェイさんのアカウントは、土日祝も含めて運営されているのです。

もちろん、サブウェイのおいしい食べ方の紹介やキャンペーン情報なども発信しています。

楽しい投稿、楽しいコンテンツが多いので、みなさんも、是非ともご覧になってください!
https://twitter.com/subwayjp

(メディア学部 藤崎実)

【広告のあり方の変化④】クチコミや評判の重要性(メディア学部 藤崎実)

2021年11月25日 (木) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部の藤崎実です。

メディアの特徴や特性に合わせて、広告のあり方はどんどん進化・変化しています。
2000年以降、インターネットが発展し、SNSというサービスも今や一般に普及しています。
私たちが日常的に行っている「いいね」や、「共有」という行為は、新しい情報伝達の仕組みと言えます。

こうした状況を受けて、SNS時代の広告では、Web上のクチコミや評判が重要になっています。
…ということは、みんなが楽しめる、生活者が話題にしたくなる何かを提供することが広告になる、と考えることができるのです。

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実際に企業はそうした考え方のもと、様々な取り組みを行なっています。

企業やブランドが運営しているYouTubeチャンネルやツイッターのアカウント運営は、
みなさんへ楽しいコンテンツや情報を提供することで、
企業やブランドへのエンゲージメントを高めることを目的にしているのです。(メディア学部 藤崎実)

 

【広告のあり方の変化③】情報の共有と伝播(メディア学部 藤崎実)

2021年11月24日 (水) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部の藤崎実です。

マスメディアという伝達メディアは「一方通行」という特徴があります。例えば、TVCMを例にするとTVから流れてくるCMは一方通行のコミュニケーションです。私たちは、それを「見る」という立場です。

例えば、見る人の心を揺さぶる感動的な作品を作ることで、多くの人の気持ちを動かすことができるでしょう。

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それに対して、SNSの特徴として「双方向」という点が挙げられます。例えば、ツイッターでは、企業アカウントとユーザーが会話を行ったり、ユーザー同士が交流を行ったりすることができます。

また、SNSは、ユーザーが情報を共有することで、情報がどんどん拡散されるという特徴があります。

例えば、みんなが話題にしたり、共有したくなるコンテンツを作ることで、そのコンテンツがシェアされて、どんどん広がっていくことでしょう。

近年は、この、SNSを活用したコミュニケーションのパワーが、どんどん大きくなっている、
という状況があるのです。(メディア学部 藤崎実)

【広告のあり方の変化②】ネットメディアの発展と定着(メディア学部 藤崎実)

2021年11月23日 (火) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部の藤崎実です。

新しいメディアが誕生すると、そのメディアを活用した新しい広告やプロモーションが生まれます。
2000年以降、インターネットが発展し今や人々の生活に完全に定着しています。私たちは、毎日、常に時代の最先端を歩んでいると言えます。

そうした状況を反映させて、今までのTVや新聞などのマスメディアに加えて、インターネットやSNSといったネットメディアが加わっています。その結果、広告のあり方が劇的に変化しています。

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メディアが増えたということは、生活者にメッセージを伝えたり、
コミュニケーションをとるための手段が、それだけ増えたということなのです。

近年のメディア環境は、20世紀のメディア環境とは大きく違っているのです。(メディア学部 藤崎実)

【広告のあり方の変化①】メディアと広告の関係(メディア学部 藤崎実)

2021年11月22日 (月) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部の藤崎実です。

今日は基本的なこととして、まず、メディアと広告の関係についてお話しします。
新しいメディアが生まれると人と情報の新しい関係が生まれて、新しい広告のカタチが生まれます。

例えばTVというメディアが生まれたことにより、TVCMという広告のカタチが生まれました。他にもツイッターという新しいメディアが生まれたことにより、ツイッターというメディアを活用した新しい広告やプロモーションが生まれました。

そして、新しいメディアに即した、新しい方法論や考え方が発展していくのです。

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SNSの登場によって、広告のカタチやあり方も大きく変化しているのです。(メディア学部 藤崎実)



コミック工学シンポジウム2021での発表

2021年11月21日 (日) 投稿者: メディア技術コース

助教の戀津です。

この週末に、コミック工学研究会のシンポジウムと第六回研究会が開催されました。
コミック工学研究会では、画像処理や人工知能、認知科学など多分野の研究者及び本職の漫画家が集まり、コミックに関する研究活動を行っています。

現在、柿本・戀津研配属の四年生で、卒業研究に取り組んでいる澤田和弥さんが漫画の研究をしています。
澤田さんは自身も漫画家を目指し漫画制作を行いながら、メディア学部で得た知識や技術を用いて漫画の制作支援ツールを制作しています。
現在発展途中の研究のため内容はまだここには書けませんが、この研究を発表してきました。

11/20に行われたコミック工学シンポジウムでは、第三部にライトニングトークが設けられていました。
出来上がっている研究ではなく、現在取り組んでいる研究を発表し議論する場ということで、これは是非参加しようとなり申し込みました。

幸い、現在検討中の手法について発想のコアになる部分を示せるようなプロトタイプができているのでデモも交えた発表ができました。
普段コミック工学のことを考えている先生方や本職の漫画家の先生からコメントをいただくことができ、大変実りある会となりました。

今後更に発展させ、発表できるところまで完成次第改めて研究内容について報告できればと思います。

工科大のインテブロがはちおうじNPOフェスティバル2021の中継を担当

2021年11月20日 (土) 投稿者: メディア技術コース

新しい研究テーマを始めた健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアをつかって自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。

最近、コロナ禍の影響もあり巣ごもり需要が高まって動画の時代も加速してきています。社会活動もコロナ禍の中で様々なイベントが中止される中、メディア学部ではDXの活用としてのオンライン授業・オンライン会議などが実施されてきました。千種もオンライン授業のスキルを八王子の市民活動団体のオンライン会議やハイブリッド会議にも活用してきましたし、オンラインセミナーにも活用してきました。今回は千種が市民活動団体のイベント・はちおうじNPOフェスティバル2021の中継をコンテンツコース佐々木教授がとりまとめているインテブロ(intebro,   http://intebro.blogspot.com/p/blog-page.html )に依頼して、実施していただいた他力本願(笑)なケースを紹介します。

千種は市民活動団体に関わるプロジェクト演習として複数を開講しています。

( http://blog.media.teu.ac.jp/2021/06/post-3d623a.html )

  1. 地域創生アプリデザイン
  2. 企業・団体のプロモーション技法
  3. スマホ動画制作による地域メディアデザイン
  4. 地方創生におけるSDGsとデータサイエンス

これの2番・3番に直接かかわる事項ですが、今回は佐々木先生が率いるインテブロを市民活動団体に紹介した事例になります。そのときの撮影風景が以下のような感じでした。佐々木先生がこれまで実施してきた学生の力を企業や社会のために活用する事例になると思います。

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https://youtu.be/I5k5As8od_g

という感じでした。いかがでしたでしょうか?


・が受け持つフレッシャーズゼミではフィールドワークとして4グループがプレゼンを実施しました。

活動が変革している最中ですが、DXというキーワードがICT業界において注目されています。DXとはDigital Transformationの略でwikipediaによると

学会発表の思い出(その2)

2021年11月19日 (金) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

先日は、私の初めての学会発表について書きましたが、今日は「初めての英語での発表」について書こうと思います。企業の研究所に就職して2年目の秋のことです。まだ駆け出しの研究者で、海外出張に行かせてもらえるほどではなかったのですが、ちょうどその頃やっていた研究に関係する大きな国際会議が名古屋で開催されることになり、そこに論文を投稿しました。学会の名前はInternational Joint Conference on Neural Networks (IJCNN)というもので、私の発表は"Deceptive" Problems for Hopfield Neural Networksというタイトルでした。

当時は何回目かの人工知能ブームで、私が取り組んでいたのは、巡回セールスマン問題と呼ばれる難しい問題を、ニューラルネットワークという手法で解くというテーマでした。ニューラルネットワークというのは、当時は何だか怪しげな研究分野という感じでしたが、それから30年近くたって、今では人工知能研究の中心技術として大いに脚光を浴びるようになっています。

さて、私の発表ですが、ポスターセッションという形式で少人数相手に話すもので、時間の制約も緩かったので、思ったほどの緊張はありませんでした。聞きに来る人も英語のネイティブ話者とは限らないので、下手な英語でも意外と何とかなるんだなと思った記憶があります。この発表でちょっと自信を付けて、そこからもう少し研究を発展させてジャーナル論文にすることもできたので、結果的にはとても良い経験でした。

発表が終わった日の夜は、夕食を食べてから名古屋市内のホテルに戻り、ひとりでテレビを見ました。1993年10月28日。そう、あの「ドーハの悲劇」の日だったのです。発表を終えた安心感とサッカーの落胆とで、複雑な思いの夜でした。

ゲーム技術に関する学会発表紹介 (2)

2021年11月18日 (木) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の渡辺です。こんにちは。

11月6日から8日まで、NICOGRAPH2021 という学会が開催されました。私の研究室からは、1件のフルペーパー口頭発表と3件のポスター発表として採録されました。「ゲーム技術に関する学会発表紹介(1)」というタイトルで、フルペーパー採録の吉田君の研究とポスター採録の佐藤君の研究を紹介しました。今回は、さらに2件紹介したいと思います。

まず、学部3年の山本輝君の研究を紹介します。題目は「リアルタイムグラフィックスにおける回転剛体衝突判定の精度向上に関する研究」というもので、ポスター発表として採録されました。ゲームやシミュレーションにおいて、物理的な挙動を制御するシステムを「物理エンジン」というのですが、物理エンジンの重要な機能の一つに衝突判定があります。仮想空間中を動き回る物体同士の衝突を判定する理論なのですが、まだまだ不具合も多く発展途上な技術でもあります。山本君は、現在の一般的な衝突判定アルゴリズムが回転運動で問題が生じやすいことに着目し、回転運動に特化した高速な衝突判定アルゴリズムを提案しています。まだ山本君は3年次生で研究を始めたばかりですので、この研究も萌芽的な段階なのですが、さらに開発を進めてこれまでの衝突判定を超える性能が発揮できる日を私も楽しみにしています。

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干渉状態の判定アルゴリズムの模式図

もう一つ、同じく学部3年の渡辺充君の研究を紹介します。題目は「チューリングパターンを利用した範囲分割と複雑な境界生成」という研究で、ポスター発表として採録されました。この「チューリングパターン」というのは、現在のコンピューターの仕組みの基礎である「チューリングマシン」を考案したアラン・チューリングが考えた数式で、専門的には「反応拡散系偏微分方程式」というのですが、この理論を用いるとトラ、キリン、猫、シマウマなどの毛皮模様を理論的に生成することができます。渡辺君は、この理論が基本的に領域を2種類のみで表現されることに対し、多種類の領域で分布を制御する方法を考案しました。チューリングパターンは生物学や社会学などにも応用されることが多く、渡辺君の理論を元に様々な応用領域があるのではと期待しています。

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チューリングパターンを応用した多種類領域分布生成

渡辺大地 (メディア学部教授)

ゲーム技術に関する学会発表紹介 (1)

2021年11月17日 (水) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の渡辺です。こんにちは。

11月6日から8日まで、NICOGRAPH2021 という学会が開催されました。私の研究室からは、1件のフルペーパー口頭発表と3件のポスター発表として採録されました。2回に渡ってそれらの研究を紹介したいと思います。

まず、大学院修士1年の吉田涼真君の研究を紹介します。題目は「スタート地点とゴール地点が変化した際の経路探索手法に関する研究」というもので、フルペーパーとして採録されました。道路地図や迷路のような「マップ」内に出発地と目的地を設定し、出発地から目的地までの経路を求める「経路探索」という理論があります。これはカーナビや地図サイトなどでお馴染みの技術ですが、ゲームAIにも重要な理論です。経路探索のもっとも典型的な問題は、最短となる経路を算出する「最短経路探索」であり、数ある経路探索の問題のなかでももっとも多く研究されてきています。しかしながら、多くの理論は出発地と目的地を固定した上で一回だけ探索することを前提としており、目的地が移動するようなケースは想定されていません。これは、多くの応用分野では目的地自体が移動するということがないからなのですが、ゲームAIにおいては「敵の追跡」という重要な機能を実現するためには、目的地の移動に対応した経路探索が必要となります。現在のゲームでも、ほとんどの場合は単純に再探索を行うだけで、以前の結果を利用しません。吉田君の研究は、再探索の際に以前の探索結果を利用することで処理を高速化するためのものです。ある程度限定的な状況ではありますが、これまでの理論よりも高速な探索を実現しました。

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経路探索アルゴリズム説明の図

もう一つ、学部4年の佐藤淳史君の研究も紹介します。題目は「イロレーティングシステムを用いたオンライン対戦ゲームにおけるマッチングアルゴリズムの改善」というものです。対戦型のオンラインゲームが多くのユーザーに遊ばれていますが、マッチングの待機時間が長いということがしばしば問題になります。マッチングにおいては、待機時間の他にも「レーティング」という要素も考える必要があります。レーティングというのは、平たく言えばできるだけ同じ実力のプレイヤーをマッチングする(換言すれば、実力のかけ離れたプレイヤーをできるだけマッチングしないようにする)ということなのですが、レーティングを重視するとマッチング時間が長くなってしまい、逆にマッチング時間を短くすると実力差が大きなプレイヤー同士のマッチングが起きやすくなります。この問題に対し、1978年に A.E.Elo が提案した「イロレーティング」という理論を用いて改善する方法があります。佐藤君の研究は、このイロレーティングに対しマッチング時間に応じた処理を加えて改善を行っています。

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イロレーティングを応用したレーティング算出式

 

次回は、今回紹介していない2つのポスター発表を紹介したいと思います。

渡辺大地 (メディア学部教授)

最先端の研究を体験してみよう

2021年11月16日 (火) 投稿者: メディア技術コース

日本の多くの大学と同じように、東京工科大学メディア学部には「卒業研究」があります。1年間にわたって研究を行い、卒業論文を書かないと卒業できません。でも、大学を卒業した人がみんな研究者になるわけでもないのに、どうして卒業研究が必修になっているのでしょうか。

研究というのは、だいたいこんなプロセスで成り立っています。

  • 課題を見つける。
  • 現状を調べる。
  • 自分なりの方法を考える。
  • 考えた方法を試してみる。
  • 結果を論文として報告する。

そして、これから大学に入る人たちが社会に出たとき、必要とされる仕事というのは、まさにこれと同じプロセスを必要とするのです。たとえば営業職なら、

  • ターゲット顧客を定める。
  • 顧客の状況を調べる。
  • 自分なりの営業手法を考える。
  • いくつかの顧客相手に、考えた方法を試してみる。
  • 結果を上司に報告する。

あるいはゲーム開発なら、

  • どんな分野のゲームが売れそうか考える。
  • 類似のゲームについて調べる。
  • 自分なりのゲームのコンセプトを考える。
  • 実際に試作して、できたゲームをプレイしてみる。
  • 結果を上司に報告する。

といった具合です。

もちろん、世の中にはこんな複雑なプロセスを経ない仕事もあります。昭和の頃なら、そろばんでひたすら入金と出金の計算をするだけの仕事がありました。令和の時代でも、エクセルの使い方を覚えてひたすらデータ入力をするような仕事だってあるかもしれません。でも、そうした仕事はこれからどんどんAIに置き換えられていきます。AIに負けない職業人になるためには、上に書いたようなプロセスを実行できるようになることが重要で、そしてそうした力をつけるための方法として、研究というのはとても有効です。

メディア学部には、成績優秀な学生に限り、早ければ1年後期から本格的な研究に取り組むことができる「先端メディア学/先端メディアゼミナール」という科目もあります。興味のある人は、シラバスのサイトを開いて、時間割所属で「メディア学部」を選び、科目名に「先端メディア」と入れて検索してみて下さい。たくさんの研究テーマの中に、きっと興味を持てるものが見つかると思います。

(大淵 康成)

言語メディア研究室でも対面での研究活動を始めました

2021年11月15日 (月) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。メディア学部の松吉です。

2021年4月にできたばかりの言語メディア研究室ですが、10月に10名の3年生が配属となりました。コロナ禍により10月中は大学での活動ができず、オンラインでゼミを実施するのみでしたが、感染防止の対策をしながら11月より対面での研究活動を開始しています。現在、学生部屋の整備と自然言語処理の基礎演習を進めています。

学生が日常的に研究活動をする場所となる当研究室の学生部屋は、コロナ禍のため、本年4月以降ずっと手付かずでした。学生10名が登校して研究室に来ることができるようになりましたので、学生部屋の大掃除をしました。昨年度までこの部屋を使用していた先生や学生たちが残していったものを整理したり、床掃除や机拭き等を行いました。学生と相談して机の新しい配置を決めて、大規模な模様替えも行いました。学生部屋の一角にミーティングスペースも準備する予定ですので、今後その整備も行っていきます。

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(写真は、模様替え後の学生たちの机周り。学生の皆さん、お疲れさまでした。)

自然言語処理の基礎演習としては、各自のノートPCのWindows内にUbuntu環境を構築してもらいました。Ubuntuはオペレーティングシステムの1つであり、これを利用することで、自然言語処理の研究に必要なツール類を手軽に管理することができます。さらに、日本語の文章を自動的に品詞分解してくれるツール(「形態素解析器」と呼びます)をインストールして使用する演習も実施しました。今後も引き続き3年生にこのような基礎的な演習をこなしてもらう予定です。

 

(文責: 松吉俊)

第8回シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点(あな)

2021年11月14日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点」として、定期的に私が何度も遭遇してきた「シナリオの欠点(あな)」について書いていこうと思います。今回取り上げるトピックは・・・

「実現したいシーンを先行して書いたシナリオの欠点(あな)」です。

シナリオは映像コンテンツの設計図にするため書かれる文章ですので「はじめ」と「おわり」が当然あります。「おわり」を考えずに書き始めて欠点(あな)だらけのシナリオになってしまう問題については、以前このブログに書きましたが、かといって必ず「はじめ」から書き始めなければならないルールはありません。

シナリオライターの笑えない笑い話に「真っ白な原稿用紙が怖い」という”ホワイトショック”なる俗説があるくらい、シナリオを一文字も何も書いていない状態というのは書き出すことに対して躊躇いが生じやすい状態なので、とにかく書けそうなところからシナリオを書くことは大事です。

大事ですが、気をつけなければならないことはあります。きちんとシナリオ全体のストーリーを把握して、執筆したいと思った箇所がどこで、前後関係がおかしくならないか、よく確認することです。

「そんなことは当たり前だ」と思われるかもしれませんが、「はじめ」から書き始めなかった場合、先行して書いた部分はよく問題になります。

書けそうなところから書く、ということは少なからず他のシーンよりも思いついている内容と情報が多いということであり、ライターによってはそのシーンにおけるアクションやセリフに、かねてより思い入れがある部分だったりします。

その気持ちはとても大事なのですが、シナリオはそこだけ気持ちをこめて記述しても映像コンテンツの設計図として機能しません。前述したように「はじめ」から「おわり」までの流れを絶やすことなく示してこそシナリオの存在意義はあります。

以前、私は「シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その19」で、映画「カサブランカ」を取り上げ、こんな一節を書きました。

http://blog.media.teu.ac.jp/2021/03/post-c7c78e.html

『アイディアとしてはオリジナリティのあるセリフだったとしても、いきなりなんの脈絡もなくそういったセリフを登場人物に言わせてしまうと、違和感を与えたり、「クサいセリフだ」と思われたりして、効果的に機能しません。名作と呼ばれる映画のシナリオには、名ゼリフがつきものですが、セリフ単体を考案して執筆しても、決して名ゼリフとしては認識されないものです。』

このときは、特に「セリフ」について指摘をしましたが、決してセリフ単体ではなく、言葉と行動の両面で構成されるシーンの内容、そしてそのシーンに繋がる前後のシーン関係を常に意識して、シナリオライターはシナリオを書く必要があります。

シナリオはどこから書いても良いですし、書けるところから書くべきですが、書きたいところだけ書けばいいというわけではないので、せっかく思い入れがあるシーンであればなおさらシナリオの欠点(あな)として認識されないよう、気をつけて執筆したいものです。

 

シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その34後編

2021年11月13日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品の34本目「天使にラブソングを」について、どこに注目すべきか述べていきます。

今回取り上げる「天使にラブソングを」は1992年に公開された、アメリカのコメディ映画です。教会の聖歌隊メンバーを中心に歌を披露するシーンが印象的な作品でレンタル店などではミュージカル映画の棚に置いてあったりもします。公開後の人気はすさまじく、当時のアメリカでは異例の6ヶ月間というロングラン作品でした。

この作品でシナリオライターとして注目すべき点は「優れたシナリオ構成」です。

注目すべき点が「優れたシナリオ構成」などと言われると、そんな作品はたくさんあるだろう、と思われるかもしれませんが、「天使にラブソングを」は、このブログでもいくつか取り上げている「シナリオの教則本にタイトルが載ることが多い作品」の中のひとつで、まさにシナリオのお手本のような作品なので、そう評します。

実際にシナリオ構成上で優れているポイントを3つ挙げます。

1つ目は「セントラルクエスチョン」です。これはシナリオ全体を通して解決する問題や目的を指すもので、観客が最初から最後までその作品を視聴しようと思わせるために最も大事な要素です。この作品においては「殺人現場の目撃者として逃げ切れ」というもので、コメディやミュージカルのジャンルとして分類されがちなこの作品においてサスペンス要素をもった部分でもあります。作品全体としてコメディや歌が印象に残るという結果を出しつつも、それらを最初から最後まで飽きずに見てもらうため、つねに「敵から追われている」という緊張感を視聴者に与え続けるポイントになっている点が素晴らしいです。

2つ目は「ミッドポイント」です。人によってはターニングポイントとも呼びますが、作品放映時間上の折返し地点ではなく、シナリオの構成上の中間地点なのでこう呼びます。物語の中盤において主人公のデロリスは、前述したセントラルクエスチョンである「殺人現場の目撃者として逃げ切れ」を解決せねばならない状態でありつつも「聖歌隊を成功に導け」という新たな目的を抱くようになります。しかも、それに執心するあまり、自身が追われている身であることを忘れてしまうほどで、その危うさは視聴者をハラハラさせることに一役かっています。

3つ目は「マルチプルソリューション」です。これも人によってはクライマックス、と呼んだりしますが、特に近年のシナリオ構成は何かひとつだけ問題や目的を達成して終わる作品は少なく、複数の目的達成を実現するシナリオ構成になっているため、こう呼びます。「天使にラブソングを」であれば、ラスト間際の「聖歌コンサートを成功させる」シーンが該当します。この「聖歌コンサートを成功させる」ことには、前述したふたつのポイントである「殺人現場の目撃者として逃げ切れ」と「聖歌隊を成功に導け」の両方を解決した、と観客に示す意味があります。「ああ、もう敵に追われなくていいんだな」「聖歌隊はこんなに立派になったのだな」という満足感を得て、観客は映画を見終えることができます。

シナリオ構成の他にも優れているポイントはたくさんあるのですが、映画の流れに沿って上記の3つのポイントが満たされていくことで、観客がとてもリズムよく映画の内容を理解できるため、今回は「優れたシナリオ構成」をもった作品として「天使にラブソングを」を取り上げました。主人公デロリスが指揮する聖歌隊の歌を聞くだけでも楽しいので、ぜひ一度見てみてほしいです。

シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その34前編

2021年11月12日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。
今回も「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介します。
前編とのなるこの記事は、あらすじのまとめが中心です。後編ではその内容をもとに注目すべきポイントを述べますので、そちらも読んでいただけると嬉しいです。
取り上げる映画は次のタイトルです。
『天使にラブソングを(1992)』
<監督>
エミール・アルドリーノ
<脚本>
ジョセフ・ハワード
<参考URL>
『https://movies.yahoo.co.jp/movie/15577/』
<あらすじ>
アメリカはネバダ州のクラブで歌手をしていたデロリスは、クラブの経営者でマフィアのヴィンスとは愛人関係にあった。不自由のない暮らしを送っていたデロリスではあったが、妻とも自分とも関係をハッキリさせないヴィンスに不満が募っており、とうとう別れ話を切り出しにむかった。ところが偶然にもデロリスは、ヴィンスの殺人現場に出くわしてしまう。
このためヴィンスに口封じのため追われることになったデロリスは警察へと駆け込んだ。すると、ヴィンスを逮捕する機会をうかがっていたサウザー警部のアイディアで、ヴィンス逮捕後の証人になってもらうべくデロリスを修道院に匿ってもらうことになった。
堅苦しいことが大嫌いなデロリスは、彼女を匿うことにも反対した修道院長とも折り合いが悪く、当初は修道院での禁欲的な生活に馴染めずにいた。しかし、ある時とてつもなく酷い歌声の聖歌隊の指揮を任されたことをきっかけに、他のシスターたちとの関係も変わり、居心地がよくなっていく。歌手であることを隠しているデロリスによる聖歌隊への指導は、型破りであるが実に的確で、みるみるうちに聖歌隊の歌は上達。ある日のミサで披露したその歌声は、まったく教会に縁のなかった若者を引きつけるほど、街の評判になった。
人が訪れるのもまばらだった教会には、デロリスの指揮する聖歌隊を目的に、人も寄付も集まるようになり、とうとうテレビにまで取り上げられる様になる。ようやく自分の居場所とやりがいのある仕事を見つけたデロリスだったが、サウザーから警部から「あまりに目立ちすぎる」と警告を受けてしまう。それでも一度評判となった聖歌隊の人気はうなぎのぼりで、とうとう噂を聞きつけたローマ法王が訪問してくることになった。これに大喜びする聖歌隊たちだが、ついにヴィンスが修道院にいるデロリスの存在に気づいてしまった。
デロリスは直ちに部下に命じてデロリスを捕らえさせた。この緊急事態に、修道院長はデロリスの正体をシスターたちに明かすと、シスターたちはデロリスの捕らえられているクラブへ向かい、サウザー警部達と協力してデロリスを救い出してヴィンスを逮捕した。
 
デロリスとシスターたちは再び教会へ戻ると、ローマ法王を迎えて聖歌を披露することになった。伝統的な聖歌に始まったその歌声は、かつて聞くに耐えなかったことなど嘘のように美しいものに成長していた。しかし、おごそかな雰囲気につつまれた教会内は次の瞬間一転。デロリスとその仲間たちは、アレンジされた聖歌を披露し、ローマ法王と集まった人々を喜ばせる大成功をおさめたのだった。
・・・次回は、この作品でシナリオライターとしてどこに注目すべきか、について述べていきます。
どうぞお楽しみに。

メディア学部でのシナリオ研究

2021年11月11日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です.

先日,芸術科学会が主催するNICOGRAPHが開催されました.
メディア学部からもさまざまな研究室が参加・研究発表を行い,三上・兼松研究室も4名の学生が発表しました.

[岩田摩由璃,兼松祥央,茂木龍太,三上浩司,“セルアニメ風歩行アニメーション再現のためのコマ打ち支援システム”]
[嶋田眞巳,谷村皓奎,松吉俊,兼松祥央,三上浩司,“シナリオのト書きを対象とした主語-述語ペア自動抽出に関する基礎調査”]
[脇坂真広,安原広和,兼松祥央,三上浩司,"即時フィードバックを利用したVRプレゼンテーション練習システム”]
[朱虹羽,兼松祥央,松吉俊,三上浩司,"キャラクタの性格を考慮したポーズ設計支援”]

4件とも大学院生の発表でした.
このblogでもこういった学会発表に参加する度に学生の研究を紹介していますが,その多くがゲームに関する研究です.実際のところ昨今の三上・兼松研では,やはりゲームに興味をもって研究室にはいってくる学生が多いです.
ですが,今回発表した嶋田さんのように,それこそ私がメディア学部の学生だったころから,三上・兼松研,そしてメディア学部ではシナリオに関する研究もたくさん行っています.

古くは,私の学部時代の指導教員である金子満先生の研究ですね.「シナリオライティングの黄金則」という書籍として出版もされました.今でも私たちのシナリオ研究の基盤になっています.私自身も初めてちゃんとシナリオを勉強したと言えるのは金子先生の授業でした.その後,金子先生の研究をさらに進めて,三上先生が「メディア学大系3 コンテンツクリエーション」の中でシナリオについてまとめています.シナリオ執筆や研究に興味がある方はぜひ読んでいただきたいです.

その他,私と同じくメディア学部OBであり,現在はメディア学部助教の戀津先生は,学生時代からシナリオ執筆支援のためのシステム開発を中心に研究しています.最近はシナリオ執筆に関わる情報の可視化などにも力をいれていて,先日のNICOGRAPHでもご自身で発表されていました.

私自身は主にストーリーの構造,つまり物語の流れの組み方に興味をもって学生と一緒にさまざまな研究をしています.嶋田さんの研究もここに大きく関わるものですが,最近は今年度からメディア学部に着任され,言語処理をご専門とする松吉先生が指導に加わってくださり,我々のシナリオ研究で弱かった部分がパワーアップしています.私自身も新しい視点からシナリオ研究を見直すきっかけになり,改めて勉強しなおしているところです.

また別の記事にしようと思っていますが,私が担当しているプロジェクト演習シナリオアナリシスは多くの学生が受講してしてくれていますが,特に今年度は精力的に課題・執筆に取り組む学生が多い印象です.
研究のほうも,より多くの学生に興味を持ってもらい,研究仲間が増えるといいなぁと思っています.

(文責:兼松祥央)

第7回シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点(あな)

2021年11月10日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点」として、定期的に私が何度も遭遇してきた「シナリオの欠点(あな)」について書いていこうと思います。今回取り上げるトピックは・・・

「恋愛モノのヒロインに関するシナリオの欠点(あな)」です。

映画やテレビに代表される昨今の映像コンテンツと、その制作のために書かれるシナリオが生みだされるよりも前から「恋愛」は定番のテーマであり、ギリシャ演劇はもちろん、場合によっては神話の伝承まで遡ることができます。

当然、現代の人々にとっても「恋愛」は定番のテーマであり、我が東京工科大学メディア学部でシナリオの執筆に取り組む学生さんたちも、それは同じです。

特に、ライトノベルやライトノベルを原作としたアニメや漫画が気軽に楽しめるようになった最近は、「自分もまた魅力的なキャラクターの登場する恋愛ものを執筆してみたい」と考える人は少なくないようで、毎年少なくない数の恋愛シナリオをチェックしています。

それだけに、恋愛モノのシナリオによくある欠点(あな)があります。その中でも特に重大な問題といっていいのが「ヒロイン」についてです。

「ヒロイン」というと女性をイメージしがちですが、今回の記事で言う「ヒロイン」は、厳密には女性に限りません。

男性、女性、さらにいえば異性、同性関係なく、恋愛モノの主人公にとっての恋愛対象を全て「ヒロイン」として扱いますが、特にシナリオ執筆未習熟者はこの「ヒロイン」の魅力がシナリオ上で明確に記述されておらず、恋愛モノとして致命的な欠点(あな)になっているケースが多いです。

ストーリーの内容上、結末において意中の「ヒロイン」と、なんらかの形で結ばれることがゴールになっている点はわかりすくて良いのですが、「そもそもどうして主人公がヒロインと結ばれたいのかわからない」シナリオを執筆する人がとても多いのです。

一応、おおまかな登場人物設定を考えている人がほとんどではあります。外見設定、性格設定、能力設定など、質問すれば答えてくれるのですが、それはあくまで執筆者の好みを反映した情報でしかなく、それらがどう恋愛に結びついているのか説明できなければ、シナリオ上の欠点(あな)になってしまいます。

以前、私は「シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その27後編」で、映画「美女と野獣」を取り上げ、こんな一節を書きました。

http://blog.media.teu.ac.jp/2021/09/post-4fec83.html

『ヒロインのベルが狼の群れに襲われた際、危険を顧みず野獣が助けにきて来てくれたことをきっかけに、ふたりは惹かれ合い恋仲になっていく、という点は共通なのですが、実写版ではかなり冒頭から「ベルはとても読書好きだが周囲に理解されていない」という情報が強調されています。

この「読書」に関する設定は、後半でベルと野獣が共通の趣味を持っている、という点で、互いに親近感を抱くきっかけとして機能しており、見た目で奇異的な扱いをされてきた野獣と、趣向面で奇異的な扱いをされてきたベルが、互いを理解し合うという意味で、かなり機能的に働いている登場人物設定です』

作品タイトルが「美女と野獣」なので、少なくとも女性(ベル)側の外見設定が「美女」であることは明らかですが、恋愛モノとしてのストーリーにおいて重要なのはその設定ではなく「読書」という趣味が相手と共通していたことや、今まで理解されなかった趣味を共有できたことです。

もちろん、これだけで恋愛感情を抱いた、といわれても納得のいかない人も多いとは思いますが、少なくとも「相手が美女なのだから恋愛感情を抱いて当然である」と押し付けるよりは、恋愛に発展する過程が論理的です。

アニメや漫画などで、わりとインスタントに恋愛関係に発展する登場人物たちを見かける機会も多いが故に、あまり深く考えずシナリオライター自身の好みや設定を持ったキャラクターであれば「好きになってくれるだろう」と考えてしまう部分はあるかもしれませんが、百歩譲って別な達成目的を持ったメインストーリー(巨悪を倒すとか、何かに優勝するとか)があって、サブストーリー的に恋愛要素を組み込むならまだしも、恋愛をメインストーリーとしたシナリオを執筆するのであれば、恋愛関係が発展していく過程は、決しておろそかにしてはいけない部分と言えるでしょう。

シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その33後編

2021年11月 9日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品の33本目「ホーム・アローン」について、どこに注目すべきか述べていきます。

今回取り上げる「ホーム・アローン」は1990年に公開された、アメリカのコメディ映画です。地上波放送回数が10回を越える、マコーレー・カルキンが主演の「ホーム・アローン」「ホーム・アローン2」が有名ですが、人気シリーズで、ナンバリングタイトルとしては「ホーム・アローン5」まで制作されており、リブート作品(実質シリーズ6作目)として「ホーム・スイート・ホーム・アローン」も制作されています。

この作品でシナリオライターとして注目すべき点はどこかといえば「ストーリーとアクション描写の両立」について、です。

後にシリーズ化することも、マコーレー・カルキンが大人気子役になることも、日本ではまだ誰も予想だにしていなかったであろう、第1作目「ホーム・アローン」のコマーシャルがTV放映開始された当時、その内容において最もプッシュされていたのは、泥棒コンビのハリーとマーブを罠で撃退するシーンでした。

子どもが仕掛けたにしては巧妙過ぎる仕掛けともいえますが、子どもであるがゆえに容赦のなく、えげつないトラップの数々で、大の大人ふたりがズタボロにされるシーンの数々を中心とした動画構成のCMは、劇場に足を運ばせるに十分過ぎるインパクトがあり、大人も子供も気になる内容でした。

一見すると、そのCMに象徴されるアクション描写が中心の映画に思われる作品だったのですが、実際にそれらのシーンが登場するのはだいぶ後半であり、約100分の全体から見ればそれほど占める時間も長くはありません。

この作品が優れている点は、ケビンという「子供の視点」を中心に家族愛を描いたストーリーをしっかり伝えた上で、CMで取り上げられたシーンのような、目を引くアクション描写で楽しませる内容になっているところです。

「家族愛」というテーマは、幅広く共感を得やすいもので、定番かつ鉄板のテーマですが、それゆえに新規性と独自性を示すことが難しいテーマであることは、このブログでも繰り返し述べてきました。

シナリオは、それ自体が執筆された時点ではあくまで文字媒体の成果物でしかないので、アクション描写が実際にどんな形で映像になるかは想像するしかありません。しかし、だからこそ、映像化されて実際に視聴者がストーリーとアクションを両方受け取ったときに、どう楽しんでもらえるかを計算して、シナリオライターはシナリオを書かねばなりません。

「ホームアローン」は、1作目2作目に限らず、後発の作品もストーリーとアクションの両立バランスがとても良いので、ぜひ見てみて欲しいと思います。

シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その33前編

2021年11月 8日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。
今回も「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介します。
前編とのなるこの記事は、あらすじのまとめが中心です。後編ではその内容をもとに注目すべきポイントを述べますので、そちらも読んでいただけると嬉しいです。
取り上げる映画は次のタイトルです。
『ホーム・アローン (1990)』
<監督>
クリス・コロンバス
<脚本>
ジョン・ヒューズ
<参考URL>
https://movies.yahoo.co.jp/movie/21356/
<あらすじ>
ケビンは、アメリカはシカゴに住むマカリスター家の3男。クリスマスに親戚一同でパリへ旅行することが決まっていたことから、家族は準備で忙しく、幼いケビンはかまってもらえずにいた。
ようやく食事時になったが、大好物のプレーンチーズピザを、悪ふざけした兄のバズに食べられ、とうとうブチ切れたケビンはバズに飛びかかり、食卓はめちゃくちゃに。これを叱られたケビンは、罰として屋根裏部屋に寝かされることになってしまった。ふてくされたケビンは「こんな家族なんかいらないから消えてしまえ!」と願って眠りにつく。
その夜のこと、あたり一帯は強風が吹き荒れ、電柱が倒れたことで停電がおきてしまった。この停電の影響によって、マカリスター宅の目覚まし時計はストップ。翌朝、マカリスター家は親戚共々寝坊してしまった。大慌てで支度を整え、荷物と人数確認を済ませ、一同は旅行のための車で出発。そのままパリへの飛行機に搭乗した。
・・・ケビンが屋根裏にいたことを忘れたまま。
ケビンの母・ケイトが上空で自分が居ないことに悲鳴をあげていたことなど知る由もないケビンは、誰も居なくなった自宅で「願いが叶った」と大はしゃぎ。禁じられていた映画を見つつ、お菓子は食べたい放題、触らせてもらえなかったモデルガンを手にしてご満悦だった。
しかし、そんなケビンしか居ないマカリスター宅に危機が迫っていた。泥棒コンビのハリーとマーブが、一家が旅行に出るタイミングを狙って空き巣に入る計画を実行に移そうとしていたのだ。
ハリーは事前に警察の格好で変装して、マカリスター家がクリスマスに留守にする予定であることを確認しており、このタイミングを狙っていたのだが、ケビンが取り残されていることなど想定外。泥棒ふたりは侵入を取りやめ、ケビンは一時的に窮地を脱したが、ケビンは警戒しすぎるあまり、母・ケイトが安否確認を頼んだ警官の来訪もスルーしてしまった。
マカリスター宅は留守の確証が得られなかったものの、ハリーとマーブは向かいのマーフィー宅が留守なのは確認済だったので、忍び込んで金品を漁っていた。すると偶然にもケビンの父・ピーターが、マカリスター宅の様子を見に行ってほしいという電話をかけてきたことに気づく。これによってケビンは再びハリーとマーブに狙われることになってしまう。
一方ケビンは、初めのうちでこそ一人暮らしを満喫していたが、少しずつ寂しさがこみ上げてきていた。心細さもあって、夜には煌々と明かりをつけ、家には人がたくさんいるかのように見せかけて、様子を見に来ていたハリーとマーブを警戒させてはいたものの、家族の写真を見つめて眠りにつくのだった。
翌日。日中はマカリスター宅に人の気配がないことにハリーとマーブが気がつく。確信を得たふたりは、21時にマカリスター宅に盗みに入ろう、と決める。意気揚々のハリーとマーブだったが、その会話をケビンはタイミングよく盗み聞いていた。
その日の夕方。泥棒ふたりの襲撃を前にケビンは教会へ祈りに向かった。そこには、近所で「殺人鬼」と噂される老人マーリーの姿があった。ケビンは噂を信じ込みマーリー老人に失礼な態度を取ることもあったが、マーリーは息子とのすれ違いで孤独だった話を聞き、家族を大事に思う気持ちは自分と同じであることに気づく。そして、自分の家を泥棒から守り抜こうと決意を固めた。
ケビンは、自宅にあるありとあらゆるモノを駆使して罠を作り出し、泥棒ふたり組を撃退する〝戦闘プラン〟計画を立てて準備をすると、最後に警察に連絡して応援を要請したのち、ハリーとマーブを迎え撃った。
マカリスター宅に、たくみに仕掛けられたケビンのトラップによってハリーとマーブはズタボロにされるも、子供ひとりに負けるわけにはいかないふたりは、もはや金品強奪など忘れ、怒りに任せて執拗にケビンを追いかけ回していく。
その執念はすさまじく、最後に自宅から脱出を図ったケビンだったが、とうとう補足されてしまう。もはやこれまでか、と思ったケビンを救ったのは、マーリー老人だった。殺人鬼と噂された豪腕でハリーとマーブは打ち倒され、まもなく到着した警察に引き渡された。
ケビンはその夜、サンタに「家族を返してほしい」と願い眠りにつく。
翌朝。目覚めたケビンを迎えたのは、誰よりもケビンを心配して真っ先に帰ってきた母・ケイトだった。
・・・次回は、この作品でシナリオライターとしてどこに注目すべきか、について述べていきます。
どうぞお楽しみに。

4年生からのメッセージ⑦ エピローグ~森川から4年生へ

2021年11月 7日 (日) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今週は、森川研の5人の4年生から、在学生および受験生に対するメッセージをお届けしてきました。
皆さん、いかがだったでしょうか。
連載最終日の今日は、卒業まで半年を切った4年生たちに、私の経験を話したいと思います。
 
昔々、私も大学4年生で、あと半年で卒業を迎える、という時がありました。
無事就活を8月に終えましたが、就職氷河期のあまりに過酷な日々を過ごしたせいで、
私はトカゲのように痩せ細ってしまっていました。
しかし、息を吐く暇もなく、秋からは地元・広島の母校である高校に教育実習へ。
高校の先生になる予定はありませんでしたが、教員免許だけは取っておこうと、就活が終わるタイミングで実習に参加することにしていたのです。
そして約1ヵ月ほどの、これまた緊張感いっぱいの教育実習生生活を送ることとなったのでした。
私が教えたのは現代文と漢文でした。
授業計画を立てるために徹夜をし、何を話すかしっかり頭に叩き込んで教壇に立った経験は、今も忘れることができません。
国語って他の教科のように、びしっとした答えがないことが多いので、生徒全員に理解してもらえるような説得力のある授業計画を作るのがとても難しいんですよね。
我ながらよくやったと思いますよ…本当に……。
(ちなみに大学の先生に教員免許は必要ありません)
 
そして、教育実習が終わったと思ったら、今度は卒論です。
私は、文学部の文芸という専攻に在籍していましたので、書いたのは論文ではなく創作小説でした。
原稿用紙にして約100枚の長編小説を執筆したのです。
論文と違って調査や分析がないから楽なんじゃないか、と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、創作物には生みの苦しみがあります。
そして、小説を書くには、実は取材なども必要だったりするんですよね。
だから作品を書き上げるまで、本当に忙しい日々を送りました。
ただ、生みの苦しみはありつつも、一度キャラクターたちに命が宿れば、勝手に動いてくれて物語が進むのです。
そうなってしまったら、書いているのは私でも、半分読者のような感覚で、キャラクターたちが生きていく様子を追っていくだけでした。
 
無事卒論(小説)を書き上げて提出し、大学は春休みに突入。
2月には1ヵ月、卒業旅行でヨーロッパに行きました。
私が就職した会社は3月から研修が始まりましたので、旅行から戻るとすぐに新しい生活が始まった感じです。
たった半年の間に、本当にいろいろなことがありました。
今思うと、どれもこれも大学生だったからこそ経験できたことだと実感します。
 
皆さんもあと数か月、是非今だからこその、今しかしかできない経験をしてください。
そしていろいろな状況や、自分の心の動きを楽しんでください。
もちろん卒論も頑張ってくださいね!!
 
(メディア学部 森川 美幸)
 

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4年生からのメッセージ⑥ 「自分に合う企業と出会うために」

2021年11月 6日 (土) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今週は、森川研の4年生から在学生および受験生に対するメッセージをお届けしています。
5人目の今日は、Aさんが、5ヶ月間の就職活動を通して感じたことを率直に語ってくれました。
 
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多くの学生が就職活動をスタートさせる、4年生の3月から私も活動を始め、8月に就職活動を終えました。
その5ヶ月の間で私が感じたことを書きたいと思います。
一経験談として聞いて頂けたら幸いです。
 
就職活動を始めた当初は特に将来やりたいことが見つかっておらず、漠然とスタートさせたため、
説明会などでも魅力的に感じる企業との出会いがなく、ただただ早く終わらせたいと思っていました。
しかし気持ち半ばで行う活動は上手くいかず、つまずいてばかりでした。
 
そんな中、自分の歴史を30分話すという面接がありました。
そこで、自分の事をとても理解してもらい会社の方々とも交流していく中で、
自分に合っていると思い、その企業に決めました。
 
皆さんも就職活動をする際は、
 
① 将来、自分が働いている様子を想像し会社探しをする事
② 自分の活動状況を周りと比べず、マイペースに行う事
③ 就職活動が終わった自分へのご褒美を考える事
④ いろんな企業の方と面接をして経験値を挙げる事
 
を大切にしてやっていくと、良い企業との出会いがあるかもしれません。
まだまだコロナ禍という中で、世間の景気も戻っていない中、大変だと思いますが、是非頑張ってください。
  
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就活とは、自分に合う企業や業界に、自分のことを見つけてもらうための活動です。
自分が見つける、というよりも、相手に「見出してもらう」のです。
まだ社会人経験のない大学生に、その企業や業界が自分に本当に合っているか判断するのは困難です。
しかし先方は、その企業や業界のベテランです。
あなたが会社や業界に合う人材かどうか、面接を通してしっかり判断してくれます。
合う人材だと思われれば内定が出るし、会わないと思われれば不合格となります。
だからどんなに落とされても落ち込むことはありません。
そういう会社や業界は、あなたに合わないから先方が「落としてくれている」のです。
そう考えると、企業や業界を限定せず、できるだけ多くの企業や業界を当たってみることがどんなに大切かわかるでしょう。

でも、気持ちが挫けそうな時は、Aさんが挙げている③を心の支えにするといいですよ!
 
明日は今回のシリーズの総括を書きたいと思います。
お楽しみに!
 
(メディア学部 森川 美幸)

 

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4年生からのメッセージ⑤ 「一人で抱えきれない時は相談を!」

2021年11月 5日 (金) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今週は、森川研の4年生から在学生および受験生に対するメッセージをお届けしています。
4人目の今日は、M.O.さんが、就職活動を始めてから内定をゲットするまでの体験を語ってくれました。
 
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就活を本格的に始めたのは、3年生の2月でした。
周りが本格的に就活を始め出したり、内定を貰ったという話を聞いたりするようになってから、焦って始めたという感じです。
マイナビやあさがくナビなどといった就活サイトで、興味のあった広告関係の会社や映画関係の会社に沢山エントリーしました。
するとそのうち、たくさんのメールが届くようになりました。
就活に関する情報が入手できるようになったのですが、数が多過ぎ、どの会社に応募すべきか、いつどこの会社で説明会があるのかなどの管理がうまくできませんでした。
そのせいで混乱して、さらに焦りやプレッシャーになってしまいました。

自分一人では就活のいろいろなストレスを抱えきれないと思い、就活相談の方に連絡をして、焦っていることや自分に合った会社を見つけられないことを相談するようになりました。
自分の過去を改めて振り返り、自分の短所や長所はどこなのか、また自分が大切にしていることは何なのかを考え直すことで、就活の軸をようやく固めることが出来ました。

そこからは一社一社と丁寧に向き合い、自分と合っているかをしっかり見定めるようになりました。
実際に応募した数は10社ほどだったと思います。

面接は就活を始めたばかりの頃は、言葉に詰まることが多かったのですが、慣れてくると、答えを用意していなかった質問にもすらすらと答えられるようになりました。
興味のないところも少し受けてみて、面接独特の緊張感に慣れておくと良いと感じました。
就活を始めた頃と比べると、落ち着いて受け答えができるように、私自身変わることができたと思います。
就活を終えた今、とても良い経験ができたと感じています。
 
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就活は社会と向き合い、自分と向き合う、ある意味キツイ経験です。
ライバルが数限りなくいる中で、内定を得られるのは多くの場合ほんの僅か。
大学受験の比ではないくらい、ストレスやプレッシャーを感じる人も多いでしょう。
そんな時、頼りになるのは大学の相談窓口や先生、先輩たちです。
東京工科大学の八王子キャンパスには、キャリアコーオプセンターという就職相談窓口があります。
さらに、メディア学部には就職委員会が設置されており、就職特任の先生も就活生の支援を行っています。
もちろん我々卒研担当教員もサポートしますが、情報提供や就活アドバイスなど、就活生の皆さんの不安を解消し、思う存分就活を勧めてもらうために、あらゆるバックアップ体制が整っています。
最終的に動くのは皆さんであることは言うまでもありませんが、自分一人で悩んで辛くなった時は、大学のサポートを受けるのも一つの手です。
きっと気持ちが少し楽になり、自分の新たな可能性が見えるようになることでしょう。

利用できるものはすべて利用して、諦めずに根気強く就活を続けること。
それが内定獲得への重要なカギだと言えるでしょう。
M.O.さんもよく頑張りました!
 
明日はAさんの就活体験記です。
お楽しみに!
 
(メディア学部 森川 美幸)

 

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4年生からのメッセージ④ 「他己分析のススメ」

2021年11月 4日 (木) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今週は、森川研の4年生から在学生および受験生に対するメッセージをお届けしています。
3人目の今日は、内藤結南さんが、就職活動で行った取り組みについて語ってくれました。
 
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私の就職活動は業界を一つに絞って行いました。
もともと行きたかった業界がコロナの影響を受けて採用活動を行わなかったことで、
よりたくさんの業界を見たうえで絞りました。
先輩からは業界を3つ選んで受けたほうがよいとアドバイスをもらったのですが、
容量の悪い私は1つでも手一杯でした。
なので、その分多くの企業を調べ、合同説明会にも参加して話を聞きました。
 
業界研究と企業研究を徹底して行い、
(1)他の企業とどう違うか
(2)その違いが自分にとってどうメリットに働くのか
(3)それを入社後にどう活かせるのか
を意識しました。
 
実際面接の際も他の企業との違いは高い確率で聞かれるので、違いだけを話すのではなく、
上記で述べたことを意識して話しました。
 
また、自己分析はとても大切ですが、他己分析も行うことをお勧めします。
他者からみた自分の印象は、自分の想像とずれているところがあるので、
就活に活用できますし、自分を知ることができて面白いと思いました。
 
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森川研では、今の4年生が就活を始めた頃の3年生の時に、ペアになってお互いのエントリーシートを書くという課題を行いました。
まずお互いのインタビューをして、それを基に、ペアの相手の強みや、大学時代に最も力を入れたこと、志望動機などを、お互いに書き合ってもらったのです。
内藤さんも書いているように、人は自分のことを意外とよく知らないものです。
自分のいいところやアピールすべきところも、意外と自分では見えていなかったりします。
他の人に分析してもらうと、自分では気付いていなかった自分のいいところや、自分の価値が見えて来るものなのです。
なるほど、人は自分のこんなところを評価してくれるのだな、ということがわかれば、自分に自信を持てるようになりますし、自分を客観的に見る目も持てるようになるでしょう。
また、お互いがお互いを深く取材し、お互いの良さを指摘し合うことで、同じ卒研室の仲間同士の連帯感も生まれます。
 
意外と他人のエントリーシートの方が書きやすかったりするんですよね。
就活に他己分析は、私もオススメです。
  
明日はM.O.さんの就活体験記です。
お楽しみに!
 
(メディア学部 森川 美幸)

 

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4年生からのメッセージ③ 「工科大での“学び”」

2021年11月 3日 (水) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今週は、森川研の4年生から在学生および受験生に対するメッセージをお届けしています。
2人目の今日は、荻原颯真さんが、我が工科大で学ぶことについて語ってくれました。
 
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私からは、在校生、これから工科大へ入学する方々へ少しアドバイスができたらと思います。
多くの方は、工科大へ入学しようと決めたのは、何か学びたいことがあったからだと思います。
しかし、それが必ずしも本当に学びたいことではないかもしれません。
実際に学んでみて、「なんか違うなぁ」とか「これ、あんまり楽しくないかも」と感じるかもしれません。
そういう状況に陥った時に、「もう少しだけ頑張ってみよう」と頑張ることも良いと思います。
また、違う選択肢として別のことにもチャレンジするということも良いと思います。
 
メディア学部では、様々なジャンルの授業を受けることができます。
授業を受ける中で興味が湧いてくることもあると思います。
少しでも「面白そう!」と感じたのなら、それをさらに深く学んで行ってみてください。
たとえ、それがまた「違うなぁ」と思うものであっても、自分を知るという意味ではとても良い経験になると思います。
そうしたことを繰り返して、本当に自分のやりたいことは何なのかを探して行って欲しいです。
 
4年間という時間はあっという間に過ぎていってしまいます。
この4年間をどのように使うかは皆さんの自由ですが、ぜひ沢山のことにチャレンジしてほしいと思います。
 
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荻原さんは、「なんか違うなぁ」を繰り返して、本当に自分が好きなことや学びたいことを見付けていったのでしょう。
工科大に入学する学生の中には、例えば高校時代にはゲームクリエイターになりたくて工科大を志望し、無事入学したものの、実際にゲームのプログラミングや制作方法を学ぶと、「自分には向いてないな」、「思っていたのと違う」と気付く人もいると思います。
そんな時、工科大ではもう何も学べないでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
ゲームを作るのは向いていないとしても、、ゲーム自体は大好きだとすると、ゲームに関係する他の知識や技術を工科大であれば学ぶことができます。
例えばゲームの企画やプロデュース、広告・宣伝などです。
もしかするとゲームよりも映像制作に興味を持つかもしれません。
それなら映像制作を学ぶこともできます。
工科大メディア学部なら、皆さんの興味がどこに向いても、学ぶチャンスはいろいろ用意されているのです。
是非、興味のアンテナをしっかり立てて、工科大であなたの“本当にやりたいこと”を見付けてください。
荻原さんのように。
 
明日は内藤結南さんの就活体験談です。
お楽しみに!
 
(メディア学部 森川 美幸)

 

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4年生からのメッセージ② 「あと半年の学生生活」

2021年11月 2日 (火) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
4年生から在学生および受験生に対するメッセージをお届けするこのシリーズ。
1人目の今日は、K.O.さんが、卒業まで残すところ半年となった今の心境と、大学時代にやって良かったことを語ってくれました。
 
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#16年間の“学生生活”あと半年だってよ…
 
小学1年生から始まった16年間の学生生活。
“学生”と言っていられるのもあと半年だと考えると、なんかすごく淋しいなと感じています。
長いようであっという間だった学生生活。
中でもこの大学で過ごした時間は私にとってとても大切な時間となりました。
授業の後、友達とお気に入りの居酒屋に飲みに行ったり、
テスト前に友人宅に泊まって徹夜でテスト対策したり、
試合の後に部活仲間とお疲れ様の食事会をしたり、
今となってはそんな当たり前だった日常がすごく特別で、
ちょっと大袈裟かもしれませんが二度と体験できない一生の思い出です。
残り半年の学生生活、後悔しないように、1日1日過ごしていきたいです。
 
#4年間過ごした中で、私がやってきて良かったこと
 
① 部活に入った事。
→ 大学生活が倍楽しくなりました。
② 単位は2年生後期までに出来るだけいっぱい取った事。
→ 3、4年生がめちゃくちゃ楽になりました。
③ 卒論のテーマは自分が好きな分野にした事。
→ 3年生の後期から4年生の終わりまで研究は続くので、自分の興味のあることをテーマにした事で楽しく研究が出来ています。
④ 先輩とは積極的にコミュニケーションを取る事。
→ テストの対策法や就活のアドバイスなど、色々助けられました。
⑤資格を取る事。
→ 就活で強みになります。
⑥色んな事に興味をもつ事。
→ 趣味の幅を広げることで、自分の可能性も広がると感じます。
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私自身も、大学卒業間近の頃の気持ちを思い出しました。
卒業したら、長い夏休みも、自由気ままな時間も、友達と毎日のように顔を合わせることもなくなるんだな…と思うと、何だか居ても立っても居られないような心境になったものです。
でも、卒業後にはまた別の世界が広がっています。
別の楽しさや別の喜びがあるのです。
もちろんいいことばかりではありませんが、いろいろなものを見られたり、いろいろな人に会えるのは、社会に出る醍醐味であるとも言えます。
学生時代はそのための準備期間なんですよね。
だからこそ、自分の未来に繋がることを大学時代にやってください。
未来の自分は今の自分にしか作れないのだから。

明日は荻原颯真さんからのメッセージです。
お楽しみに!
 
(メディア学部 森川 美幸)

 

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4年生からのメッセージ① イントロダクション~学会報告

2021年11月 1日 (月) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
前回のブログ登場は4月でしたから、約半年ぶりですね。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
 
今回も私の研究室に所属している4年生に、大学での思い出や就職活動体験などを記事にしてもらいました。
明日から連日、記事を公開していきたいと思います。
在学生や、これから工科大を目指す皆さんに向けた彼らからのメッセージを是非楽しみにしていてください。
 
連載第1回のこのブログでは、先月行われた日本マーケティング学会カンファレンスでの、森川研の学生たちの発表について報告したいと思います。
日本マーケティング学会は、マーケティングの知の探究と創発を目指し、2012年8月に設立された組織で、約2,000名の会員を抱えています。
うち63%は実務家という、実務に根差した学会でもあります。
カンファレンスは1年に1度、秋に開かれます。
コロナ前は対面実施でしたが、昨年、今年と、オンラインでの開催となりました。
森川研からは、2019年に1名、2020年に2名がポスター報告を行いました。
そして今年は、何と3名の学部生と1名の大学院生計4名の研究が学会に採択され、ポスター報告の機会を得ることができました。
発表タイトルは以下のとおりです。
 
・「映画におけるクチコミ重視者の性格特性」4年 大橋桃葉さん
・「効果的な日本のアニメ映画予告編の提案」4年 奥山楓さん
・「健康志向な現代における消費者の菓子購買行動 ― 間食選択動機尺度の再検討 ―」4年 小椋湖さん
・「コロナ禍におけるレストラン顧客の利用意図形成要因とニューノーマルの提案」 M1 安田滉規さん
 
カンファレンスでは、まずZoomの会場で、1報告1分でポスター内容のプレゼンを行いました。
終了後、すぐにポスターセッション会場に移動し、チャット形式で質疑応答をしたり、Zoomを使って参加者と直接会話を交わしたりしました。
4名の発表はどれも参加者の皆さんの目に留まり、温かい感想や質問など、さまざまなコメントをいただけました。
特に実務家の方からの鋭いご指摘は、学生の皆にとってとても勉強になったようです。
 
カンファレンスというと、ハードルが高くて緊張する、という人も多いと思いますが、実はそういうものではありません。
カンファレンスはイベントです。研究者たちのお祭りなのです。
普段は出会えない人に出会えて自分の研究を見てもらえる刺激的な場ですし、他の人の研究からさまざまなヒントをもらえるインスピレーション溢れる場でもあります。
ただしその分、しっかりと自分の研究と向き合い、全力で取り組んでいなくてはいけません。
まともに研究をしていない人にとっては、単に緊張するだけの場所です。
真剣に取り組んでいればいるほど、カンファレンスは楽しい場所になります。
 
今回参加した学生の一人は、発表が終わった後こう言いました。
「いろんな方面の方々からご感想をいただけて、研究へのモチベーションも上がりました!」
今後、より熱心に研究を進めてくれることと思います。
皆さんも良い研究をして、是非カンファレンスに参加してみてくださいね。
 
それでは明日から、また一週間お付き合いください。
よろしくお願いします!
 
(メディア学部 森川 美幸)

 

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