「語り」の音声データ(その2)
2021年12月 6日 (月) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の大淵です。
人が言葉を発する状況は様々ですが、私の研究室では、同じ技術コースの榎本研究室と共同で、「語り」というスタイルの音声について研究を進めています。「嬉しかったこと」「悲しかったこと」など、過去の具体的な出来事を思い浮かべてもらい、それについて詳しく語るというのが「語り」です。英語ではStorytellingといいます。気持ちを伝える手段として、あるいは自分の感情を整理する手段として、「語り」が有効であることがいろんな研究で示されています。
我々の研究室は音声分析が得意なので、この「語り」の音声データを集めて、様々な分析をすることにしました。まず最初にたくさんのデータを集めるところも、立派な研究テーマです。さらに集めたデータの解析にも着手しています。このあたりについては、準備的な段階で一度このブログにも書きましたが、ある程度きちんと結果がまとまったので、Oriental COCOSDA 2021という国際会議で発表することにしました。この学会は、音声データの収集と評価に特化した学会で、オリエンタルと付いていることからもわかるように、アジア系の様々な言語の研究者が集まる学会です。コロナ禍が無ければシンガポールに行っての発表のはずでしたが、最近の例に漏れずオンライン開催となりました。
今回の発表で面白かったのは、発表者一人当たり15分の持ち時間のうち、10分が事前に収録した動画の再生に充てられ、残り5分で質疑応答が行われたということです。発表部分については十分な練習ができ、なおかつ発表者と聴衆のインタラクティブ性も保たれ、なかなか良いやり方だなと思いました。
発表者の大石さんは大学院の修士2年生で、これから来年の2月に向けて修士論文の執筆を進めていきます。学会での経験も活かして、良い論文を書いてくれると期待しています。
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