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シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その36前編

2021年12月20日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。
今回も「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介します。
前編とのなるこの記事は、あらすじのまとめが中心です。後編ではその内容をもとに注目すべきポイントを述べますので、そちらも読んでいただけると嬉しいです。
取り上げる映画は次のタイトルです。
『ターミナル(2004)』
<監督>
スティーヴン・スピルバーグ
<脚本>
サーシャ・ガヴァシ
ジェフ・ナサンソン
<あらすじ>
クラコウジア国から、片言の英語しか話せないまま空港に降り立った男、ビクター・ナボルスキーは到着早々、入国取締主任のフランク・ディクソンによって拘束され、ディクソンの部屋でその理由を説明される。その内容は、ビクターが渡航中にクラコウジア国でクーデターが勃発し、ビクターのビザは無効、アメリカ政府はクラウジア人の入国を認めず、クラウジア国への帰還も不可能になっている、というものだった。通訳もおらず、一方的に説明をうけたビクターは事態をまったく理解できなかったが、テレビに写った母国の戦争状態を知り、空港内から出られなくなったことは自覚できた。ビクターはやむをえず、改装待ちのゲートロビーを見つけ寝床をつくり、空港内での生活を始めた。
ビクターが空港内で生活していると真っ先に気づいた清掃員のグプタ、入国制度を理解せず毎日訪れるうちに顔見知りになった受付のドロレス、そのドロレスに惚れ込んでいる職員食配達員エンリケなど、次第にビクターは知り合いを増やしていく。さらに荷物移送用のカートを指定の返却場所に戻せば25セント戻ることに気づいたビクターは、放置されたカートをかき集めて日々の生活費を得て食いつないでいき、さらには売店の本屋で購入した本で英語を上達させていった。
これに驚いたのは入国取締のディクソンで、ビクターが空港に居座るとは思っても居なかったため、なんとか空港の責任とならないよう追い出そうと画策する。ディクソンは警備員を手薄にして空港からビクターが出ていくよう誘ったが失敗。生活費を断つべくカート回収を妨害したが、エンリケにドロレスとの仲を取り持ったお礼で食事にありついたビクターは食いつないで失敗。業を煮やしたディクソンはビクターに亡命申請をさせて移民局送りにしようとするが、ビクターに「亡命したいわけではない」ときっぱり断られて失敗。どれもうまくいかなかった。
そんなおり、ビクターは既婚者の不倫相手に振り回されて、泣き崩れていた女性アメリアと知り合う。見かねたビクターがハンカチを差し出したことがきっかけだったが、彼女はファーストクラス担当のキャビンアテンダントだった。意気投合した二人だったが、食事代を支払えないことはもちろん、空港から出られないビクターはアメリアからの食事の誘いを断るしかなかった。次に会ったときには空港内での食事に誘うべく仕事を探すビクターは、たまたま改装中のゲートロビーを(勝手に)補修しているところを勘違いされて建設作業員にスカウトされ、一転して高給取りになった。
もはや放っておけないと判断したディクソンによってビクターは拘束されるが、空港内で騒ぎを起こして立てこもった男との交渉ができる通訳がビクターしかいなかったことから、協力を要請されて開放される。おりしもディクソンは昇進の査察官を招いていたタイミングで、スムーズな解決を図ろうとしたのだが、ビクターが機転をきかせて穏便に事を収めたことで、銃すら向けさせていたディクソンは評価を落とし、逆にビクターは空港内のスタッフから英雄と評されるようになった。
ビクターはすっかり協力者となった、空港内の友人たちの協力を得ると、帰国してきたアメリアを食事に誘う。しかしその後ビクターとアメリアの関係に気づいていたディクソンは、事前に彼女を呼び出すと、ビクターの正体や素性をバラし、自分に協力するようせまっていた。不信感募るアメリアとの再会を果たしたビクターは全てを話し、自身がアメリカに来た本当の理由も話す。それは亡き父の悲願である、ジャズ演奏者のサインを得ることであり、そのために今まで空港で生き延びてきたのだった。
翌日。すでにビクターが空港で過ごしてから数ヶ月がたっていたこともあり、事態は急変。クラコウジア国内の戦争は終結を迎えた。するとアメリアは早速ビクターに1日だけの入国ビザを届けにやってきた。それでニューヨークにいるジャズ奏者の元へいくようすすめるアメリアだったが、そのビザ入手については、アメリアが不倫相手の元に戻ることによって成し遂げられたもので、ビクターは複雑な思いでビザを受け取り、彼女を見送ることになった。
いざ空港を出ようとするビクターに対し、ディクソンは空港内の友人たちを別件で罰して捕まえるぞ、と脅しをかけてきたが、最も長い付き合いとなったグプタが自ら捕まったことで、ディクソンの脅迫は明るみとなり、空港内のスタッフから不興を買い、一転してビクターは空港内のスタッフから協力を得て送り出された。
空港を出たビクターは、念願のサインを得ると、ようやく帰国の途についたのだった。
・・・次回は、この作品でシナリオライターとしてどこに注目すべきか、について述べていきます。どうぞお楽しみに。

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