コロナ禍2年目となった大学の授業(講義篇/ハイフレックス授業)
2021年12月14日 (火) 投稿者: メディア社会コース
今期の1年次向け講義科目「音楽産業入門」は昨年同様に約170名が受講しており、ハイフレックス(対面授業を同時配信する方法)で行っています。昨年は、研究室に配信システムを設置して、大教室の大きなスクリーンでライブビューイングする方法で実施しました。大教室には技術スタッフの方が1名いらっしゃるので、映像や音響のチェックを一緒にしながら進めることができました。感染状況を心配する学生も多く、1割程度の学生が教室から受講し、9割の学生が遠隔で受講しました。
今年は全く様子が異なります。大学の方針が対面に変わりましたので、9割強が対面で受講し、体調に不安がある学生など1割弱が遠隔で受講しています。
教室からハイフレックスで、しかも私一人のオペレーションでどのように実施するか悩みましたが、大きなトラブルもなく実施できています。どんなシステムなのかご紹介します。
写真:ハイフレックスで実施している講義科目「音楽産業入門」の様子
今年は研究室のある研究棟Cから一番離れた片柳研究所棟で授業を実施するため、機材を最小限にする必要があります。しかし、昨年の遠隔授業により授業の進め方を大きく変えて、学生からの評判がとても良かった点については維持したいというこだわりがあります。
<こだわりポイント>
・Zoomにゲスト参加している人の画面がどのように見えているのか確認したい
・私が話している事をリアルタイムに字幕変換したい
・学生全員とチャットでやりとりしたい
・最後の15分くらいを使ってゲスト(Zoom参加)と話したい
写真:ハイフレックス授業のシステム
仕組みとしては、上の写真のようにノートパソコン1台、iPad mini 1台、スマホ1台、そして新たに購入したiPadとスマホを設置するスタンドとなっています。とてもシンプルですが、昨年確立した授業方法を維持することができています。
ノートパソコンのカメラを使うと下から見上げている画像になってしまうので、少し高い位置にある配信チェック用のiPad miniのカメラをオンにしています。マイクはノートパソコンに接続したイヤフォンマイクを使います。HDMI接続して教室のスクリーンに投影されており、音も一緒にスピーカから出力されるため、イヤフォンの音を聞く必要はありません。
動画を再生する際に、教室とZoomの両方に音が流れているかの確認が難しいので、教室にいるSAに確認してもらいながら進めています。昨年もそうでしたが、映像はすぐに確認が出来るのですが、やはり音の確認が少しやっかいだなと感じます。
明日は、リアルタイム字幕の方法について解説します。
メディア学部 吉岡 英樹
略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。
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