先端メディアゼミナールの学生さんの研究発表その3: 研究内容
2021年12月30日 (木) 投稿者: メディア技術コース
文責:榎本
橋本さんの発表が時間通りに始まります。あんなに来なかったのが嘘のように、冷静に発表しています。
私の居室に来てもらったので、発表の様子を後ろで聞いているという状態です。発表はとても素晴らしく、落ち着いた口調なのに着々と話すべきことを話しています。さて、少しだけその発表の内容をご紹介しましょう。
みなさんも大勢で話しているとき(例えば飲み会とか)、会話のグループがいくつかに分かれることがありますよね。これを専門用語で「分裂」と言います。
橋本さんが着目したのは、何きっかけで分裂が起こるのか?そして何きっかけでもとに戻るのかです。後者については全く研究がないので、完全なオリジナルです。「統合」と名付けます。
分裂の事例を分析していくと、その共通点として、分裂を引き起こす人(S)がある聞き手(H)を違うグループに巻き込むために、Hに質問して答える義務を生じさせる、今の質問はあなた(H)に向けたものですよというのを視線や身体の向きで明示する、という2点がありました。つまり、確実に分裂につきあってくれるようSが発話をデザインしているということです。
統合の事例の共通点としては、何か分裂中に話していたことが終わって新たな会話の流れができるときに生じるという点がありました。
つまりは、分裂も統合もそれを開始する話し手が、分裂したり統合したりするように発話をデザインしているのだ、ということが言えます。
まだ2年生とは思えない、オリジナリティ溢れる、そして研究分野に新たな知見を打ち立てる内容でした。
オーディエンスの先生方からもたくさんお褒めの言葉をいただきました。
発表風景は以下です。
先端メディアという授業は1年生や2年生のうちに、その先生の専門の研究を始めるという制度です。卒研(4年生)から始めると残り1年しかないわけですが、先端で1年後期から始めると残り3年半とかあるわけです。是非、みなさんも先端の授業が受けれるように頑張ってくださいね。
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