初音ミクのネギとインターネットミームの話
2021年12月12日 (日) 投稿者: メディア技術コース
助教の戀津です。
本日はニコニコ動画がオープンから15周年ということで、色んな所で話題を見かけます。
オープン当時私は大学生で、2007年の初音ミク発売以降の盛り上がりをよく覚えています。
当時ハマった地球防衛軍3が最近Nintendo Switch向けに出たので、当時を懐かしみながら楽しんでいます。
しばらく追いかけられていないので最近の印象はわからないのですが、初音ミクと言えばネギを持っている姿が多く描かれていますね。
発端としてはこちらの動画ですね。初音ミクの発売が2007年の8月31日でこの動画の投稿が9月4日なので、最初期の投稿作です。
この動画が非常に多く再生され、ネギのイメージがついたという様子ですね。
なぜこの動画でネギを持っているかというと、歌われているIevan Polkkaという曲のイメージが引き継がれたためです。
この曲に合わせ、BLEACHの井上織姫というキャラがネギを振り回している動画が海外で流行しており、それに合わせてこの動画でもネギを持たせた形です。
ここで面白いのは、そもそも元の曲にはネギのイメージはもちろんありませんし、井上織姫にも別にネギのイメージはない点です。
ただアニメのある回のある一瞬の動きを切り取ったものが流行した結果、後から曲にイメージがつき、それを引用した動画が流行した結果初音ミク自身にネギのイメージが引き継がれました。
この流れが全て公式あるいは版権元とは無関係に、ネットユーザーによるn次創作の形で形成されています。(後に公式側もこのイメージを使用していたりもするようですが)
このようにインターネット上で文化やイメージが発生し、それが引き継がれていく様子をインターネット・ミームと言います。
文化が遺伝子を持つように変化しながら人から人へ伝播していく様子を指す言葉としてミームがあり、それのインターネット版というわけですね。
ミクといえばネギというイメージは、まさにこのインターネットミームが実感できるわかりやすい例ですね。
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