学生にお勧めする本展(工科大図書館)
2021年12月28日 (火) 投稿者: メディア技術コース
文責:榎本
2021年12月20日より、工科大図書館で「学生にお勧めする本展」を開催中します。(2022年1月31日まで)
https://www.teu.ac.jp/lib/4259/osusumehon_2021.html
その中で、私がお勧めしているのは以下の5点です。
No. | 書名 | 著者名 | 出版社 | ISBN | 定価 |
1 | 会話分析基本論文集 | 西坂仰 訳 | 世界思想社 | 978-4-7907-1501-6
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書評 | 会話分析の創設者Sacksらの難解な英語論文の翻訳集 | ||||
2 | 講座日本語コーパス 3 話し言葉コーパス 設計と構築 | 小磯花絵 編 | 朝倉書店 | 978-4-254-51603-6
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書評 | 日本語話し言葉コーパス(CSJ)の集大成 | ||||
3 | 基礎からわかる会話コミュニケーションの分析法 | 高梨克也 | ナカニシヤ書店 | 978-4-7795-1073-1
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書評 | 会話研究を始めるための初歩を網羅的に紹介 | ||||
4 | 発話の権限 | 定延利之 編 | ひつじ書房 | 978-4-89476-983-0 | |
書評 | 言語学者の大御所である定延氏が編著している最新刊 | ||||
5 | 新敬語「マジヤバイっす」社会言語学の視点から | 中村桃子 | 白澤社 | 978-4-7684-7979-7
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書評 | 言語学者の観点から、若者言葉「マジヤバイっす」に含まれる親密さと丁寧さの共存を解説した書籍。自分たちの利用する言葉の意味を改めて考える機会になる |
私が選書して、図書館が購入してくれるというシステムです。ですので、皆さんは図書館に行けば借りられます。
今回、特に強調したいのは1版の「会話分析基本論文集」です。社会学の一派である会話分析という分野があるのですが、その創始者であるSacks, Jefferson, Schegloff という3人が共著で書いた、伝説的な論文2本の日本語訳が収録されています。翻訳したのは、日本の会話分析の大家である西阪仰先生(千葉大)です。発刊は2010年で、これが売り出された当初、大学院生であった私は狂喜して本屋に走りました。なぜかというと、Sacksたちの英語が高尚すぎて難解すぎて、読むのに膨大な時間を要していたからです。さらに、日本語の論文に引用するのに、訳そうとするとさらなる甚大な時間がかかっていました。それが、西坂先生の訳で読めて引用できるわけです。
ちなみに、収録されているのは以下の2本です。
Harvey H. Sacks, Emanuel A. Schegloff and Gail Jefferson(1974). `A simplest systematics for the organization of turn-taking for conversation(会話のための順番交替ー最も単純な体系的記述).' Language, 50(4), 696-735.
Emanuel A. Schegloff, Gail Jefferson and HarveySacks(1977). `The preference for self-correction in the organization of repair in conversation(会話における修復の装置ー自己訂正の優先性).' Language, 53(2), 361-382.
この書籍の定価は2,530円です。
https://sekaishisosha.jp/book/b353891.html
で、図書館で購入してもらおうとしたところ、情報サービス課(図書館)の千手さんという方から連絡がありまして、「絶版」(売り切れ)で購入できませんと。Amazonで調べたところ、
https://www.amazon.co.jp/%E4%BC%9A%E8%A9%B1%E5%88%86%E6%9E%90%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E8%AB%96%E9%9B%86%E2%80%95%E9%A0%86%E7%95%AA%E4%BA%A4%E6%9B%BF%E3%81%A8%E4%BF%AE%E5%BE%A9%E3%81%AE%E7%B5%84%E7%B9%94-%E4%B8%96%E7%95%8C%E6%80%9D%E6%83%B3%E3%82%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%AB-H-%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/dp/4790715019/ref=sr_1_13?qid=1639713853&s=books&sr=1-13
中古で、最安値で24,650円、高値だと81,331円のプレ値がついてます。
これは買えないとのこと、では諦めましょうという話になりました。
ところが数日後また千手さんから連絡が来て、「実は所蔵しておりました」と。
なぬ〜!
「展示いたします」と。
うちの研究室ではよく卒研生に引用してもらっていて、絶版前に図書館で買ってもらっていたんですね。
ということでね、工科大の皆さん、
「学生にお勧めする本展」是非見に行ってください。
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