「考えた」が出てこない卒業論文
2022年1月20日 (木) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の大淵です。
昨日の記事で寺澤先生も書かれていたように、卒業論文の執筆では、「何を書くか(研究内容)」に加えて、「どう書くか(文章力)」も重要です。1年前の記事で、私の研究室では「私」という言葉を使わないようにしたという話を書きましたが、その後もいろいろと考えて、今年はNGワードをもう一つ増やしました。「考えた」です。
論文で何かを主張する際には、理由を付けて説明するのが基本です。「〇〇という理由により××である」みたいな感じですね。「誰それの論文によると××である」のように、他の人の研究をベースに主張しても構いません。でも、理由のところをちゃんと考えていないと、いざ文章にしようというときに、「××である」としか書けなくなってしまいます。とはいえ、理由もなしに断言するのはさすがにまずい思うのか、そういうときに「××と考えた」という書き方をする人が多いような気がします。確かに、考えたのが事実なら文として間違ってはいないのでしょうが、これでは話が論理的に進みません。そこで今年の卒研生には、「考えた」を使わずに卒業論文を書くようにという縛りを付けてみました。いきなりそんなことを言われて、これまで「考えた」を多用するのに慣れていた人は大変だったかもしれませんが、完成した論文を見ると、けっこう効果があったのではないかと思います。
さてさて、NGワードをこれ以上増やすのも大変だし、来年は何か違う文章トレーニング方法を考えなくては…。
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