« 過去の道具かと思っていたら今も愛用されているようですね | トップページ | 初のハイブリット開催となったSIGGRAPH ASIA2021で卒業生が登壇した特別企画 »

「音楽創作論」での作曲 〜今回は難易度高し〜

2022年1月12日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の伊藤(謙)です。

「音楽創作論」では毎年、通常の講義と並行して学生たちに短いフレーズを作ってもらい、それに基づいて私が作曲するイベントを行っています。このイベントの詳細は下記のブログ記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

 ■「音楽創作論」で作曲しました[2020.01.27]
 ■「音楽創作論」での作曲[2020.12.31]
 ■「音楽創作論」での作曲(その2):曲が完成しました![2021.02.10]

今回は「ミ」の音から始まる「部分動機(1小節)」の作成を課題とし、学生諸君に取り組んでもらいました。その中から投票で選ばれた部分動機をもとに、今度は2小節目のフレーズを考えてもらって「動機(2小節)」を作り、これを作曲のアイデアとして私が曲に仕上げます。作業の一連の流れは以下の通りです。

 【1】「ミ」の音から始まるフレーズを募集:学生による「部分動機」の作成
    (楽譜作成ソフトMuseScoreを使用)[第8回授業(11/26]
 【2】「部分動機」(96名)の掲示と投票(82名)[第9回授業(12/3)]
 【3】選ばれた「部分動機」の発表/
    その「部分動機(a)」につながる2小節目の「部分動機(a')」の作成
    (=「動機」の完成)[第10回授業(12/10)]
 【4】「動機」(86名)の掲示と投票(81名)[第11回授業(12/17)]
 【5】選ばれた「動機」の発表[第12回授業(12/24)]
 【6】選ばれた「動機」への和声づけ案の発表[第13回授業(1/7)]
 【7】完成した曲のお披露目/曲名の募集[第14回授業(1/14)]
 【8】完成した曲のデータの編集(強弱表現、アーティキュレーションなど)/
    決定した曲名を記載した楽譜の公開[春休み中]

この記事を書いている今(1月9日)、【7】のお披露目に向けて目下作曲中なのですが、今年の「動機」はとても難しい! 理由は「リズムが細かい(32分音符を含む)こと」と、音の並びが必ずしも「特定の和音や一般的な和音進行を想定したものでないこと」にあります。その動機はいかなるものか? 楽譜と音源でちょっと紹介しましょう。
2021_20220109234401





いかがでしょうか? どちらの小節のフレーズも32分音符を含む細かいリズムですが、特に1小節目はタイによるシンコペーションを含み、3拍目から拍が取りづらくなります。また、2小節目はその音の動きから、合いそうな和音を想起しづらいでしょう。

この動機にどうにか和音をつけましたが、その後の曲の展開がなかなかうまくいかず、作曲は遅々として進みません…。私がこの授業を担当してから最も難しい「お題」となりました。現在、仕上がりは7割程度にとどまっています。果たして5日後の授業までに完成するのか???

その結果は、次回お伝えしましょう。


(メディア学部 伊藤謙一郎)

コンテンツ」カテゴリの記事

授業紹介」カテゴリの記事

« 過去の道具かと思っていたら今も愛用されているようですね | トップページ | 初のハイブリット開催となったSIGGRAPH ASIA2021で卒業生が登壇した特別企画 »