食とか数とか (6)
2022年1月29日 (土) 投稿者: メディア社会コース
栄養成分表示される三大栄養素のひとつ、炭水化物はおおまかに糖質と食物繊維に分けられます。それぞれはもちろんさらに細かく分けられます。
データベース上は、糖質は消化される炭水化物なので、利用可能炭水化物とよばれるものあるいはその一部です。
一方、食物繊維は消化されないので、利用可能でない炭水化物とよばれますが、体内の善玉菌の栄養になるとされているのは良く知られています。
研究機関でなければ、糖質などの成分の量を直接、測定するのは難しかったので、データベースから推定してよいことは、すでに述べました。炭水化物の量から食物繊維の量を引き算することで、糖質の量を算出できます。このことを知っていれば、表示されていなくても、糖質の量を知ることができます。
糖質の量を直接、測定するのは難しいと言うと、糖度計というものがあるのでは、と思うかもしれません。
実は、以前から使われている屈折計といわれる糖度計で測定されるのは、糖質そのものではありません。
このタイプの糖度計では、果汁などの液体に溶け込んだ成分の濃度を測定しています。あくまで溶け込んだ成分なので必ずしも糖質ではないのです。同じ屈折計で塩分を測ることができるのがその証拠です。
最近、使われるようになった、分光分析計というタイプの糖度計では、赤外線をあてて、吸収された波長を分析することで、糖質の量を測定できるようです。
この分光分析では、糖度計より規模の大きい装置を利用して、さらに細かく分析することで、糖質に限らず、炭水化物やその成分の種類や量を測定できます。この分析には、解析学などの数学の方法が用いられています。
(メディア学部 小林克正)
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