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卒研 Smart-IM:学生の研究(5)

2022年2月19日 (土) 投稿者: メディア社会コース

前身のIMPも含め、卒研Smart-IMでは聴覚障がい児の支援にも力を注いできています。今回紹介する研究は、聴覚障がいである学生が自身の幼少期の経験をもとに、ろう児(聴覚障がい児)向けの国語力・語彙力を身に付けるeラーニング教材を開発したというものです。

皆さんは、ろう児に対する“9歳の壁”という概念をご存じでしょうか? 言語の土台は5歳までに醸成されると言われていて、思考力の習得を併せると、9歳が言語習得の一つの目安とされているという考え方です。そこで、この研究では、ろう学校の小低部13年生の児童を主たる学習支援の対象に据え、9歳の壁を念頭に書き言葉のスキル向上をねらいとする独習可能なタブレット教材の設計・開発を目指すことにしました。

教材は3つのコース「『えにっき』ってなに?」「今日はなんの日?」「日本語をお勉強しよう!」で構成されています。ここでは、最後のコースの中にある“オノマトペ”の単元について簡単に紹介します。オノマトペとは、擬音語や擬態語の総称ですが、ろう児にとって経験のない音の響きなので、文章中で出てきてもなかなか理解しづらいものです。そこで、絵本形式をとり、シーンを見ながら擬音語や擬態語を想像して学べるよう設計しました(下図参照)。この教材は、実際に都立大塚ろう学校の授業で使用したのですが、子どもたちに一番人気があったのがこのオノマトペでした。

Onomatopoeia

 

文責: メディア学部 松永

2022.02.18

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