2021年度シナリオアナリシスを終えて
2022年2月25日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース
みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です.
少し前の話になりますが,2021年度のプロジェクト演習シナリオアナリシスも無事終わり,受講生のみなさんから最終課題も受け取りました.
今年度,というよりも昨年度くらいからですが,シナリオアナリシスちょっと状況がそれまでと変わってきています.それは履修人数についてです.
シナリオアナリシスは,私が助教になった4年前よりももっと前から開講しています.正式な担当になったのは助教になってからですが,それ以前も非常勤として携わっていましたので,かれこれ10数年続いています.
毎回の授業に参加している学生数・受講生数は毎年さほどかわらないのですが,ここ数年は履修登録をして受講する履修生の割合が増大しています.今年度は受講生の大半が履修生でした.
シナリオアナリスで取り扱っているシナリオの執筆やストーリーのまとめかた,その構造や工夫の調査・分析は,メディア学部の,特にコンテンツコースにいる学生にとっては,ほとんどの方に興味があったり,直接の興味ではなくても,業界に進むにあたって関わりのある,是非知っておいてほしい内容だと思っています.
一方,プロジェクト演習は通常,同時に1つしか履修できません.なので,今まではゲームや映像など,専門的な演習を履修しつつシナリオも聴講する,メインとしている演習で必要になったから聴講しにくる,という学生がかなりの割合をしめていました.
こういった需要も考慮して,シナリオアナリシスは基本的にどの学年,どの学期からでもはじめられるし,履修ではなく聴講も含めて受けたい人は広く受け入れる方針でやっています.
しかし,先ほども書いたように,ここ最近はシナリオアナリスを履修登録する学生も増えています.この流れを受けて,(仕組み上シナリオアナリシスは半年ずつの履修登録ですが)1年かけてしっかり1つの作品を書き上げたい学生にも対応できるよう,課題の形を少しずつ変えたりしています.また,メディア学部も日々色々なところが時勢や需要に合わせて変わっていっていますので,シナリオアナリシスもまた大きく変えていこうと,現在画策中です.是非お楽しみに!
その一方で今年度は,履修者が増えた=嬉しいことに,シナリオをやるぞ!と意気込んで参加してくれる学生が増えたことで,有り体に言えば時間をかけてしっかり取り組む学生とそうでない学生の成長の格差が大きく出た年だったなぁとも感じています.
授業の中でもよく話すのですが,物語を考えて他人に伝わるようにまとめるということは,想像以上に大変です.プロの方々も皆血反吐を吐きながら取り組んでいます.
特にシナリオアナリシスではシナリオを映像コンテンツの設計図・仕様書と捉えていますので,極端な話,おもしろいかどうかは二の次です.まずは,他人に伝わり,説得できるものになっているのか,を重視しています.
みなさんが頭の中で考えた妄想を,他人(制作スタッフやお客さん,スポンサーなど)に伝えなければならないのですから,どんなにアイディアが面白くても伝わらなくてはダメなのです.
そこで大事なのが,どんなものでも他人に曝け出して意見を聞く,ということです.ですので,シナリオの授業ではありますが,シナリオアナリシスでは授業時間の大半をプレゼンやディスカッションに使っています.
人前で話すこと自体も苦手なのに,妄想したことを話さなきゃいけないなんてはずかしい!と思う方もいると思いますが,もし物語をちゃんとまとめたいと思うのであれば避けてはとおれないものです.
とりあえずシナリオに関する話だけでも聞いておきたい・・・ということで聴講していただいても構わないのですが,是非勇気をもって一歩踏み出してみてください.きっと,いままで妄想していただけだったことが,ちゃんと形になるきっかけになると思います.
何を隠そう,私自身も(今とは授業名が違いますが)学生時代に工科大のシナリオの授業を受けるなかで,初めて妄想がちゃんと1本のシナリオにまとまった!という経験をした1人です.
(文責:兼松祥央)
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