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正しく失敗する

2022年2月10日 (木) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

先週はメディア学部4年生の卒業研究最終発表が行われましたが、2月11日は大学院メディアサイエンス専攻の最終発表です。

学部生と大学院生を比べるとき、私はよく「卒業論文では努力が評価され、修士論文では方法が評価される」と言います(ちなみに博士論文では「成果」が評価されます)。方法が評価されるというのは、成果は必ずしも修了のための必要条件では無いということです。言い換えると、「科学的に正しい手順で研究した結果、何も新しいことは見つからなかった」というのは、修士課程の成果としては十分合格に値します。

たとえば、宝探しをする状況を想像してください。みんなが自分勝手に好きなところを探して、その中の誰かがたまたま宝物を見つけたとしても、所詮それは運が良かっただけです。次に同じことをやってもうまくいくかどうかわかりません。でも、捜索範囲を区分けして、各自が自分に割り当てられた範囲をくまなく捜索したとしたらどうでしょう。ここには無かった、ここにも無かったという具合に範囲を狭めていけば、宝物が見つかる可能性はどんどん高まります。そして、このやり方で宝物を見つけたとき、褒められるべきは見つけた人だけではありません。自分の範囲を正しく捜索した全員が、発見に貢献していると言えます。

世界の誰も知らない新事実を発見したいという意味で、研究も宝探しと同じです。そして、正しい手順で失敗した人は、間違いなく世界に貢献しています。

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