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シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その37前編

2022年2月 5日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。
今回も「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介します。
前編となるこの記事は、あらすじのまとめが中心です。
後編ではその内容をもとに注目すべきポイントを述べますので、そちらも読んでいただけると嬉しいです。
取り上げる映画は次のタイトルです。
『梟の城(1999)』
<監督>
篠田正浩
<脚本>
篠田正浩
成瀬活雄
<あらすじ>
織田信長に危険視された伊賀の里を、家族もろとも滅ぼされた伊賀の忍者・重蔵は激しい恨みを抱くことになったが、身を隠すこと10年の間に、時代は信長から秀吉の天下へと移り変わっていた。
そんな重蔵の元に「秀吉暗殺」の依頼が舞い込んでくる。秀吉の朝鮮出兵にかこつけた、堺の商人・今井宗久の依頼だった。もはや信長はこの世になく、依頼を引き受けるか迷う重蔵だったが、かつての伊賀の仲間や師匠たちの懇願もあってこの依頼を引き受け、京都へと向かった。
今井宗久の養女にして連絡役の小萩から最初に告げられた命は「秀吉のいる館に忍び込み、屋根の上にくること」。あきらかに腕試しだった。
なんなく指定の場所にたどり着いた重蔵を待っていたのは、小萩ではなく最近京都で名を上げ始めた元・伊賀忍者の五平だった。五平は信長の跡を継いだ秀吉に従う裏切り者とされていた。重蔵は説得して仲間に引き戻そうとするが、五平の意思は固く次は敵同士になることを告げて去っていった。
とうとう秀吉が朝鮮出兵を決行した矢先のこと、秀吉には待望の跡継ぎが生まれることも判明。これによって情勢は変わり、今井宗久の影で暗躍していた家康の方針によって、秀吉暗殺計画は取りやめとなる。計画発覚を危惧した家康によって宗久は口封じのために殺され、重蔵もまた身を隠すことになった。
義父を失い後ろ盾を失った小萩が重蔵の元を頼っていくと、その足取りは尾行されており、重蔵は危機に陥るものもこれを撃退。その後も狙われることになった重蔵だが、追手の届かぬところまで逃げよう、という小萩の提案を断り、逆に再び秀吉の暗殺を決意する。
五平によって厳しい監視の敷かれた京都に再び舞い戻った重蔵は、たくみに監視をかわして秀吉の城に忍び込み、あっというまに秀吉のいる寝室までたどり着き、その寝首に刃を突きつけた。
これに対する秀吉の「自分を殺したところで、また誰かが自分のような存在を望みすげ替えるのみ。わしというものが本当の誰だかわからない」という言葉に、忍者として都合よく利用され続けてきた自分を重ねた重蔵は、秀吉の命を取らず、秀吉の顔面を殴り飛ばして憂さ晴らしをすると、その場から退散した。
その後まもなく秀吉は病によって没し、追われることもなくなった重蔵は、再会した小萩とふたり山奥で平穏に暮らしたのだった
・・・次回は、この作品でシナリオライターとしてどこに注目すべきか、について述べていきます。どうぞお楽しみに。

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