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シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その38前編

2022年3月19日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介します。

前編となるこの記事は、あらすじのまとめが中心です。

後編ではその内容をもとに注目すべきポイントを述べますので、そちらも読んでいただけると嬉しいです。

取り上げる映画は次のタイトルです。

『フック(1991)』

○監督
スティーブン・スピルバーグ

○脚本
ジム・V・ハート
マライア・スコッチ・マルモ

○あらすじ

ピーター・バニングは、妻モイラと二人の子供ジャックとマギーをもつ、敏腕の弁護士であるが、あまりに仕事熱心すぎて、家庭を顧みないところがあった。

モイラの母、ウエンディと10年ぶりに再会することになり、一家でロンドンへ向かったものの、片時も携帯電話を手放さず、仕事の連絡を取り続けるピーターの姿には、ウエンディも呆れるしかなかった。

そんな矢先、ウエンディを連れ立ってピーターはパーティへ参加。巧みにスピーチを終えて、ウエンディの家に戻ったが、留守番していたはずのジャックとマギーの姿が無い。残されていたのは「フック船長」を名乗る者が子供たちを連れ去ったメッセージだけだった。

この状況に対してウエンディは、ピーターが、かつて「ピーターパン」だったことを告げ、その因縁ゆえにフック船長から狙われたに違いない、と話すも、当のピーターにその記憶はまるでなく、困惑する。

しかし、その晩、ピーターのもとに妖精ティンカーベルが姿を現し、強引にピーターはネバーランドへ連れて行かれることになった。

ピーターは、ジャックとマギーを取り戻すべくフック船長のもとへ向かったが、空を飛ぶこともできない単なる中年男のピーターを見たフックは失望。子供たちもろとも殺してしまおうとする。

しかし、間一髪ティンカーベルの交渉により、子供たちを人質に、3日後にかつての力を取り戻したピーターパンとの決闘実現を約束して事なきを得た。

ピーターはティンカーベルによって、かつてピーターパンがリーダーだったロストボーイズたちのアジトへ連れて行かれ、特訓することになったが、やはり当時の姿は見る影もないピーターへの不信感は強く、当たりは厳しかった。

それでもピーターは次第に打ち解け、空は飛べないまでも、少しずつ身のこなしを取り戻し、決闘を有利に運ぶべくフックの鉤爪奪取作戦を決行。催しものに沸き立つフックから鉤爪を奪い取れそうだったものの、我が子ジャックが懐柔されフックを慕う姿にショックを受けて逃亡してしまう。

なんとかフックに打ち勝って子供たちを取り戻したいピーターは、空を飛ぶ力を取り戻すべく高所からの飛び降りに躍起になるも失敗。しかし、それがきっかけで、アジト内の隠し部屋を発見する。

そこには、ピーターが初めてネバーランドへ来たときの品々や、ウエンディたちと過ごした思い出の痕跡が多数残されており、それをきっかけにピーターは、ピーターパンだった頃の記憶と、ジャックたちが生まれて父親になった喜びを思い出すことになり、再びピーターは空を飛ぶことができるようになった。

約束の3日後。ピーターは再びリーダーとしてロストボーイズたちを率いてフックの海賊船へと攻め入った。空を飛ぶ力と、たくみな剣技を取り戻したピーターは、またたく間に海賊たちを打ち倒し、ジャックとマギーを取り返した。

子供たちを取り戻せば、退却するするつもりだったピーターだが、孫の代まで復讐を続ける、というフックを見過ごすことは出来ず、一対一での戦いに応じたピーターはこれに勝利しトドメをさした。

ロストボーイズたちに後のことを託し、子供たちとロンドンへと帰ったピーターは仕事の携帯電話を放り投げ、家族との再会を心から喜ぶのだった。


・・・次回は、この作品でシナリオライターとしてどこに注目すべきか、について述べていきます。どうぞお楽しみに。

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