複数の立場を持つ人物における対人関係整理手法 ~NICOGRAPH2021発表報告4~
2022年3月 6日 (日) 投稿者: メディア技術コース
助教の戀津です。
昨日、一昨日、一昨々日に引き続き、NICOGRAPH2021での発表のご報告です。
今回も、以前から時折紹介している先端メディア学「コンテンツビジュアライゼーション」で一緒に研究を行ってくれた学生さんの発表です。
今回は、昨年度後期から参加していただき、初の対外発表になる西村祐真さんの研究です。
今回のNICOGRAPHではポスター形式での発表を行いました。相関図に関する研究のうち、特殊な条件下での情報整理を検討しています。
物語中の登場人物間の関係を示す資料として、登場人物相関図があります。各登場人物を所属などでまとめ、人物間の関係を矢印と文字で示す図です。
所属組織でまとめようとする場合に問題になるのが、スパイ活動をしているなどで複数の組織に属している場合の描画方法です。
同じ人物を一箇所に描いて所属を複数描く場合、関係を示す矢印がどの立場によるものかによって意味が変わってしまいます。
同じ人物を複数組織にそれぞれ描画すれば上記の問題は解決しますが、同一人物であることをうまく示す必要があります。
この問題に取り組むにあたって、まずは複数の立場を持つ人物の対人関係について整理する手法を検討しました。
※図の内容には名探偵コナンの一部ネタバレを含みます。
作中に潜入捜査をしている人物がいて、それぞれ別名で活動しています。今回はその人物とその交友関係について分析を行いました。
左上部分は各立場(名義)とその色を表しています。右側の四角は、縦に交友関係の深さ、横に敵対関係か友好的かの軸をとり、他の登場人物との関係をプロットしています。
他の各登場人物は、どの立場の人物から見てその関係であるかを示すために、左上で示した色をつけています。複数出てくる人物は立場によってプロット位置が変わることがあります。
先端メディアではまず課題を整理し、これをどのように相関図に適用していくかが今後の課題です。
西村さんも来年度から私の研究室に配属の卒研生になります。これからの展開が楽しみです。
また進展があったらご報告します。
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