3次元空間を用いた物語時系列構成の可視化手法 ~NICOGRAPH2021発表報告3~
2022年3月 5日 (土) 投稿者: メディア技術コース
助教の戀津です。
昨日・一昨日に引き続き、NICOGRAPH2021での発表のご報告です。
今回も、以前から時折紹介している先端メディア学「コンテンツビジュアライゼーション」で一緒に研究を行ってくれた学生さんの発表です。
以前にも発表していただきブログで紹介した、小﨑悠平さんの研究です。
今回のNICOGRAPHではポスター形式での発表を行いました。
前回に引き続き、物語の時系列についてまとめて可視化を試みています。
以前にも書いたように、時系列の移動を伴う作品では、描写された順序と物語中の世界で物事が起きた順序が異なる場合があります。
また、描写順の問題だけでなく実際に時間が戻ったりしている場合は、同じ時間を複数回描写するということも起きます。
前回の発表では描写順と起きた順を描画し、更に時間転移による世界線移動は下方向に展開するという手法を取りました。
今回は同じ時間が複数回描写されるような作品を扱ったので、三次元での描写を試みました。
世界線を超えるような移動の際には奥行き方向に、そうでない移動は下方向に展開しています。
その結果の表示をしてみたのが次の図です。
同じ時間が描写された部分は重複するよう描画したので、作品全体の描写順である一番上の段よりも下段以降が短くなることが確認できました。
作品の分析結果をもとにルールを定め、それに合わせた描画を試みましたが、奥行き方向の変化がわかりにくいなど課題が多く残っています。
小﨑さんは先端メディアの対象学年を終え、来年度から私のゼミに所属する卒研生になります。
これまで二年間物語中の時系列の研究を行ってきましたが、この一年でどのように発展するかこれから楽しみです。
また進展があればご報告します。
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