久しぶりの対面学会(後編)
2022年4月14日 (木) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の渡辺です。今回は、「前編」に引き続き芸術科学会東北支部に参加したときのことを書いていきたいと思います。
[前回のあらすじ]
3/24に八戸で開催される学会に学生3名、教員2名で参加したいと思ったが、3/16の地震で新幹線が不通となった。急いで航空チケットを取得したが、レンタカーなしでは移動できないこととなった。
青森空港
青森空港に到着した我々はレンタカーに乗り込み八戸を目指します。カーナビがなぜか遅めの道を選択してしまうこともあり、2時間くらいかかりましたが無事に到着しました。八戸の中心街には屋台村がありまして、独特の雰囲気を持つ酒場となっているのですが、まだまん延防止等重点措置、いわゆる「まん防」が全面解除となる前の時期であり、八戸は対象外ではあったもののちょっと人出は寂しいものでした。一緒に来た阿部助手や院生達にはこの屋台村のことを期待を込めて話していたので、少し残念なことになってしまいました。次に来るときには賑やかさを取り戻しているといいのですが。
八戸の屋台村を散策する我々
学会発表はつつがなく終わりました。岩手大学や八戸工大の先生方と久しぶりに対面することができました。オンラインでは頻繁にやりとりをしているため、あまり「久しぶり」という感じではなかったのですが、ようやく直接会えるようになったというのはやはり感慨深いものがありました。
学会発表の様子。発表者は院生の我彦君
翌日は帰路につくことになるわけですが、実は帰りの飛行機が夜遅くのものしか取れなかったため、この日は夜まで青森で時間を潰す必要がありました。せっかくレンタカーも借りていることもあり、ここまで来たので下北半島に足を延ばしてみました。青森県の右側の半島で、恐山などが有名ですね。しかし今回は日帰りということもあり、恐山には寄らず、北端である大間を目指すことにしました。
まず大間に行く往路はできるだけ半島の東側(地図でなら右側)を通ることにしました。この往路で印象的だったのは「六ヶ所村」です。原子力発電所で有名な地なのですが、小規模な村や港が続く中で突如先端的な研究所や(多分そこの研究所に勤める人達が住む)最新鋭の戸建て住居が現れたりと、とても異世界感が溢れる地域でした。
大間に到着し、少し本州最北端の海岸を散歩した後、名物であるマグロに舌鼓を打ちました。海岸の写真の海の向こう側の陸地は北海道になります。
本州最北端の大間岬から北海道を眺める我々とカモメ
帰りは半島の西側沿いに行くことにしたのですが、こちらはなかなかの悪路で運転には苦労しました。ちょっと時間的にタイトになってきたことや、一部メンバーが酔い気味になってしまったこともあり、往路に比べると少々緊迫してしまっていたのですが、途中で猿の群とはちあわせたのには驚きました。写真だと5匹くらいしか写ってませんが、30匹くらいはいたんじゃないかと思います。この下北半島の猿は「北限のサル」と言われており、ヒト以外では世界で最も北に生息している野生の霊長類なんだそうです。
「北限のサル」達が我々の車を見てゆっくり逃げる(逃げてない)
カーナビでは結構ギリギリの到着時間を示していたので不安になっていましたが、田舎の方は信号が全然ないのでかなり早めに進むことができ、結果的には青森空港で夕食を取ることができるくらいの余裕がありました。空港は大変な賑わいでした。東北地方の人達にとっては、新幹線という交通手段が使えなくなったわけで、通常ではほとんど見られないほどの人出だったようです。青森を出発したのが21時すぎ、羽田に到着したときには22時を過ぎていました。全員ヘトヘトになりながら帰宅です。
この2年間、従来は会合によってなされてきた学術的な活動が、オンラインでも問題なく実施できるということが、多くの学会の尽力によって示されてきました。これ自体は大変素晴らしいことであり、今後コロナ感染が収まってからもオンラインの学会は是非存続していてもらいたいと思います。しかしながら、それはそれとして実際に会って話す、人前で喋る、ダイレクトの声を聴くというのは、オンラインとは別次元の体験であり、実際の対面学会はやはり親交を深めることができる度合いが違うなと実感できました。もっと多くの、全国や全世界の研究者と会うことができる世界が再びやってくる日を、強く待ち望みます。
メディア学部教授 渡辺大地
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