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2022年5月

【シン・ウルトラマン②】物語は時代を越える(メディア学部 藤崎実)

2022年5月31日 (火) 投稿者: メディア社会コース

前回のコラムでは、私の身の周りの多くの人たちがこの映画を観に行っていることを書きました。

つまり、リアルタイムで「ウルトラQ」や「ウルトラマン」「ウルトラセブン」を観ていた、かつての子供たちが、遥かな年月を経て、庵野監督・樋口監督によって再生されたウルトラマンを観に行っているのです。

TVで「ウルトラQ」が放送されたのは、196612日から73日、「ウルトラマン」の放送は1966717日から196749日、「ウルトラセブン」は、1967101日から196898日の放送でした。ということは、今回の「シン・ウルトラマン」は、約50年の時を経て、再生された物語ということになります。

劇場用の映画として大人向けに再構成されているとはいうものの、子共時代に見た番組のリメイクを、かなり良い歳を迎えた年齢の高い大人たちが観に行っているのです。これは考えてみればすごい現象だと思います。

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(画像出所)「シン・ウルトラマン」公式サイト内、「シン・ウルトラマン劇場用パンフレット」より(https://shin-ultraman.jp/news/

身の回りの学生に感想を聞いたところ、とても感動したそうです。

「シン・ウルトラマン」は新作映画です。しかし今の若者たちの心を揺さぶった物語のエッセンスは約50年前に提示されていたのです。良い物語は古びないと言えるでしょう。
(メディア学部 藤崎実)

【シン・ウルトラマン①】公開8日で動員100万人突破(メディア学部 藤崎実)

2022年5月30日 (月) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部の藤崎実です。

私の身の周りで、2022513日に公開された映画「シン・ウルトラマン」が話題になっています。

報道によれば「シン・ウルトラマン」は、公開8日で動員103.2万人を突破して、興行収入も15.4億円を記録したそうです(2022522日現在)。この勢いはまだだ続くことでしょう。

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(画像出所)「シン・ウルトラマン」公式サイトより(https://shin-ultraman.jp/


学生のみなさんの中でも、「シン・ウルトラマン」を観た人は多いのではないでしょうか。
企画・脚本を担当した庵野秀明監督は、例えば「エヴァンゲリオン」で若い人にも人気の監督ですし、今回監督をつとめた樋口真嗣監督も人気の監督です。

つまり「シン・ウルトラマン」の大ヒットは世代を超えた観客に支えられているという構図が伺えます。
ちなみに両者は2016年公開の映画「シン・ゴジラ」でもタッグを組んでいましたよね。

さて、まだまだ快進撃を続けそうな「シン・ウルトラマン」ですが、その魅力はどこにあるのでしょうか。
これから1週間、いろいろな角度から考えてみたいと思います(メディア学部 藤崎実)。

自然言語処理分野で現在どのような研究が進められているか調べたいとき

2022年5月29日 (日) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。メディア技術コースの松吉です。

私は人間が話したり書いたりする「ことば」にとても興味を持っており、コンピューターを使いながら「ことば」について研究しています。人工知能・情報工学において、このような研究分野は「自然言語処理」(NLP)と呼ばれています。今日のブログでは、自然言語処理分野において現在どのような研究が進められているか調べる方法を紹介します。

2022年3月に国内で言語処理学会第28回年次大会が開催されました。この大会は国内における自然言語処理に関する最大の研究発表会であり、毎年、数多くの最新の研究成果が発表されます。ぜひ一度、発表プログラムを覗いてみてください。面白そうな発表タイトルを探してみてください。このウェブサイトでは、登録なしで誰でも無料で論文を読むことができます。発表タイトルの近くにある「PDF」というアイコンをクリックすると、その論文を開いて読むことができます。第27回より前の大会の論文もインターネット上で閲覧することができます。言語処理学会の発表論文集のページに過去の大会の一覧がありますので、そこから各大会のページに飛ぶことができます。

自然言語処理研究者の若手たちが毎年夏に集って、NLP若手の会シンポジウムを開催しています。2021年の夏には第16回シンポジウムが開催されました。大学生や大学院生、大学を卒業したばかりの若手たちが、現在どのような研究に取り組んでいるかここで知ることができます。このサイトでは研究内容の詳細が書かれた論文やポスターを確認することはできませんが、発表者の名前でウェブ検索してみると、個人の情報発信ページで研究内容を確認できることが多いです。NLP若手の会のサイト内で過去のシンポジウムを確認することもできます。

上で紹介した2つは、日本語で発表された研究を調べることができるウェブサイトです。英語で発表された最新の研究を調べる時には、ACL Anthologyというウェブサイトが大変便利です。ここで自然言語処理に関する著名な国際会議の論文を誰でも無料で読むことができます。年ごと、会議名ごとに綺麗に整理されており、キーワードで論文を検索することもできます。英語が苦手でなければ、ぜひちょっと覗いてみてください。

今回紹介した所以外にも、自然言語処理分野における最近の研究を調べることができるウェブサイトはまだまだあります。ですが、個人的には高校生や大学1, 2年生には上記のサイトをお勧めします。「ことば」をコンピューターで扱うことに興味がある方はぜひこれらのウェブサイトを覗いてみてください。

 

(文責: 松吉俊)

新任助教の盧です

2022年5月28日 (土) 投稿者: メディア技術コース

はじめまして,今年4月から助教として着任した盧承鐸(ノ スンタク)です.
現在,柿本先生と一緒にビジュアル・インフォマティックス研究室を運営しております.
コロナ過で皆さま前でお話する機会があまりないので,このブログ上で簡単に自己紹介及び研究内容の紹介をしようと思います.
私はコンピュータ・グラフィックス,その中でも特にモデリング分野を主に研究しています.
本来,コンピュータ・グラフィックスにおいて3次元モデルを作る作業には多大な時間と労力が必要です.
創作など存在しないものを作る意味では3次元モデルをゼロから作り上げる必要も生じてきますが,
3次元モデルが必要な多くの文脈では,既に何かしらの実物があり,それに相当する3次元モデルを作るのが殆どです.
今度はその意味で行ってきた過去の研究の内,代表的なものを1つ紹介します.
"SkelSeg: Segmentation and Rigging of Raw-Scanned 3D Volume with User-Specified Skeleton" 
Seung-Tak Noh, Kenichi Takahashi, Masahiko Adachi, Takeo Igarashi
Proceedings of Graphics Interface 2019: Kingston, Ontario, 28 - 31 May 2019
こちらの内容は,ぬいぐるみを3次元スキャンしてキャラクターアニメーションに用いる時に起こり得る問題を解決したものです.
伝統的な3次元スキャン手法では,対象を背景と区別する機能や,隣接パーツ同士を区別する機能が備えられていないため(動画 ~0:15),単純にぬいぐるみをスキャンしたら背景と隣接パーツが癒着された状態になり,アニメーションにすぐ活用できない状態のものしか得れません.普段,こういう問題を解決するには,3次元編集ソフトウェアを利用して背景を削除したり,癒着されているパーツを切り離したり不都合のおきている部分を綺麗に直してから,骨格を付与してアニメーションさせる流れになります.しかし,3次元編集ソフトウェアの操作は単純でない上,労力もかなりかかる作業が必要になります.
この研究では,スキャンする際の床情報を利用することで床部分を削除し,スキャン時に見えていなかった部分に発生し得る穴を自動的に塞ぎます(1:30~1:45).また,何れアニメーション用に付与される骨格情報を利用してパーツに起きている癒着問題も半自動的に解決します(動画1:45~2:05).これは,3次元編集ソフトウェアに慣れていないユーザでも,限られた視点における2次元的な操作(動画 0:55~1:25)はそこまで難しく感じないとの知見に基づいたものです.以上の機能を持ちまして,3次元編集ソフトウェアに慣れていない人でも簡単に作業できるように利便性を改善したものと言えます.
私が何故このようなモデリング分野に携わってきたかの経緯に関しての話や,技術的な面においても色々話がありますが,今回は自己紹介として初めての自己紹介の意味を込めてその内容は大分割愛しております.その内容については,また今度のブログ記事で紹介できればなと思っております.
これからどうぞよろしくお願いいたします.

20-20-20ルール

2022年5月27日 (金) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の盛川です。

皆さんは普段スマートフォンやPCの画面をどの程度連続で見ていますか?レポートや勉強をする場面でも、ゲームや動画を楽しむ場面でもよいですが、1時間2時間は普通に画面を見続けていたりしないでしょうか。

眼に近い位置の画面をずっと見続けるのことは、眼精疲労の原因になることはよく知られています。ではどのくらいの頻度で眼を離せばよいのか、ということについて一つのルールが提案されています。それが「20-20-20ルール」と呼ばれているものです。

このルールは、「20分おきに」、「20秒間休んで」、「20フィート(6 m)先を見る」ということを推奨しています。アメリカの眼科医の方が提案したものなので距離がフィート単位になっていますが、覚えやすいルールだと思います。

ここ数年のコロナ禍で在宅学習やテレワークが増え、不適切な労働環境で長時間の情報端末使用を行う機会が増えていることが危惧されています。そこで、普段から身体の健康を守るための意識や知識を身に着けていくことが大切になってきています。

日本人間工学会では、こうした働く環境の変化をうけて、「タブレット・スマートフォンなどを⽤いて在宅ワーク/在宅学習を⾏う際に実践したい7つの⼈間⼯学ヒント」という出版物の情報を公開しています。上に上げた20-20-20ルールも紹介されているので参考にしてください。

大学の授業も、100分という時間ずっとPCを見ていたりスライドの画面を見ていたりすることが多いかと思います。私が行っている授業では、20分毎というのは難しいですが、授業時間の半分の50分が経ったら少し休憩を入れるようにしています。できれば席を立って体を動かす、ということもやってみたいですが、大学の教室ではなかなか実現させるのは難しそうです。集中して勉強ができ、疲れも感じさせないといった授業を実現するには、まだまだ色々と工夫が必要だということを日々感じています。

瞳孔間隔

2022年5月26日 (木) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の盛川です。

突然ですが、皆さんは自分の「瞳孔間隔」がいくつか答えられますか?
瞳孔間隔とは簡単に言えば右目と左目の距離の事で、文字通り左右の瞳孔の中心間の長さになります。英語ではinterpupillary distance(IPD)と表記します。一般的な成人の瞳孔間隔の平均値は約63 mmといわれています。

瞳孔間隔の長さが必要になるのはどういった時でしょうか。まず思いつくのはメガネを作るときなどで、レンズの中心を決めるときに測るといった場面です。メガネを作ったことのある人は、「機械をのぞき込んで気球の絵を見ながら何かを測る」といった体験があるかもしれません。この時、眼の角膜や水晶体の状態とともに、瞳孔間隔も測っていたりします。

ではメガネを使わない人にとっては瞳孔間隔の数値を知っていることは役に立たないかというと、最近ではそうではなくなってきているかもしれません。どこで瞳孔間隔が影響するかというと、VRで用いるHMDを見るときに関係してきます。HMDも左右の眼でレンズを介して映像をみているため、メガネと同様、その人の瞳孔間隔にあわせてレンズ間隔を調整する必要があります。近年のHMDでは、このレンズ間隔を調整できるものが多くなっていますが、自分の眼に合わせて正しく調整することが、眼への負担や疲れを軽減させるために大変重要です。

今はまだHMDを使う場面はそう多くないですが、近い将来VR技術が発展し、普段からHMDを使って仕事をするという社会が来るかもしれません。そうした社会では、まるで自分の靴のサイズをみんなが知っているように、自分の瞳孔間隔も知っていて当たり前になっていることだって考えられるわけです。

瞳孔間隔の測り方については、ネットで検索すれば簡単に見つかります。研究などではもう少し厳密に測るための機器を使用したりもしますが、鏡と定規を使えばすぐに測ることができると思います。興味があれば、自分の瞳孔間隔について知っておくのもよいのではないでしょうか。

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勉強することの価値

2022年5月25日 (水) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

学校で勉強した数学が実生活で役に立たないという人に対して、そんなことありませんよ、という趣旨の記事を、これまでこちらこちらに書いてきました。そうやって一所懸命にアピールしているのですが、やはり数学がやり玉に挙げられるのは避けられないようで、最近もどこかの国会議員が「三角関数よりも金融経済を学ぶべきではないか」とツイートして、ちょっとした話題になっているようです。

音の研究をしている立場として三角関数を擁護したいのは勿論なのですが、そういう私でも、若い頃に勉強したんだけど使ってないなと思うものはいろいろあります。高校で習った古文や漢文とか、大学で習った哲学とかドイツ語などもほとんど使ってませんね。でも、だからといってそれらの科目を軽視してはいけないと自戒しています。

古文や漢文の勉強を更に続けていたら、それを活かす仕事に就けていたかもしれないという考え方もありますが、それより何より、日本や中国の古典を自由に読むことができれば、それだけでとても豊かな日常生活を送ることができたかもしれません。幸か不幸か、三角関数は仕事で役立つことも多いので、仕事に役立つアピールばかりしてしまいがちですが、学問の価値を測る基準は、それ以外にもあると思うのです。

メディア学部には、文系・理系・芸術系など様々な分野の科目が揃っています。それはもちろん、社会に出て働くときに役立つからでもあります。でも、日曜日に読書をしながらいろんなことを考えられるようになるだけでも、勉強したことのもとは十分に取れるのではないでしょうか。

仕事環境の机と椅子

2022年5月24日 (火) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の盛川です。

昨年4月に大学に来てから1年が経ち、そのあいだ研究室の準備もすすんできました。色々なものを研究室に用意しましたが、その中でも机と椅子にについては時間をかけて選定を行いました。

普段仕事をする上で最もよく使う道具は机と椅子であるといっても過言ではありません。私の専門とする人間工学の分野でも、昔から大きな関心を集めている対象でもあります。特に労働現場のデザインとして、安全衛生や健康の面でも重要な要素として考えれています。パソコンで仕事をすることが当たり前になり始めたころから、こうした安全や健康のための対策について盛んに啓蒙されていました。情報端末を使う労働環境管理のガイドラインは、情報機器端末のハードウェア、ソフトウェアの発展に伴い、何度かの改訂を経て、現在でも厚生労働省から「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」として公開されています。

机や椅子の人間工学的なデザインについては、一昔前は「以下に長時間使用しても疲れないか」が重要視されていました。しかし近年ではその考え方も変わってきており、「短時間の休憩を適宜はさんで、できるだけ体を動かすように」するためのデザインが取り入れられてきています。私の研究室に導入した机も、その流行に乗って、立った姿勢でも作業できるような高さにも調整できるようなものを選んでみました。

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普段自分で机や椅子を選んで購入する機会はあまりないかもしれませんが、もしそういった機会があれば、人間工学の考えも参考にしてみるのもよいかと思います。

今年も来ましたキッチンカー

2022年5月23日 (月) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。

東京工科大学八王子キャンパスは大学の4学部と大学院、そして日本工学院八王子専門学校が設置されているため、非常にたくさんの学生数となっています。2020年、2021年は大学がオンライン授業であった期間があり、キャンパスの混雑はあまりなかったのですが、2022年度は対面授業でスタートできていることもあり、非常に多くの学生さんでキャンパスも活気づいています。

そうすると困ることの一つは昼食です。キャンパス全体の食堂もかなり整備されていますし、コンビニもあり、また、屋内外で食事ができるスペースやベンチなども多数用意されています。それでも短い昼休みに集中するので、食堂の混雑は大変なもののようです。「ようです」というのは、私自身は昼食を持参しているので最近は食堂に行く機会がないのです。しかし、昼休みのキャンパス内の様子を見るに、食堂の混雑は想像できます。

数年前から、特に混雑が厳しい時期(?)には昼食時に外部のキッチンカーが複数台キャンパスに乗り入れるようになっています。今年も4月から連日様々なキッチンカーが来ています。下の写真は4月に撮ったものです。たまたま、まだお昼になる前の様子で一台は準備中であり混雑はありませんが、このようなキッチンカーが2、3台、日替わりで来ています。

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この記事はゴールデンウィーク前に書いていたのですが、公開が遅くなったので少し書き換えています。連休後の様子もお伝えすると、下のような感じです。これも、昼休みに入った直後くらいの様子なので、まだ列が長くありません。

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梅雨に入るまでの期間は天気が良ければ外で食事をするのにとても良い季節だと思います。花粉症の人にはつらいかもしれませんが、梅雨と暑い夏の前のキャンパスを楽しんでもらえればと思います。

(メディア学部 寺澤卓也)

第17回シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点(あな)

2022年5月22日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点」として、定期的に私が何度も遭遇してきた「シナリオの欠点(あな)」について書いていこうと思います。今回取り上げるトピックは・・・

「主人公よりも他の登場人物が目立つシナリオの欠点(あな)」です。

日常会話や世間話で、最近テレビで放映された映画や、実際に劇場まで足を運んで観賞した映画の話になることはよくあると思います。

人それぞれ、注目する部分は異なりますが、なかでもよく話題になるのは「登場キャラクターについて」ではないでしょうか。

そしてそのとき話題に挙がるのは、必ずしも主人公ではなく「主人公とはまったく正反対の考えを持って行動し、敵対していた登場キャラクター」や「主人公と競い、抗って、勝利を目指そうとするライバルキャラクター」だったりします。

映画を観賞した観客が作品に対して何を感じ、どんな感想を持つかは人それぞれ自由ですので、作中のどのキャラクターを気に入るか、もまた自由です。映画を鑑賞した観客全員が、必ず主人公を好きになる必要はありません。

ただ、シナリオライターとしては、主人公を好きになってもらえなかったとしても、シナリオの本編で中核となりうる言動を取るよう、シナリオを執筆しなくてはいけません。

前回「第16回シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点(あな)」において、私はこのような問いかけをしました。

『主人公という役割を与えられていても、本人が主体的かつ能動的に本編ストーリーに関わることなく、ひたすら周囲の登場人物に助けられ続け、むしろそんな存在に敵対し、なんとか抗おうとする登場人物がいた場合、観客の注目は果たしてどちらに集まるでしょうか』

同じ目的を達成するストーリーでも「何らかの目的を達成したいが諸事情により非力な主人公が、なんとか周囲の力を借りて目的を達成する」ことと、「達成したい目的はあるが、特に何か努力することもなく、周囲が勝手に助けてくれて目的を達成できた」とでは、目的が達成される結果が一緒だったとしても観客の受ける印象は全く違います。

シナリオの書き方にもよりますが、観客は前者であれば主人公も協力してくれた登場人物も好印象ですが、後者だと主人公より主人公の周囲で何かと苦労してくれた登場人物のほうに好印象をもつでしょう。

場合によっては後者の場合、協力するに足るだけの主人公ではないのに、周囲がちやほやしているだけだと思われ、敵対キャラクターやライバルキャラクターにこそ、頑張ってほしいとすら思われてしまうでしょう。

観客の受け取り方は個人ごとに違うので、全員が望んだとおりのキャラクターが登場して、活躍するシナリオを作ることが出来るわけではありません。

しかし、最終的にどのキャラクターを気に入るとしても、その時に判断基準となる考え方や言動をとなるキャラクターは主人公であるべきです。

その基準にもなることなく「主人公が何をしたいのかよくわからなかったから、主張のハッキリしている別なキャラクターのほうが魅力的」と思われては、そのシナリオは欠点(あな)があるとしか言えないでしょう。

気をつけたいものです。

第16回シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点(あな)

2022年5月21日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点」として、定期的に私が何度も遭遇してきた「シナリオの欠点(あな)」について書いていこうと思います。今回取り上げるトピックは・・・

「主人公の存在が不明瞭なシナリオの欠点(あな)」です。

当たり前のことですが、シナリオを書く上で登場人物は、セリフやト書きで言動を記述することによってストーリーを進行させる、欠かすことのできない存在です。

かなり意図的に特殊なシナリオ、例えば一人芝居を書く場合でもなければ、シナリオには複数の登場人物が存在し、なかでも主人公は作品の軸を担う特別な役割の存在と言っていいでしょう。

小説と違ってシナリオは「柱」「セリフ」「ト書き」という3つの要素で記述するというフォーマットがあり、シナリオ本編の前には登場人物一覧を載せることが慣例になってはいますが、なんらかのストーリーを記述するにあたって、どの登場人物に、どんな役割を与えて記述するのか、あらかじめ決まっているわけではありません。

シナリオを執筆するシナリオライターは、本人なりに登場人物の誰にどんな役割を担わせるのか、あらかじめある程度構想を練ってから、書き出すでしょうし、まずは主人公を決めないと、文字通り「話が始まらない」とは思います。

しかしながら「話が始まった」としても、当初は主人公の役割を担わせた登場人物が、ストーリーの進行とともに存在感を失っていき、シナリオのエンディングを迎える頃に「いてもいなくても良かったのでは?」などと思われてしまう、致命的な「シナリオの欠点(あな)」になる場合があります。

さんざんシナリオを書きすすめていて、そんなことありえるのだろうか?と思う方もいるかもしれませんが、ここで言う「存在感を失う」という状態は、作中の映像的に姿を消すという意味ではなく、その場には登場しているのだが、まさに登場しているだけで「目立っていない」という状態です。

主人公という役割を与えられていても、本人が主体的かつ能動的に本編ストーリーに関わることなく、ひたすら周囲の登場人物に助けられ続け、むしろそんな存在に敵対し、なんとか抗おうとする登場人物がいた場合、観客の注目は果たしてどちらに集まるでしょうか。

たとえ原作者となったシナリオライターが「この名前の登場人物が主人公です」と主張しても、それにふさわしい言動をとらないことには、観客に主人公は主人公として認識されないのです。

主人公として設定した登場人物がいるのなら、その登場人物には主人公として活躍できるだけの言動を取らせたいものです。

シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その39後編

2022年5月20日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品の39本目「ソードフィッシュ」について、どこに注目すべきか述べていきます。

今回取り上げる「ソードフィッシュ」は2001年に公開されたアメリカの映画です。ジョン・トラボルタ、ヒュー・ジャックマンの2大スターが繰り広げる、緊張感あるサスペンス・アクションと、何百台もの撮影カメラを用いた連続撮影によって実現した大爆発シーン映像が話題になった作品です。

この作品でシナリオライターとして注目すべきは「誰が主人公なのか」という点です。

基本的にエンターテイメント用の映画には、誰かしらの主人公が存在します。稀にドキュメンタリー映画のように、ストーリー関係なく史実をなぞるタイプの映画もありますが、観客が映像と物語を楽しむ上では、自身を作中に重ねられる対象として「主人公」が欠かせません。

作中の世界観、作中の出来事が繰り広げられる舞台を感じ取る上で、主人公の視点は重要です。別に観客自身が主人公と同じ性格や考え方をしている必要はありません。観客自身とは価値観や行動動機が正反対の主人公の作品を見ることもあるでしょう。

大事なのは、観客が作中で認知することになる情報を誰から、どれだけ得ることになるか、という点です。

この作品「ソードフィッシュ」は、作中の多くの時間をヒュー・ジャックマンが演じる天才ハッカー・スタンリーの視点で描いています。彼が95億ドルという大金をいかに手に入れ、娘を取り戻すか、という部分に注目して映画を見た人がほとんどでしょう。

しかし、エンディングクレジットやDVDパッケージ裏面を見ると、役名と俳優名で最初に挙がるのは非情なテロリストのガブリエルと、それを演じるジョン・トラボルタなのです。

単なる表記上の順番のことであり、最初に名前が挙がったら主人公というわけではない、と考える人もいるでしょう。しかし、映画の内容を考えると、ガブリエルが主人公として見ることも、決して間違いではないのです。

確かに凄腕ハッカーのスタンリーがいなければ、大金95億ドルを強奪することはできなかったので、キーパーソンなのは間違いないし、彼の奮闘ぶりと娘を取り戻したい気持ちは、観客が感情移入し易い存在です。

しかし、そもそもタイトルにもなっている「ソードフィッシュ計画」という、大金強奪を企て、実行して、さらに自身の死を偽装して、完全犯罪を達成する、という一連の流れを遂行した存在はガブリエルのほうで、スタンリーはそれに協力させられた存在にすぎない、と考えればガブリエルのほうが主人公、と呼ぶにふさわしいともいえます。

シナリオライターは、自身が誰を主人公にしたいか、自身がどんな主人公を望むか、よりも、最終的にそのシナリオを読む人、ひいてはそのシナリオをもとに作られる作品を享受する人が、どう感じるかを重要視して、シナリオを書く必要があります。

感情移入させるための存在としてスタンリー、ストーリーを構築する存在としてガブリエル、というふたりの主人公がいるとも言える、この作品、ぜひ見てみてほしいと思います。

 

 

シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その39前編

2022年5月19日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介します。

前編となるこの記事は、あらすじのまとめが中心です。

後編ではその内容をもとに注目すべきポイントを述べますので、そちらも読んでいただけると嬉しいです。

取り上げる映画は次のタイトルです。

『ソードフィッシュ(2001)』

○監督
ドミニク・セナ

○脚本
スキップ・ウッズ

○あらすじ

テキサス州のミッドランドでトレーラー暮らしをする男、スタンリーはかつて「ハッカーの帝王」とも呼ばれた名うてのハッカーである。しかし、敏腕刑事ロバーツによって一度逮捕されて以来、パソコンに触れることも禁じられ、妻とは離婚、最愛の娘の親権も妻に奪われ、孤独な日々を過ごしていた。

そんなスタンリーのもとを、ジンジャーと名乗る怪しげな女性が訪ねてきた。彼女は大金をちらつかせ、自分たち協力してほしい、と切り出す。あまりに唐突で胡散臭いことなので一度は断るスタンリーだったが、娘の親権を取り戻す裁判費用も賄える報酬が用意されている、との話に心がゆらぎ、ジンジャーについていくことにした。

ジンジャーが引き合わせてきた人物ガブリエルは世界に名を轟かせるテロリストだった。彼はさらなる活動資金を得るべく、アメリカ政府のコンピューターサーバーにハッキングをかけ、隠し予算95億ドルを強奪する計画を立てていた。スタンリーはこの計画に、脅迫されるような形で協力することとなった。

スタンリーが政府に対策された何重ものセキュリティの突破に苦戦する一方、敏腕刑事のロバーツもガブリエルの暗躍に気づき出していた。するとガブリエルは、すぐさま冷酷かつ迅速にことをすすめていく。ロバーツたちに察知されるきっかけとなったライズマン議員を殺害したあと、計画を早めるためスタンリーの元妻を殺害して娘を誘拐、ハッキングを急がせた。

ロバーツたちの捜査によって、警察がガブリエルのアジトに迫る中、スタンリーは最後のセキュリティを突破、95億ドルの金をガブリエルの指定口座に移動させ、娘を開放させた。しかし、その直後に警察の突入が開始されたため、スタンリーは他の人質ともども拘束されガブリエルが逃亡するための盾にされる。

全身に爆弾を多数をくくり付けられた人質を前に躊躇する警察の隙をついて、ガブリエルはヘリコプターに乗り込む。逃亡は成功したかに思えたが、爆弾を括り付けられていなかったスタンリーは拘束から抜け出し、ガブリエルが残していったロケットランチャーでガブリエルのヘリコプターを撃ち落とした。

その後、スタンリーは娘と再会、一緒に暮らすことになった。結果的にはスタンリーにとってはハッピーエンドである。

だが、それすらもガブリエルの計画だった。ガブリエルはヘリコプターが撃ち落とされることを見通して、自身の身代わりになる死体を用意しており、爆発炎上にまぎれて脱出していた。スタンリーも見知らぬ土地で、95億ドルを手にしたガブリエルは不敵に微笑む。

・・・次回は、この作品でシナリオライターとしてどこに注目すべきか、について述べていきます。どうぞお楽しみに。

昨年度の卒研生が学会発表で企業賞を受賞しました

2022年5月18日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部助教の兼松です。

以前こちらの記事で、昨年中の卒研生である渋谷くんが、映像表現・芸術科学フォーラム2022で発表したことをお伝えしました。当日は優秀発表賞(ポスター発表)を頂いたのですが、この度、CG-ARTS 人材育成パートナー企業賞の一つである「アールフォースエンターテイメント賞」も頂けることになりました!

渋谷くんの研究「女性アニメキャラクターの性格に基づく学校制服の着崩し方分析」の内容については以前の記事で書きましたのでそちらをご覧ください。

講評では着眼点が良いと評価していただきました。この研究は、研究途中はだいぶ難航しましたが、渋谷くんのテーマ決め自体は比較的早期・スムーズに決まりました。これは、恐らく渋谷君自身が、アニメや映画などをただ見るだけでなく、さまざまな視点で疑問を持ちながらからだと思います。映像コンテンツの授業では様々な制作スキルを学べますが、一方で、映像の勉強といえば、やはり「多くの作品を見ること」も大事です。ここから、ノウハウはもちろん、自分自身の制作意図や個性を出すためのきっかけを得るわけですが、闇雲に見れば良いというわけでもありません。

メディア学部には,学生からすると,一見「これはコンテンツを作るのに役に立つのかな?」と思うような授業も含めて様々な授業があります.ですが,私は総合芸術である映像コンテンツこそ,ただスキルを学ぶだけではなく,様々な知識・知見を持たないと良いコンテンツを作るのは難しいと思っています.ですから,早く実践的なスキルを身につけて,早くプロのクリエイターになりたいと思う人ほど,メディア学部で実践的なスキルプラスアルファを身につけてほしいなぁと思います.

渋谷くんの活躍に,我々の教育やメディア学部での体験が少しでも役に立っていたのなら嬉しいと思います.

また,渋谷くんの研究のような,既存作品の制作ノウハウを調べて制作支援の仕組みをつくる研究は,とりあえず研究を始めるだけなら専門的な知識やスキルは比較的必要とせず,ハードルが低いという利点があります.アニメや映画に関連した研究に興味がある入学したての皆さん,これから大学選びをするみなさん.私のプロジェクト演習に来ていただければ,卒業研究を待たずとも,こういった研究の一端を体験できますよ!

(文責:兼松祥央)

卒業研究「プロダクトデザイン」の皆さん(2022年3月卒)のポスター紹介 2回目

2022年5月17日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

早いもので、そろそろ梅雨の時期に近づきました。大学は今のところ、いつもの落ち着いたキャンパスに戻っております。2年間以上続いているコロナ禍ですが、早く収束するといいですね。そして、この禍を契機に大学やビジネスシーンでも新しい何かが生まれるかもしれません。つらい時の問題解決は新たなスタートになることは珍しくはありません。

さて今日は2回目として、鈴木さん、清本さん、貫井さんのポスターを紹介します。

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鈴木さんは、電気製品のコード配線の問題を指摘しました。配線をすっきりさせるためのデザイン提案はよく見られますが、ここでは配線の不具合は火災事故にもつながることに着目しました。調査の結果、設置面積や埃などが原因となることが多いことを確認しました。これを踏まえ、コードが密着することなく長さ調整をしながら束ねることが出来るブロック状の道具のデザイン提案を行いました。提案物は3Dプリンタで実寸表現も行い、訴求力のある提案となりました。

清本さんは、ビジネスバッグのファッション性に注目しました。ビジネスバッグは機能面で優れたものも多い一方、ビジネスシーンが多様化しているにもかかわらず、お洒落な面での不満を抱くユーザーも多いことを調査によって確認しました。このことを踏まえ、従来のオフィスだけでなく、カジュアルな雰囲気でのフォーマル感について考察し、ビジネスバッグとしての機能を満たすスタイリッシュなビジネスバッグのデザイン提案を行いました。

貫井さんは、意外と知られていないイヤホンの衛生面について指摘しました。調査の結果、リモートワークが増えた今、耳の不具合を訴える人が増加中で、外耳道真菌症と診断されるイヤホンのユーザーが多いことが分かりました。このことを踏まえ、慣れ親しんだカナル型の基本形態を保ちつつ、小さな穴をあけることで外耳道を密閉することなく、音漏れを最小限に抑えることが期待できることを指摘し、衛生面に優れたイヤホンのデザイン提案を行いました。

メディア学部 萩原祐志

専門演習「作曲演習」の紹介(第7弾)

2022年5月16日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の伊藤(謙)です。

他の科目と同様、私が担当している専門演習「作曲演習」も今学期から対面開講に戻りました。

演習室を使うのは実に2年ぶりです。しばらくPCの狭い画面越しでの遠隔開講だったので、演習室で学生に向かって話す感覚がすっかり薄らいでしまっていました。その間に演習室の設備が新調されたり、授業で使用する音楽制作ソフトがヴァージョンアップされたりしていたこともあって、対面開講が始まった当初は私自身、慣れるのに少々苦労しました。

授業開始から1ヶ月が過ぎ、以前の感覚をようやく取り戻しつつあります。学生諸君も演習室の機材やソフトをだいぶ使いこなせるようになってきました。下の写真は先日の授業の様子です。

Composition

今後、数回の指導ののち自作曲の中間発表会が行われます。学生がソフトの再生ボタンを押すと、写真の奥に見えるスピーカーから音が流れます。空気を通して聴こえる音はやはり良いですね! どんな音楽がこの演習室に響き渡るのか今から楽しみです。

<そのほかの「作曲演習」関連記事>
[2019.11.08] 専門演習「作曲演習」の紹介(第4弾)
[2020.06.04] 「作曲演習」の遠隔開講での取り組み
[2020.08.26] 「作曲演習」の遠隔開講での取り組み(その後)

(文責:伊藤謙一郎)

卒業生からのメッセージ⑦ 「就活で一番大変だった話」

2022年5月15日 (日) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
4年生から在学生および受験生に対するメッセージをお届けするこのシリーズ。
今日は昨日からの続きで、森川研から希望の映像制作会社に入社した相馬凌也さんの就活体験談後編をお届けします。
 
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就職活動で一番大変だったのは、第1志望群の会社(A社)の2次面接と、
第2志望群の会社(B社)の最終面接の日にちが被ってしまった時でした。
 
B社の最終面接は、大阪で対面開催されることになっていました。
 
不幸中の幸いで、A社の2次面接はリモートでした。
少し不謹慎ですが、この時ほどコロナで良かったと思ったことはありません。
B社の最終面接が10時からで、A社の2次面接は11時半からでした。
私は大阪でチェックアウトの時間を選択できるホテルを取り、2つの面接に挑みました。
 
A社の2次面接ではプレゼンの課題があったのですが、面接が集中していた期間だった為、
資料作りの時間がなく、大阪のホテルで夜中に作成しました。
しかし、資料作りに思った以上に時間がかかってしまい、一睡もせず最終面接に向かうことになってしまいました。
対面での最終面接は初めてで、慣れていたはずの面接が全く別のものに感じました。
 
最終面接後、すぐにホテルに戻り、2次面接の準備に取り掛かかりました。
一晩かけて資料を作ったおかげで2次面接はうまくいきました。
2つの面接が終わり、心底ほっとしました。
その後、大阪のグルメを堪能して帰路に就きました。
 
最終的に、この時2次面接を行なったA社に就職することになりました。
 
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就活では同時並行でさまざまな会社に応募することになりますので、
面接時間が被って企業側に変更のお願いをしたり、
どちらに行くか選ばなくてはならなくなることが往々にして発生します。
相馬君の場合は1社がオンライン面接だったことが幸いして、
何とか2社両方の面接に参加できたようですね。
ただ、かなり大変な思いをしたようですが…。
 
放送業界など、メディア系企業に絞って就活を行う場合、相馬君のように全国行脚する人は多いと思います。
メディア系で、在京の企業限定まで絞り込んでしまっては、まずメディア系企業に入るのは難しいからです。
「場所は地方でもどこでもいい、とにかくメディアに入りたい」と思っているのか、
「地方に行くくらいならメディアでなくてもいいので都内の会社に入りたい」と思っているのかで、
可能性は大きく変わってきます。
まずは自分が何を本当に求めているのかを、冷静に考えてみることをオススメします。
そして、やっぱりメディアに入りたい!と決めたら、体力勝負になることもあると思いますが、
相馬君のように覚悟を決めて臨んでください。
 
今回の私の連載は以上です。
先輩からのメッセージを是非心に留めて、これからの学生生活や就職活動に励んでくださいね!
応援しています!!
 
(メディア学部 森川 美幸)

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卒業生からのメッセージ⑥ 「面接は面接官との雑談」

2022年5月14日 (土) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
4年生から在学生および受験生に対するメッセージをお届けするこのシリーズ。
最後の一人は、森川研から希望の映像制作会社に入社した相馬凌也さんの就活体験談です。
皆さんの中にも、クリエイティブ関連企業に就職を希望している人は多いと思います。
彼からのメッセージは今日と明日、2回に分けてお届けします。
 
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「貴殿を採用することが内定しました」
この通知を得るまでに半年かかりました。
 
コロナウイルスの影響で希望していた夏のインターンが中止になり、
冬のインターンから就職活動を始めました。
 
テレビ局の応募が始まるのが11月、制作会社の募集は12月から順次始まります。
テレビ局のインターンは全滅で、書類選考すら1社も通過することはありませんでした。
このことで焦りを感じ、SNSやYouTubeにある就活攻略物を参考に、今まで書いたESを全て見直しました。
 
制作会社のインターンが始まる頃、ESの打率は、5割ほどでした。
面接はESよりも得意なようで、調子が良かったです。
 
3月になり、選考が始まりました。
インターンの経験から、ESの通過率は満足いくものでした。
しかし、得意と高を括っていた面接で失速してしまいました。
後々自己分析してみると、どうも1つの質問に対して、喋り過ぎていたようです。
私は、用意した答えを全て言いたくなってしまう癖があり、それが失速の大きな原因だと思いました。
 
それ以降「面接は面接官との雑談」と考えるようにし、ガクチカ、自己PR以外は答えを用意せず、
面接に臨むようにしました。
このようにマインドを変えたことで、面接が楽しくなっていき、緊張も薄くなっていきました。
その結果、第1志望群の1つの会社から内定を獲得することができました。
 
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相馬君はもともとテレビ業界を志望しており、テレビ局や番組制作会社を中心に就活をしていました。
本来、業界を絞っての就活はあまりオススメできないのですが、彼の場合は運良く、
自分の行きたい業界と、業界が求めている人材がマッチしていたようですね。
 
テレビ局や大手メディアは、やはり今でも学歴重視のところがありますので、書類選考を通過すること自体が至難の業です。
そこで折れるようではメディアへの就職は難しいと思います。
相馬君の場合、落ちたことで自分のESを再レビューし、ブラッシュアップしていったことが後々の制作会社のエントリーに生きたのでしょう。
面接にしても、良かった場合も悪かった場合も、勝因・敗因分析を必ずすべきです。
そういう意味では、就活ってスポーツのようですよね。
試合に勝っても負けても後でしっかり振り返る。
そうすることで自分が鍛えられ、勝率が上がっていくのです。
 
「面接は面接官との雑談と考える」というのはいいアドバイスですね。
面接官も人間ですから、話していて楽しい人を通したくなるはずです。
面接官と楽しく会話する気持ちで面接に臨んでみましょう。
 
最終回の明日は、相馬君の体験談の後編です。
お楽しみに!
 
(メディア学部 森川 美幸)

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卒業生からのメッセージ⑤ 「質の高い自己分析を!」

2022年5月13日 (金) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
4年生から在学生および受験生に対するメッセージをお届けするこのシリーズ。
今日はデザインセンスが抜群で、卒業研究では漫画アプリのUXやUIについて扱った
齋藤樺那さんからの就活アドバイスです。
 
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満足のいく就活には“いかに質の高い自己分析ができるか”にかかっている!と、
何回もセミナーで聴きました。
 
実際に就活をしていて、自己分析は大切だと痛感しました。
多くの人が自己分析のやり方を調べて取り組むと思います。
私が聞いた自己分析の方法には、昔の事から自己分析をするというものが多く、
昔の感情や考え方は中々思い出せない事が多々ありました。
そんな中、私が行った自己分析の方法を2つお話させていただきます!
 
①:新聞紙を読んで丸付けをする
1番簡単な方法で、自分の価値観や興味のある事が分かります!
興味のある業界、自分がどんな人間か、新聞でニュースを頭に入れながら、
自分について読み終わった後客観的に見ることが出来て楽しいです。
コンビニでは140円くらいで買えるので、1週間やってみるのがおすすめです。
 
②:自分を知るために他人と接する
他人と話したときに、どんな言動で自分がどう感じたかを考えることで、
自分の感情を客観的に見ることが出来ます。
 
認めて欲しい、分かって欲しいという感情は、
認められていない、認められる価値がないと自分で思っているからだという事になります。
 
例えば、自分がもし病気によって痩せた場合、「痩せたね~!」と友達に言われたら、
気にしてるんだから言わないで…と思います。
ですが、頑張ってダイエットして痩せることが出来た場合、嬉しく思います。
周りの言動は変わっていないのに、自分の心の持ちようで感情が変化するという事です。
自分自身で、自分の勝手な世界を作ってしまっていることを頭に入れたうえで、
客観的に見る必要があると考えました。
 
長々と書いてしまいましたが、こんなことを考えながら今の感情に向き合って自己分析を進めていきました!
 
少しでも誰かのお役に立てれば幸いです。
 
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「自分を知る」ということはとても大切だと思います。
私の時代はこれを「我究(がきゅう)」と呼び、就活はまずこの「我究」から始めたものです。
就活って、企業に自分を売り込む活動だと思っている人が多いと思いますが、
そのためにはまず、自分と向き合うことが必要なんですよね。
自分のいいところ、悪いところ、自分の性質や傾向がわかっていないと、
何を企業に売り込んだら良いかわからないじゃないですか。
実は人間関係も同じで、「ありのままの自分をわかって欲しい」とか言う人がいますが、
じゃあその「ありのままの自分」を自分自身がわかっているのか、と言われると、
「完璧にわかってます」と言える人は少ないのではないかと思います。
もちろん「完璧に」とは言いませんが、他の誰よりもあなたを知っているのはあなた自身であるべきです。
自分を「客観的に見る」努力をしてみましょう。
 
齋藤さんはそのための方法を2つ提示してくれました。
是非、彼女の方法を真似してみてみてください。
今すぐにでも始められると思います。
 
それでは明日も引き続き、先輩からの就活メッセージをお届けします。
お楽しみに!
 
(メディア学部 森川 美幸)

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卒業生からのメッセージ④ 「早く始めるに越したことはない!」

2022年5月12日 (木) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
4年生から在学生および受験生に対するメッセージをお届けするこのシリーズ。
今日は卒業研究で2.5次元ミュージカルの配信公演について扱った、自身が演劇ファンでもある佐久間百萌さんからの就活アドバイスです。
 
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私が就職活動を実際に始めたのは、大学3年生の3月(大学4年生になる直前)からでした。
大学からは3年生の夏頃からインターンシップを受けることを推奨されていましたが、
私はやる気が出せずに就職活動を始めていませんでした。
 
しかし、他の就活生よりも経験が浅く、無知な状態からのスタートだったため、
後々とても苦労しました。
自己分析やES・面接対策、業界研究などの就職活動は早く始めるに越したことはないと痛感しました。
 
また、マイナビなどのリクルートサービスで自力で会社を探していくのが大多数であると思いますが、
私はその方法ではあまり自分に合う企業が上手く見つかりませんでした。
ESが通り、面接に進んだとしても結果が芳しくないことが多かったです。
 
私のように膨大な数の企業から気になる企業を選ぶのが苦手な人や、明確に志望業界がない人は、
早いうちからエージェントサービスを利用してみるのも一つの手だと思います。
その場合も、一つのサービスだけを頼るのではなくて、
自分に合った就職アプリやサービスを模索してみることをお勧めします。
 
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佐久間さんは就活のスタートが遅れたことを後悔しているようですね。
彼女の体験を聞いてもわかる通り、就活のスタートは早いに越したことはありません。
なかなか重い腰が上がらないのもわかりますが、早くスタートをした人と後々差がついてしまいます。
早くスタートした人の方が、早く就活が終わることが多いと思います。
その分、残りの大学生活を充実させることができるのです。
 
エージェントサービスの利用も、佐久間さんのように特に志望が固まっていない人には良いかも知れません。
とにかく使える手はどんな手でも使ってみる、というのが大切だと思います。
そのためにも、就活を先延ばしにしないこと。
私の体験から言っても、後回しにする人ほど、いざ始めてはたと現実に気付き、焦ったり心が折れたりして就活がうまく進まないケースが多いと感じます。
スタートは早い方がいい、でも、もしスタートが遅くなってしまったとしても、「諦めない」ことが重要です。
あなたを求めている企業は必ずあります。
見つかるまで粘り強く頑張ってください。
 
それでは明日も引き続き、先輩からの就活メッセージをお届けします。
お楽しみに!
 
(メディア学部 森川 美幸)

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卒業生からのメッセージ③ 「縦に見るのではなく横に見よ」

2022年5月11日 (水) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
4年生から在学生および受験生に対するメッセージをお届けするこのシリーズ。
今日から登場する4人は、皆就活について下級生へのアドバイスを語ってくれています。
まず、M.R.Eというサークルで部長を務めていた酒匂駿佑さんからのメッセージです。
 
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就活について、私の経験を伝えたいと思います。
私は4年生前期に就活を始めました。
というのも、企業が情報を開示するタイミングがちょうどそれくらいの時期だったからです。
たくさん情報が出るなかで、どの企業にするべきか、非常に悩むと思います。
私自身、どんな企業に行こうか、どんな職種に就きたいか非常に悩みました。
ですから、とりあえず、少しでも気になった企業は業界業種問わず応募してみました。
 
Nikonの方がこうおっしゃっていました。
「縦に見るのではなく横に見て、自分の業界の幅を広げることが大切ですよ」と。
この言葉通り、私は視点を横に広げ、様々な業界をみて就活をしました。
 
周りのみんなが決まっていく中、自分だけ決まらないと焦ると思いますが、
内定は選ばなければいずれ一つはもらえると思います。
でも、もらっている企業が別に行きたくない企業の場合、ものすごく悩むと思います。
就活において一番悩む点かもしれません。
そういう時ほど自分が弱い時期だったりもするので、まあいっかという気持ちが非常に強くなり、
妥協してしまうこともあるでしょう。
しかしここで妥協せず、自分が行きたいと思える企業から内定がもらえるまで頑張ることが
就活において大切だと思います。
たった1年の妥協で一生後悔するくらいなら、この1年を捨てたほうがいいじゃないですか。
妥協せずに自分にあった就活をするべきだとおもいます。
コロナ渦で就活が難しかったか簡単だったかは、
僕はコロナの中での就活しかしていないのでどうだったかはわかりません。
 
その時々の状況は自分ではコントロールできないので、その中で自分なりの全力を尽くしてください。
 
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酒匂君の言う通り、就活は業界を絞らず、さまざまな業界を広く見てみることが大切だと私も思います。
例え自分が興味のない業界でも、自分に向いているところがあるかも知れません。
それは相手が選んでくれます。
結局のところ、向いている業界にしか受からないんですよね。
就活とはそういうものです。
だから、酒匂君は妥協しないようにと書いていますが、「妥協」ではなく、受かっている会社に入って「挑戦」することも大事なのではないかと思います。
少なくともあなたはその会社やその業界に向いていると思われて選ばれたわけですから、まずは入社して試してみてはどうでしょうか。
もしかすると自分でも気付いていなかった、あなたの能力が開花するかもしれません。
 
それでは明日も引き続き、先輩からの就活メッセージをお届けします。
お楽しみに!
 
(メディア学部 森川 美幸)

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卒業生からのメッセージ② 「アメフトに捧げた青春」

2022年5月10日 (火) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
4年生から在学生および受験生に対するメッセージをお届けするこのシリーズ。
1人目の今日は、2021年度の森川研ゼミ長だった中島裕志さんが、大学時代に情熱を傾けたアメリカンフットボール部の思い出について語ってくれました。
 
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大学4年間の一番の思い出は、アメリカンフットボールを始めたことです。
入学式前、オリエンテーションに参加するため大学に訪れた私は、帰りにサークル活動や部活動を紹介するイベントに参加しました。
小学校から野球をやっていたこともあり、大学でも当然野球部に入ろうと思っていたので、まっすぐ野球部のブースに向かっていたはずなのですが、気が付いたらなぜかアメリカンフットボール部のブースで説明を受けていました。
 
「アイシールド21」というアメフトを題材にした漫画が好きだったことを思い出し、今まで触れたことのないスポーツを体験するいい機会かも、と考えるようになりました。
その後、アメフト部に体験入部しました。
そして、結局アメフト部に入部することに決めたのでした。
 
始めたばかりの頃は、練習をする度にできることが増えていくのがとにかく楽しかったです。
でも、初めての試合で相手にボロボロに負かされてしまい、心底悔しい思いをしました。
勝つためにと仲間と泥だらけになりながら練習したり、喧嘩したりしました。
試合に勝った時は飛び上がるほど嬉しかったです。
 
初めて部活動の運営を任されるようになると、上手くいかないことだらけでいくつも壁にぶつかりました。
部員を増やすために、勧誘もたくさんしなくてはいけませんでした。
 
いろんなことがありましたが、4年間アメフト部の活動から喜怒哀楽様々な体験をし、たくさんのことを学ぶことができました。
最後に、アメリカンフットボールというスポーツは、マイナスのイメージが強いかもしれませんが、実際にできる環境も少ないスポーツでもあるため、皆さんに是非体験していただきたいと思います。
アメフト部はいつでも入部を受け付けていますので、新入生、在校生の皆様ひとつよしなに。
 
中島Twitterアカウント https://twitter.com/tut_cerberus?s=11
 
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私も大学時代は一応硬式テニスサークルに所属していましたが、4年間全力で打ち込むことはありませんでした。
まともに参加したのは1年生の時だけでしたが、意外とその時にできた仲間とは今も交流が続いていたりするんですよね。
ダブルスのペアを組んでいた友人とは、その後仕事でも関わりを持つことになりました。
大学時代って自分自身と向き合う個人の時間もかなり大切ですが、同じ目標や同じ経験を分かち合う他人との時間もかなり大切だと思います。
そういう点で、サークル活動への参加は検討する価値があるでしょう。
中島君も、アメフト部を通じて良い仲間に恵まれ、自分自身も成長できたようですね。
スポーツでなくても構いません。
文科系でも、何か興味のあるサークルに参加してみたら、新たな世界が広がるかも知れませんよ。
 
さて、明日から登場する先輩方は、皆就職活動について語ってくれています。
これから就活を始める2年生、3年生、それから現在絶賛就活中の4年生は必読です!
 
(メディア学部 森川 美幸)

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卒業生からのメッセージ① イントロダクション

2022年5月 9日 (月) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
今日から1週間、私がこのブログを担当します。
皆さんと入れ違いでこの3月に卒業した先輩たちの言葉をお届けしたいと思いますので、是非楽しみにしていてください。
 
明日から毎日1人ずつ、5人の先輩に登場してもらう予定ですが、連載第1回目の今日はまず私から皆さんへのメッセージを書きたいと思います。
私がこの大学に着任したのは、2018年、今から4年前でした。
ですから、この3月に卒業した皆さんの先輩たちと同じタイミングでこの大学に入ったということになります。
1年生から知っている学生たちが4年生になり、立派に社会に飛び立っていく姿を目の当たりにすると、大学とは若者が大人になっていく場所なのだなとつくづく思います。
どんな大人になるかは皆さん次第です。
もちろん我々教員や大学教育の影響もあるとは思いますが、どういう方向に伸びて行くかを決めるのは自分以外の何者でもありません。
ですから、誰のせいにもできないし、社会状況や環境のせいにすべきでもないと私は思います。
どこに向かうのか、丸ごと自分に委ねられる4年間。
こんな時間は、きっと今後なかなか取れないでしょう。
 
今はいろんな生き方が認められる時代です。
是非、心から楽しめる何かを見付けて、充実した4年間を過ごしてください。
そしていろんな人や出来事や勉強や体験などから、さまざまなことをインプットしてください。
インプットしたらアウトプットすること。
そのアウトプットこそ、あなたの作品や論文や資格や成果となるのです。
 
多くの人に言われて聞き飽きた言葉だと思いますが、4年間なんてあっと言う間ですよ。
流さないように、流されないように、地に足を付けて、一歩一歩歩いて行ってくださいね!
 
それでは明日から一週間お付き合いください。
よろしくお願いします!
 
(メディア学部 森川 美幸)

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GW混雑比べ(5/5 12:10版) 池袋vs新宿vs渋谷 とか 自由が丘vs下北沢vs吉祥寺 とか 東京上野ライン沿線

2022年5月 8日 (日) 投稿者: メディア技術コース

新しい研究テーマに取り組んでいる健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアをつかって自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。

このGWは世の中的には最大10連休となっており、東京工科大学でも学年暦に工夫がされていて9連休になっています。
このブログを読まれている皆さん、工科大メディア学部生の皆さんはどのようなGWを過ごしたでしょうか?場所によっては激混みな場所もあったと思われます。これを24時間前までさかのぼって確認できるアプリがあります。それは以前紹介したYahoo!Mapです。
このアプリの混雑情報という機能を使用して2022/5/7 13:40の首都圏の混雑状況を確認してみると、東京、有楽町、渋谷、新宿、池袋、上野、秋葉原、に加えて横浜と水道橋が混雑していることがわかります。水道橋だけが特殊ですがこれは今現在水道橋にある東京ドームでイベントを開催しているからです。こういう情報がリアルタイムにわかるのが、これからどこかに出かけようとするときに混雑を避けたいならば有益な情報になりますね。また一般的に若い人に人気と言われている、吉祥寺・下北沢・自由が丘を比較してみると前述のエリアに比べて混雑度は低いことがわかりますね。

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いくらタイピング速度が速くても、、、

2022年5月 7日 (土) 投稿者: メディア技術コース

新しい研究テーマに取り組んでいる健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアをつかって自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。

メディア学部の学部1年生は現在タイピングスキルを向上させるべく、相当なトレーニングを積んでいることと思います。基本、タイピングが早くて困ることはありませんが、それに頼りっきりになるのも考え物です。例えば、紙で配布された資料を再利用する際に皆さんはどうしていましたでしょうか?

最近の千種は、Microsoft LensからGoogle Lensへと移行して、AI機能付きの文字認識を利用しています。

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これくらいの情報量だと、文字情報だけレイアウトするようにしてタイピングしても2~3分で終わるかもしれません。しかし、大学生になってわかるのは意外に紙配布資料も多いことです。もしくは壁面の掲示板に掲示されている情報を2次利用したい場合もあります。

こういったときに大活躍するのが文字認識です。以前はイメージスキャナーを購入するとおまけソフトとしてついてきていました。文字認識の精度は95%前後と高いと言われていましたが、95%ということは100文字で5文字間違っているし、1000文字だと50文字間違っているということになり、結局は、元の画像と読み比べて最終確認が必須な利用スタイルでした。そのようなこともあって最近はイメージスキャナーの出番もめっきり少なくなりました。変わって大活躍しているのがスマートフォンのカメラです。とにかくメモ機能としてたくさんのメモ写真を撮ることが多くなりました。

そして、2次利用するためには文字が表示されている画像を使用して送付したりしてもよいのですが、LINEに送付したりすると1週間で期限切れになって困ることも多々あります。しかしLINEでは文字情報は消えることないので、ここで文字画像を文字情報であるテキスト情報に自動変換する機能があるととても便利になってきます。そして、Google Lens(現在はGoogle photosの一機能として統合されています)です。この文字認識制度は99%以上であり、文字情報の手直しはほぼ不要になってきています。以前は1文字ずつ文字認識していましたが、現在は文章も分析しているため自動認識の誤字があっても文章から修正可能になっているからです。

そして以下のような情報が自動取得できます。レイアウトは手直ししていますが、文字の修正はゼロでした。このようなテキストが10枚、20枚とあっても困りませんよ。
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メディア学部の皆さんはタッチタイピングできるほど早くタイピングできますが、こういった先進的なツールを使う技術もメディア学部生として有益なのでぜひとも使用してみてください。

プロジェクト演習スタート(1)

2022年5月 6日 (金) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。

メディア学部の寺澤です。私はプロジェクト演習として4つのテーマを担当しています。といってもそれぞれに講師を招いているので、私自身が直接、演習を行う機会は少ないのですが、学期の開始時や中間発表会、最終発表会などには極力参加するようにしています。

今回はその中から今学期初めの「IoTプロトタイピング演習」と「サーバー構築・管理(前期)」の様子をお伝えします。どちらのテーマも10名に満たない少人数での演習ですが、その分、受講生一人一人と講師やTAが接する時間が十分とれるので、それぞれのレベルに合わせた演習が可能になっています。

IoTプロトタイピング演習はマイコンボードやセンサー、インターネット上のサービスを用いて、学習や生活、エンターテインメントなどにかかわる「あったらいいな」「できたらいいな」を実現してみようという演習です。最初は様々なマイコンボードの使い方を一通り学び、その後、それらを用いたオリジナルアイディアの実現を目指します。写真はmicro:bitという教育用マイコンを用いた演習です。2つのmicro:bitをbluetoothでつなぎ、「じゃんけん」を実現するというのに取り組みました。PCの両側に見えている小さな基板がmicro:bitです。25個のLEDアレイを用いてぐー・ちょき・ぱーの表示を行います。

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サーバー構築・管理は前期とと後期では内容が異なり、前期はやや高度な内容なので、2年生以上を対象としています。1台の「物理的な」PC上で複数の「仮想的な」PCを稼働させるという仮想化技術をもとにした演習となるので、まず、その基盤となるシステムの構築を行いました。

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この環境ができれば、あとは物理的な(つまり、実際に手で箱を触ることができる)PCをネットワークにつないで常時稼働させておけば、ネットワーク経由で仮想的なPCを起動したり、複製したり、移動させたりということができるようになります。そして、それをベースとしたクラウドサービスの構築を始めることができます。

どちらの演習も始まったばかりで、難しくなっていくのはこれからですが、初めての受講生もかつて受講していた人も入り混じっての演習となるので、個々のレベルや希望に合わせたスキルアップにつなげられるよう進めていく予定です。

(メディア学部 寺澤卓也)

のぼりとくだり:日々の泡シリーズ #1

2022年5月 5日 (木) 投稿者: メディア技術コース

先日、とある駅のホームに向かう階段で見つけた掲示が面白かったので紹介いたします。

 

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これらは電車の下り方面行きが階段を降りた先のホームから出発し、上り方面(東京方面)は階段を上がって別のホームに行きなさい、ということを意図しているのだと思いますが、それがちょうど階段を上がる、下がると同じ方向になっているので、2つのことを同時に示しているようになっているのです。これだとどちらの意味にとっても混乱は無いと思いますが(階段ののぼり、くだりをわざわざ書いて説明するのか?という疑問は湧きそうですが)反対側のホームの階段でも同じような掲示があるのだとするとそちらでは、階段を降りるのに「のぼり」?昇るのに「くだり」?という混乱を招いたりするのかも、とちょっと気になりますね(ならないか…)。

 

 

(これは、日常で見つけた些末なことを書く「日々の泡シリーズ」です。なんちゃって、続きがあるのか…)

 

 

 

太田高志

ACM CHI2022

2022年5月 4日 (水) 投稿者: メディア技術コース

こんにちは,メディア学部の加藤です.

今年も ACM CHI2022が始まります.

CHI (「カイ」と読む)は The ACM CHI Conference on Human Factors in Computing Systemsの略称であり,

ヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI)の研究分野において最も規模が大きく,権威のある国際学会です.

今年は現地(アメリカ・ニューオリンズ)で開催されていますが,僕は残念ながらオンラインでの参加となります.

ぼくは 慶應大学・杉浦研究室と,Yahoo! JAPAN 研究所との共同研究で ReflecTouchという研究を Full paperで発表します.

日本語の記事も公開されているので興味がある人は見てみてください.


Xiang Zhang, Kaori Ikematsu, Kunihiro Kato, and Yuta Sugiura. ReflecTouch: Detecting Grasp Posture of Smartphone Using Corneal Reflection Images. In Proceedings of the 2022 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI'22), Article No. 289, pp1--8, (2022). [DOI]

ボーっとしてみよう (2)

2022年5月 3日 (火) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

昨日の記事では、スマホを見たりしないでボーっとしている時間が重要なんじゃないかという話をしました。今日は、その話を、最近はやりの人工知能の話に結び付けて考えてみたいと思います。

近年の人工知能ブームの中心となっているのがニューラルネットワークです。ニューラルネットワークとは、ニューロンと呼ばれる演算素子を大量に用意し、それらをシナプスと呼ばれる線で結んで信号をやりとりする仕組みのことです。その中でも、フィードフォワード型と呼ばれるタイプのものは、取り扱いが簡単なこともあり、早くから研究が進められてきました。

Neural

上の図の左側がフィードフォワード型です。上から入力信号が入ってきて、それを順番に下に流していって、最下層から出力が得られたら終わりです。それに対して、少し遅れて研究されるようになったのが、図の右側、リカレント型と呼ばれるニューラルネットワークです。リカレント型では、途中の層のニューロンから、上の層に戻っていく信号の線があったりして、情報の流れが複雑になっています。そして、こうした仕組みを取り入れるようになって、私が専門としている音声認識の分野などでも、人工知能の性能がどんどん向上していきました。

リカレント型のニューラルネットの特徴は、外部からの入力信号が止まっても、ネットワークが状態更新をしつづけるということです。これって何だか、人間がボーっとしているときに似ていると思いませんか? 図の青い矢印の入力が無くなっても、上から下へ、下から上へと情報が延々と流れ続けて、ネットワークの状態を更新していきます。でも、リカレント型のネットワークでも、外部入力に反応してそれで終わりだと、その強みを発揮できません。右の図で、一番上の層への入力が一番下の層に到達するまで2ステップかかりますが、それで学習をやめてしまったら、下から上への結合は何の役目も果たさないことになってしまいます。

こんなふうに、いつもスマホを見つづけていると、フィードフォワード型の結合の性能ばかりが良くなり、リカレント型の結合の性能が弱まってしまうのではないか、なんて言ったら、ちょっと疑似科学っぽいでしょうか? 私は脳科学者ではないので多少不正確なところはあるかもしれませんが、情報科学の観点からはそれほど外れたことは言っていないような気がしています。

そんなわけで、今日の結論は、旅先でも家でも、ちょっとスマホの電源を落として、ボーっとする時間を作ってみませんか、ということです。私もこの記事を書き終えたら、しばらくPCの電源を落として過ごそうと思います。

ボーっとしてみよう (1)

2022年5月 2日 (月) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

今年のゴールデンウィークでは、東京でも3年ぶりに緊急事態宣言が出ていない連休となりました。さっそく旅行に出かけている人も多いと思います。旅行といえば、スマホが普及する前の時代には、旅行中にも結構ボーっとしている時間がありました。電車やバスに乗っているとき、なんとなく車窓の風景を見てボーっとしていたり、旅館に着いて、食事と温泉のあとは特にすることもなく、ボーっと地元ローカルのテレビを見たりしていたものです。ところが、最近はちょっとでも時間があればスマホを見てしまうので、そんなふうにボーっとする時間はすっかりなくなってしまいました。

遠出をするのはまだちょっと心配で、連休を家で過ごしている人もいるでしょう。そういう人も、やっぱり時間があればついついスマホを見てしまうはずです。

そういえば昔の若者はボーっとしている時間が沢山あったよなあ、なんて考えていたら、人間の脳のことに考えが及びました。ボーっとしているときには、外界からの刺激が無いのに脳が活動しているわけですが、その最も極端な例が、睡眠中に夢を見ることです。睡眠や夢の役割については、最新の脳科学でいろいろと研究されているはずですが、難しい話はともかく、人間にとって睡眠や夢が重要であることは間違いないと思います。そして、睡眠中に加えて、目を覚ましているあいだも時々ボーっとしていることが、人間の脳には重要なのではないかと思うのです。

ボーっとしているときの神経細胞の動きについて、私なりに考えたことがあるのですが、それについてはまた明日。

情報メディアによるプラセボ効果と天気痛

2022年5月 1日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の戀津です。

ここ最近、体調を崩しているわけではないのですが、不調というかグロッキー気味です・・・。
学生の皆さんに当てはまるかはわからないですが、今日はその原因についてのお話です。

昨夜~今朝にかけては特に大変でした。頭痛ーるというアプリがあるのですが、そのスクリーンショットを載せておきます。

20220430-213735

そう、気圧がものすごい変化をしていたのです。
1013hPaが標準気圧で、画面外ですが1000を割るくらいの強い低気圧から急上昇、昨夜21時の1021hPaを頂点としての再度急降下・・・。
抗えないほどの強い眠気と、起きた後も何がというわけではないがどことなく具合が悪い、昨日今日とそんな日でした。
その前から、ここ数日はずいぶんと気圧の上下が激しかったです。ログを見るとすごくギザギザしているのではないかと思います。

学生の頃は気圧変化で(というか、普段から特に)具合が悪くなるということはなかったのですが、30歳手前ぐらいから影響を受けるようになったように思います。
気象病とか天気痛と呼ばれ、頭痛が出る方が多いようですね。頭痛ーるもそういった方々に愛用されているようです。
この辺り、医学的根拠があるかまでは確認していないですが、不調自体は多くの方に起きているようです。

さて、頭痛ーるのような情報メディアで、観測結果からかなりリアルタイムに(また予報的に)気圧の変化が見えるようになりました。
すると気になるのはプラセボ効果ですね。「これから気圧が下がるぞ」という情報を得ることによって、体調不良が引き起こされてしまうこともあり得ると思います。

私の場合は、時折「ああ、これは気圧だな」というような不調が起きるのですが、その時に確認するとやはり急上昇か急降下が起きていることがほとんどです。これは知らなかった場合ですね。
先に急降下が起きる事を知っていた場合は、体感でおよそ半々で不調が起きるような印象です。周りの知り合いがグロッキーでも何ともない時もあったりします。
つまり、普段も知らないうちに急降下が起きてるけど不調が現れず、気が付いていないという可能性が考えられますね。知っていた/知らなかったによらず不調が起きたり起きなかったりするようです。

知らずに不調になったけど気圧は何ともなかった、ということもあるならば無関係(というか気のせい)である可能性もあるのですが、その割合は低いのでやはり何らかの影響はあるかなと思います。
不思議なのは、私の場合気圧が急降下する時は急降下が始まる2~3時間前から影響が出始める点です。
急上昇の時は割と開始時に起きるのですが、急降下はなぜか少し早く出ます。一体何を感知しているのか・・・?
実は原因は全く別の何かで、それによって不調と気圧の低下が共に起きる疑似相関のようなものかもしれません。

「〇〇の時は不調になりやすいな」という感覚は個人差や気持ちの問題を多く含むので、他の人と共有しにくいのが難しいところですね。
私自身は月齢の影響もかなり受けているように思います(昨夜は新月と急降下のダブルパンチでした・・・)が、どうやら今のところ科学的根拠は乏しいようです。
ただ、「新月だから具合悪くなりそう」と考えてしまうと実際にそうなりやすいというのも確かにあるので、情報メディアとの付き合い方は気を付けないといけませんね。
実際自分にはどの程度影響するかを確認するのに活用し、未来の情報については「具合悪くなるかもしれないので気を付けよう」くらいにとどめておくのがよいかなと思います。

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