自然言語処理分野で現在どのような研究が進められているか調べたいとき
2022年5月29日 (日) 投稿者: メディア技術コース
皆さん、こんにちは。メディア技術コースの松吉です。
私は人間が話したり書いたりする「ことば」にとても興味を持っており、コンピューターを使いながら「ことば」について研究しています。人工知能・情報工学において、このような研究分野は「自然言語処理」(NLP)と呼ばれています。今日のブログでは、自然言語処理分野において現在どのような研究が進められているか調べる方法を紹介します。
2022年3月に国内で言語処理学会第28回年次大会が開催されました。この大会は国内における自然言語処理に関する最大の研究発表会であり、毎年、数多くの最新の研究成果が発表されます。ぜひ一度、発表プログラムを覗いてみてください。面白そうな発表タイトルを探してみてください。このウェブサイトでは、登録なしで誰でも無料で論文を読むことができます。発表タイトルの近くにある「PDF」というアイコンをクリックすると、その論文を開いて読むことができます。第27回より前の大会の論文もインターネット上で閲覧することができます。言語処理学会の発表論文集のページに過去の大会の一覧がありますので、そこから各大会のページに飛ぶことができます。
自然言語処理研究者の若手たちが毎年夏に集って、NLP若手の会シンポジウムを開催しています。2021年の夏には第16回シンポジウムが開催されました。大学生や大学院生、大学を卒業したばかりの若手たちが、現在どのような研究に取り組んでいるかここで知ることができます。このサイトでは研究内容の詳細が書かれた論文やポスターを確認することはできませんが、発表者の名前でウェブ検索してみると、個人の情報発信ページで研究内容を確認できることが多いです。NLP若手の会のサイト内で過去のシンポジウムを確認することもできます。
上で紹介した2つは、日本語で発表された研究を調べることができるウェブサイトです。英語で発表された最新の研究を調べる時には、ACL Anthologyというウェブサイトが大変便利です。ここで自然言語処理に関する著名な国際会議の論文を誰でも無料で読むことができます。年ごと、会議名ごとに綺麗に整理されており、キーワードで論文を検索することもできます。英語が苦手でなければ、ぜひちょっと覗いてみてください。
今回紹介した所以外にも、自然言語処理分野における最近の研究を調べることができるウェブサイトはまだまだあります。ですが、個人的には高校生や大学1, 2年生には上記のサイトをお勧めします。「ことば」をコンピューターで扱うことに興味がある方はぜひこれらのウェブサイトを覗いてみてください。
(文責: 松吉俊)
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