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勉強することの価値

2022年5月25日 (水) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

学校で勉強した数学が実生活で役に立たないという人に対して、そんなことありませんよ、という趣旨の記事を、これまでこちらこちらに書いてきました。そうやって一所懸命にアピールしているのですが、やはり数学がやり玉に挙げられるのは避けられないようで、最近もどこかの国会議員が「三角関数よりも金融経済を学ぶべきではないか」とツイートして、ちょっとした話題になっているようです。

音の研究をしている立場として三角関数を擁護したいのは勿論なのですが、そういう私でも、若い頃に勉強したんだけど使ってないなと思うものはいろいろあります。高校で習った古文や漢文とか、大学で習った哲学とかドイツ語などもほとんど使ってませんね。でも、だからといってそれらの科目を軽視してはいけないと自戒しています。

古文や漢文の勉強を更に続けていたら、それを活かす仕事に就けていたかもしれないという考え方もありますが、それより何より、日本や中国の古典を自由に読むことができれば、それだけでとても豊かな日常生活を送ることができたかもしれません。幸か不幸か、三角関数は仕事で役立つことも多いので、仕事に役立つアピールばかりしてしまいがちですが、学問の価値を測る基準は、それ以外にもあると思うのです。

メディア学部には、文系・理系・芸術系など様々な分野の科目が揃っています。それはもちろん、社会に出て働くときに役立つからでもあります。でも、日曜日に読書をしながらいろんなことを考えられるようになるだけでも、勉強したことのもとは十分に取れるのではないでしょうか。

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