クリティカル・シンキング
2022年6月29日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース
クリティカル・シンキング(Critica Thinking)とは、よく「批判的思考」などと訳されますが、
ものを制作したり表現するエンタティメントの仕事に関わるヒトがあるべき姿勢とよくいわれます。
自分の創作したものは、自分の目だけ、立ち位置からだけで見て捉え、判断するのではなく、他のヒトの視点からも捉えなくてはいけない、
なぜなら、その作ったものは、他のヒトのために作るものだから、というと分かりやすいかもしれません。
「先入観や偏見に囚われるな」(Free from prejudices )と、作り手側のヒトは肝に銘じます。
先日、北欧からのゲーム関連教育者の面々が工科大を訪れた際に、「どのようにクリティカル・シンキング」を学生に教えるのか?
という質問をされました。ゲームなどの作品を作りたいと思う若い人たちは世界のどこでも、「自分の世界」のなかからモノを発想し作り始めます。なのでどうしても、「自分」を押し出した個性的なものができ上ります。これを、想いの強い個々の学生に教えるのはとても大変だと思います。
自分のゲームデザインの演習では、毎週ゲームを一本作ることを課題としています。そして最後の講義では、作ったものを参加者全員でプレイして、好きな作品に投票する大会を開きます。おのずと順位が付いて、人気の作品とあまり票が集まらない作品がでてきます。
使っているゲームギミックはほぼ同じなのに、何が原因で差が付くのかを考えます。
ごく簡単に原因を言えば、それは、あそび易い工夫がされていたか、プレイヤーの立場に立った「おもてなし」がされていたか、にあります。
ゲームはプレイしてもらうことが目標です。プレイするヒトのことを考えてあそびやすいよう、それを考えて実装しただけで「クリティカル・シンキング」の学びの一角は達成されているでしょう。
(安原)