三人寄れば文殊の知恵
2022年7月25日 (月) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の大淵です。
私が担当する大学院科目「先端音声処理特論」では、音声を扱う様々な応用を題材に、データ処理や機械学習の原理や手法についての講義を行っています。
今日は全7回の授業の最終回だったのですが、これまでにやったことのまとめとして、アンサンブル学習という話をしました。
機械学習にもいろんな手法があるので、目の前の問題に対してどの手法が最適なのか見当が付かない場合もあります。そんなとき、とりあえずいろんなやり方でやってみて、それぞれの結果の多数決を取ればいいというのが、アンサンブル学習の基本的な考え方です。また、一つの手法を決めたとしても、どんなデータを与えるかでも性能は変わってくるので、そうしてできた複数のモデルを使って多数決を取るという方法もあります。
さらに詳しく考えると、沢山のモデルにはそれぞれ得意不得意があるので、単純な多数決よりも、得意不得意に応じて重みづけをした方が良いと考えられます。数学の問題をグループで解くときに、全員で解いて多数決を取るより、普段から数学が得意な人の答を重視した方が良いというようなものですね。でも、どの問題にどのモデルが有効なのかを見極めるのも決して簡単ではないので、その判定もデータに基づき機械学習で行うということになります。プレイヤーのAIだけでなく、マネージャーのAIも作ってしまおうという感じでしょうか。
「三人寄れば文殊の知恵」という発想は、AIの世界にも生きているというお話でした。
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