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シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その41前編

2022年7月22日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介します。

前編となるこの記事は、あらすじのまとめが中心です。

後編ではその内容をもとに注目すべきポイントを述べますので、そちらも読んでいただけると嬉しいです。

取り上げる映画は次のタイトルです。

『忍びの国(2017)』

○監督
中村義洋

○脚本
和田竜

○あらすじ

天正4年(1576年)。伊賀の国では豪族同士が小競り合いを繰り返していた。そんな小競り合いの中を巧みに渡り歩いて助太刀しては報酬を稼ぐ男がいた。その名は「無門」。ひとたび城攻めに加担すればこの男に開けられぬ城門は無い、とのことからそう呼ばれた男だった。戦場では無類の強さを誇る無門だったが、家に帰れば妻・お国の尻にしかれる日々。良い稼ぎする暮らしを約束してお国を娶ったものの、不安定な稼ぎの無門はお国に頭が上がらなかった。

この頃、伊賀の国は織田信長による勢力拡大の標的とされていた。伊賀の豪族たちは小競り合いをしつつも、これをのらりくらりとかわしていた。しかし、業を煮やした織田軍はついに信長の息子・信雄が軍勢を率いて伊賀に攻め込むことになった。これに慌てた伊賀の首領組織「十二家評定衆」は詳しい状況を知るべく、無門を偵察に向かわせた。なんなく敵軍内に潜入した無門は今回の織田軍が伊賀を攻め滅ぼすつもりで来ており、勝ち目がないことを悟る。

偵察を終えて脱出しようとした無門は、偶然にも織田軍の捕虜となっていた伊勢の国の姫に出会う。伊勢は織田軍に滅ぼされて間もなく、その後は酷い仕打ちをうけているという。無門は伊賀もまたそうなる前に伊賀から逃げ出そうと考え始めていたが、伊勢の姫は、伊賀には織田信長に負けないで欲しい、と告げ、一国分の金銭にも相当する茶器「小茄子」を無門に託し、自害した。

複雑な想いを抱えながら伊賀へ戻った無門が報告を行うと、十二家評定衆は劣勢でも徹底抗戦を決める。しかし、伊賀は何の報酬もなく戦うことに賛同しない打算的な者たちが多く、十二家評定衆の決定に従わず領民は我先にと逃げ出し始めた。無門もまた、成り行きで手に入れた「小茄子」を売り払って他国で暮らすことを妻・お国に提案し、伊賀をたつことにした。

伊賀軍は織田軍を迎え撃つべく挙兵したが、ほとんど数は集まらず悲惨なもので、到底太刀打ちできない状態だった。そうなることはわかりきっていた無門だったが、妻・お国から「このまま無様に国を捨ててよいのか」という問い掛けに一念発起。周囲にいた伊賀の者たちに「小茄子」を売った金銭で多額の報酬を約束すると、彼らを率いて伊賀へ引き返し、救援に向かった。

織田軍は突如戻ってきた伊賀の増援によって総崩れとなる。なんとか城にたどり着いた将兵たちだったが、大将・信雄を待ちぶせていたのは無門だった。信雄の首を取ることはことは容易かったが、自らの命と引き換えに決闘に臨み、十二家評定衆が内通していたことを暴露した、信雄の家臣・平兵衛に免じて、無門はその場を退いた。

無門が伊賀の国に帰還すると、十二家評定衆は勝利に気を良くして大宴会の真っ最中。何もかもが十二家評定衆らの打算的な思惑によって引き起こされたことに怒りを覚えた無門は、十二家評定衆を糾弾する。それでも全く悪びれる様子のない十二家評定衆は、その場にいた伊賀の者たちに、無門を打ち取れば多額の報酬と地位を与えるとけしかけてきた。

窮地に陥る無門だったが、お国が「小茄子」を掲げて注目を集めた隙をついてその場を脱出。しかし、その間際に無門をかばったお国は命を落としてしまう。どこまでも打算しか考えない伊賀の連中に愛想の尽きた無門は「小茄子」をその場に叩きつけて破壊し、お国の亡骸と共に姿を消した。

その後、織田軍を退けた伊賀の名声は一時的に上がったが、同時に織田信長の怒りを買って再度侵攻され、無門のいなくなった伊賀は滅ぼされてしまうのだった。

・・・次回は、この作品でシナリオライターとしてどこに注目すべきか、について述べていきます。どうぞお楽しみに。

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