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暑い日の音速

2022年7月 4日 (月) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

私は音の研究をしているので、担当する授業も音に関するものが多いです。そして、音に関する授業で最初に出てくるのが v=fλ という式です。vは音の速さ、fは周波数、λは波長を表しています。高校の物理でも出てくる式ですね。

この式が出てきたときには、たいてい「ちなみに空気中の音速はだいたい秒速340mです」という話をします。音速については、このブログでも書いたことがありますが、そんな話をうんちくとして語ることもあります。

ただ、音速が秒速340mというのは、実は気温が15度ぐらいのときの話で、気温が変わると音速も変わります。その関係は、簡単な近似のもとでは v=331.5+0.6t という式で表され、気温tの値が大きくなるほど音速も速くなります。最近は猛暑が続いているので、音速が340m/sだなんて安易に言うのもよくないかな、と思ってあらためて計算してみると、気温40度では秒速355.5mとなってしまい、すいぶん誤差が大きいことがわかりました。

この違いがどんなところに現れるかを考えてみたのですが、例えばドップラー効果には音速が影響します。救急車のサイレンの音は、高い方が960Hzだそうですが、これが時速60kmで近づいてくるとすると、音速340m/sの場合には約1009.5Hzに聞こえるはずです。一方、音速355.5m/sだと聞こえる音は約1007.2Hzとなり、約2.3Hzの差が生じます。音感の良い人なら、「今日は暑いから救急車の音が低いなあ」なんて感じるかもしれませんね。

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