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2022年8月

第19回シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点(あな)

2022年8月31日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点」として、定期的に私が何度も遭遇してきた「シナリオの欠点(あな)」について書いていこうと思います。今回取り上げるトピックは・・・

「日常ものシナリオの欠点(あな)」です。

シナリオというと、何らかの目的達成をメインストーリーにしたものを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。例えば「勧善懲悪もの」などは、「主人公が悪を打ち倒す」という目的が明確であり、シナリオを書きやすいジャンルのひとつです

しかし、そういったジャンルがある一方で、逆に「あまり明確な達成目的のない『日常もの』シナリオを書きたい」と希望する人もたまにおり、今期も東京工科大学メディア学部でシナリオ執筆課題に取り組んできた学生の中にも数名いました。

「日常もの」を書きたい、という意向はまったく問題ありません。実際、一定のファンがいるからこそ、そういうジャンルとして認識されているわけで、需要もあると思います。

しかし、そういう意向でシナリオを執筆してきた彼らは「日常ものだから、これといったストーリーが無くてもいいだろう」という判断をしがちですが、これは問題です。

確かに『日常もの』は、あまり明確な達成目的のないように見えますが、「まったくなにも達成しない」というわけではなく、平凡な日常の中なりに「小さな目的を達成する」ことで、ストーリーが構成されています。達成したことのスケールが小さいがゆえに、目立たないかもしれません。しかし、むしろそういったことで観客を楽しませる、という点では難易度の高いジャンルとも言えます。

その点を見誤って作られた「日常もの」シナリオは、欠点(あな)だらけになってしまいます。典型的な失敗としては「日常もの」ではなく、単なる日記かニュース番組になってしまうパターンです。

登場人物の日常を描いているものの、着地点が見当たらず、一つ一つの言動に必然性が見いだせず、ただただ時間経過を知らされるだけでは、観客は
その作品を最後まで見よう、という興味を持続できません。まったく縁のない人間のホームビデオを見せ続けられるようなものです。

バンド活動、キャンプ、料理などをテーマに人気を博した「日常もの」はこれまで沢山ありますが、しっかりとした取材や下調べがあって、インパクトは小さいながらも気になるストーリーに沿って展開してきたものばかり。「日常もの」のシナリオを書くのであれば、そういった前例をよく調べてから書きたいものです。

シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その42後編

2022年8月30日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品の42本目「バットマン・ビギンズ」について、どこに注目すべきか述べていきます。

今回取り上げる「バットマン・ビギンズ」は2005年に公開されたアメリカの映画です。原作はアメリカン・コミックのひとつ「バットマン」ですが、実写映画化されたのはこの映画が初めではなく、この映画で5作目でした。共通する設定などはありますが、過去作とのつながりはなく、この「バットマン・ビギンズ」をシリーズ1作目とした「ダークナイト・トリロジー」三部作として、続編の「ダークナイト」「ダークナイトライジング」が続きます。

さて、この作品でシナリオライターとして注目すべきは「ヒーローが主人公として活動する動機の作り方」です。

いまや映画の原作として、定番のひとつになったともいえる「アメリカンコミックヒーロー」ですが、そのなかでも「バットマン」は、特に有名な作品かつ有名なヒーローの1人と言えるでしょう。すでに映画が4本作られていることからも、その人気はうかがえます。

日本でも「ヒーローモノ」の人気は高く、ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊など、毎年新しいヒーローのシリーズが登場しているわけですが、その人気の理由のひとつは「ヒーローをヒーローたらしめる強い力(能力)」です。変身、覚醒、改造など、能力を得るに至るきっかけはヒーローによって違いますが、常人とはかけ離れた強い力(能力)を使いこなす様が痛快であることが、興味関心をくすぐっていることは間違いありません。

しかしながら、それゆえにそういった「特殊な力に関するアイディア」があれば「ヒーローモノ」のシナリオが書ける、と勘違いされがちですが、決してそうではありません。

確かに「ヒーローをヒーローたらしめる強い力(能力)」は、作品を特徴づけるために必要ですが、シナリオを書く上で重要なのは、その力を得る
に至る経緯がどんなことで、その力を何のために使い、どのようにヒーローとして認識されるか、といった複合的なことであり、能力が特徴的なだけで観客を楽しませることはできないのです。

「バットマン」がすでに何度も実写映画化されていることは記述しましたが、過去の昨品では「バットマンはヒーローである」という前提のもとに作られたものもあるのですが、今回取り上げた「バットマン・ビギンズ」は“ビギンズ”という言葉をタイトルにつけていることもあって、主人公ブルースが「どうしてバットマンになろうと思ったのか」「バットマンとしての強さはどのようにして得たのか」「バットマンがどのようにしてヒーローになったのか」を、とても丁寧に描いています。

そういったシナリオにすることで「バットマン」というヒーローを全く知らない人でも映画を楽しむことができるわけです。これは原作や既存シリーズの昨品とってとても大事なことで、えてして既に存在するファンにしか通じないシナリオになってしまい、新規の観客を呼び込めず失敗した作品は数知れません。

実際、バットマンをよく知らないから見ないかな、という人もいるとは思いますが、そのような心配をせずとも、わかりやすく楽しめるので「バットマン・ビギンズ」はぜひ一度見てみてほしいと思います。

シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その41前編

2022年8月29日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介します。

前編となるこの記事は、あらすじのまとめが中心です。

後編ではその内容をもとに注目すべきポイントを述べますので、そちらも読んでいただけると嬉しいです。

取り上げる映画は次のタイトルです。

『バットマン・ビギンズ(2005)』

○監督
クリストファー・ノーラン

○脚本
クリストファー・ノーラン
デヴィッド・S・ゴイヤー

○あらすじ

ブルース・ウェインは、ゴッサムシティの富豪ウェイン家に生まれた御曹司である。しかし、幼少期に両親がゴッサム・シティの貧困層の強盗からブルースをかばって殺害され、心の傷となる。その後、執事のアルフレッドに見守られて成長したブルースだったが、心の傷は癒えておらず夜うなされる日もあった。

ブルースは犯罪者の心理を理解しようと、あえて刑務所に入っていたところをデュカードと名乗る男から声をかけられる。デュカードは両親の死から立ち直り、己の恐怖を克服するため稽古をつけてやる、と申し出てきた。ブルースはこの提案に乗り、見事にその修行をこなし、卓越した戦闘能力を身に着ける。

最後の試練として、自分たちの仲間になってゴッサムシティを滅ぼすよう告げられるブルースだったが、あくまでゴッサムシティを救いたいのであって、滅ぼしたいわけではないブルースはこの試練を突っぱねて、ゴッサムシティへ戻っていった。

ブルースが戻ったゴッサムシティは、かつて両親が殺された頃よりも酷い治安状態で、マフィアのボスファルコーニが都市を牛耳り、警察は汚職まみれだった。そこでブルースは執事アルフレッドと、かつて父の知り合いだった技術開発者のフォックスの協力の下、密かに動き始める。

アルフレッドの発案で用意した闇に溶け込むコウモリを模した仮面とスーツに身を包み、フォックスの開発した数々の装備と特殊車両を乗りこなし、ブルースは「バットマン」としてマフィアたちを急襲、瞬く間にボスのファルコー二を追い詰め、獄中入りさせ、マフィアはもちろん腐敗した警察の面目をも叩き潰した。

牢屋に入ったマフィアのボス・ファルコーニだったが、謎の精神異常をきたしてにより病院送りとなる。これでマフィアの背後には別な黒幕がいると察したブルースは、そのアジトに潜入を試みるものの、ファルコーニを精神異常足らしめた幻覚剤を浴びせられて撤退を余儀なくされる。

アルフレッドから連絡を受けたフォックスが解毒剤を作り出すことができたため、ブルースは何とか回復。表向きの富豪の顔を保つため、誕生記念パーティを開くと、そこに現れたのはなんとデュカードだった。

デュカードはゴッサムシティの壊滅を諦めておらず、みずからゴッサムシティにやってきていた。そしてマフィアたちを先導しつつ、幻覚剤を水道管に流し込み、一気に噴霧させて住人たちを発狂させる計画を実行に移そうとしていた。所詮、たった一人でゴッサムシティを救うことなどできない、とブルースを昏倒させ、館に火をつけるデュカード。

もはやこれまでか、というところだったが、危機を察したアルフレッドがバットマンの装備を格納している隠し部屋へブルースを抱えて逃げ込ませたことで、間一髪助かることができた。

デュカードたちによる幻覚剤噴霧計画を阻止するため、すぐさまブルースは動く。

デュカードたちが狙うのは、ゴッサムシティの足として運行しているモノレールを占拠し、シティ中央のタワーへ噴霧発生兵器を投げ込むこと。時間の猶予は残されていなかったが、これまで蓄えてきた「バットマン」としての装備と兵器の数々を駆使し、ブルースはデュカードのモノレール車両に飛び込んだ。

激しい戦いの末、デュカードをうち倒すブルース。「もはや列車は止められない」と吐き捨てるデュカードに対して「止める気など無い」と返し、モノレールの線路ごと破壊する手筈を整えていたブルースは、颯爽と列車から脱出し、ゴッサム・シティの危機を救ったのだった。

・・・次回は、この作品でシナリオライターとしてどこに注目すべきか、について述べていきます。どうぞお楽しみに。

脳活のためのパラドックス(7):時空旅行のロマン

2022年8月28日 (日) 投稿者: メディア社会コース

本日はシリーズの最終回ですので、少しロマンのある話にしましょう。皆さんは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(Part I-III)という映画をご存じでしょうか。主人公の青年と少しいかれた科学者が、架空のタイムマシーンで過去や未來に行って騒ぎを繰り広げるというSFコメディーです。夢のあるタイムマシーンの概念は古くからあり、その名を冠した「タイムマシーン」という小説が19世紀末に出版されました。日本では(小説ではないですが)アニメ「ドラえもん」が有名ですね。ドラえもんは、どこでもドアも持っており、正に時空を自由に行き来できるのです。

さて、タイムマシーンがパラドックスとどういう関係があるかということですが、それを話す前に物理学における時間の捉え方について少し説明します。18世紀に活躍したニュートンは、「時間は絶対的なものであり、一定である。誰にとってもどこであっても不変のものである」と主張しました。それを裏付ける科学的根拠というものはなかったのですが、当時の人々は、日々の生活を通じて時間はコントロールできるものではないと実感していたので、ニュートンの主張は真理であると受け止めていました。

しかし、20世紀になりアインシュタインが登場すると、新たな時間に対する概念が出てきます。それが、有名な相対性理論(特殊相対性理論・一般相対性理論)です。理論自体は難解なのでここでは詳細に立ち入りませんが、簡単に一言で説明します。特殊相対性理論は「時間は移動物体の速度と関係があり、時間は相対的に伸縮可能である」という考え方です。また、一般相対性理論は「質量またはエネルギーによって、時間は歪められる」という考え方です。これらには科学的根拠が与えられています。

ここで、パラドックスに話を戻しましょう。まず、双子のパラドックスと呼ばれるものについて紹介します。一組の双子ABがいるとしましょう。Aは地球上に残り、Bは超高速の宇宙船に乗って旅をし、やがて地球に帰還します。このとき、BはAよりも歳をとっていないという話です。私たちの常識からすると非現実に映りますが、特殊相対性理論は(まさに理論上)この話を裏付けているのです。

もう一つ、別のパラドックスを紹介します。過去に戻って両親や親族に会うというものです。このネタは、先のバック・トゥ・ザ・フューチャー(Part I)でも用いられています。主人公が30年前の世界にタイムトリップし、若かりし頃の父親と母親に出会います。当時2人はまだ結婚していませんが、そこで起こった史実に主人公が介入した結果、母親は父親ではなく主人公に恋をしてしまうことになります。最終的には、父親と母親が結婚することになり、史実が(少なくとも部分的には)変わらずにメデタシメデタシということになるのですが…。こちらの話は、一般相対性理論が(まさに理論上)裏付けとなっています。

少し整理しましょう。特殊相対性理論では、超高速(例えば光速)で移動できると時間がゆっくり経過するとしています。最初の双子のパラドックスの話はこのことを利用したもので、未来へのタイムトリップという否定できない事象を私たちに突き付けているのです。一方、一般相対性理論では、重力が大きければ大きいほど時間や空間を歪める作用があるとして、過去へのタイムトリップという否定できない事象を私たちに突き付けているのです。ただ、理論上可能であることと実現可能であることは異なり、そこにパラドックス性を見出すことができます。超飛躍的な科学技術の進展により、将来タイムマシーンができれば、もはやパラドックスではなくなります。なんともロマンのある話ですね。

文責: メディア学部 松永

2022.08.28

脳活のためのパラドックス(6):消えた千円の謎

2022年8月27日 (土) 投稿者: メディア社会コース

次のような話を考えてみましょう。久しぶりに会った旧友3人が居酒屋に行き、楽しい時間を過ごしました。お勘定は15千円だったので、割り勘でそれぞれ5千円札を出し、ウェイターに渡しました。ウェイターはそれをレジに持っていったのですが、レジ係から計算が間違っていて正しくは1万円だったというのです。そこで、レジ係は千円札5枚をウェイターに渡し、客に返すよう言いました。客の方に戻るウェイターは、ここで悪知恵を働かせます。割り勘だから返すのは3千円の方が客の都合もいいだろうと考え、客には「すみません、先ほどの勘定は間違っていて正しくは12千円でした」と謝罪して3千円を渡し、2千円を懐に入れたのです。客はこれで一人4千円に抑えられてラッキーと喜び、ウェイターも心の中で喜びました。

さて、この話の中で最終的に客が支払ったのは12千円で、ウェイターの懐に入ったのは2千円です。しかし、15千円で動き出したお金ですので、帳尻が合いません。千円は一体どこに行ったのでしょう。これは古典的なパラドックスですが、もちろん千円は消えたわけではありません。

冷静にお金の動きを考えてみましょう。まず、15千円が客からレジに移ります。そして、レジに1万円が留まり、5千円が客の方に戻っていきます。その過程で、客に3千円が渡り、2千円がウェイターの懐に入ったのです。3ヵ所に分散しましたが、確かに合計は15千円です。数式で表すとわかりやすいと思います。“1万円(レジ)+3千円(客)+2千円(ウェイター)=15千円”ですね。ちなみに、客1人の財布からは4千円が出て行ったのですが、その内訳は、飲食代としての3333.33…円とウエィターによって搾取された666.66…円です。このことを知ったら、喜びは怒りに変わることでしょう。

文責: メディア学部 松永

2022.08.27

脳活のためのパラドックス(5):嘘をつかないという嘘

2022年8月26日 (金) 投稿者: メディア社会コース

4月1日はエイプリルフールとして知られ、この日ばかりは世界中で悪意のない嘘が飛び交います。時として、メディアや大手企業も参画します。有名なところでは、イギリスの公共放送BBCが毎年仕掛ける偽ニュースが挙げられます。2008年の空飛ぶペンギンのニュース話は著名で、世界中の多くの人が騙されたとされています。ペンギンが空を飛ぶCG映像を流し、「これまで飛べないと信じられていたペンギンが空を飛ぶことが確認されました」という嘘です。科学や技術に関わることは一般の人にはよくわからないので、ついつい信じてしまうのです。最近はフェイクニュースというよう言葉が浸透してきましたが、人を貶めたり世の中を混乱させるような嘘はよくないですね。

さて、パラドックスに関わる巧みな嘘を一つ紹介しましょう。ある年の41日の朝、父親が息子に「今日はびっくりするような嘘でお前を騙してやろう」と宣言しました。 息子は「絶対に騙されない」と逆宣言し、その日は一日、父親の一つひとつの言動に疑いをもって接しながら過ごしました。やがて夜を迎え、寝ることになったので、息子は父親に「今日は僕は騙された気がしないんだけど、お父さんは何か嘘をついたの?」と尋ねました。すると、父親は「すっかり騙されたじゃないか。嘘をつくという嘘に…」と答えました。

これは、自己言及の一種で語用論的パラドックスと呼ばれたりします。「今日はびっくりするような嘘でお前を騙してやろう」という言葉自体は嘘とも嘘でないとも言えないのですが、言動と結びつくことで嘘の発言ということになったのです。この種のパラドックスはいくらでもあります。上の例とは少し性質が異なりますが、上官から下士官への「私の命令には従わないように。これは命令だ」という指示、教授から学生への「後ろの方、聞こえなかったら手を挙げてください」という指示などは、発言の中に矛盾が見出せます。

文責: メディア学部 松永

2022.08.26

脳活のためのパラドックス(4):“2=1”の証明?

2022年8月25日 (木) 投稿者: メディア社会コース

いま、abは等しく、0ではない数とします。すなわち、ab(≠0)という設定です。ここで、両辺にaを掛けると、a^2abを得ます(※ 演算子“^”はべき乗を意味します(2^383^29etc.))。さらに、両辺からb^2を引くと、a^2b^2abb^2となります。ここで、両辺を因数分解すると、(ab)(ab)b(ab)を得ます。続けて、両辺をabで割ると、abbとなります。ただ、最初にabと仮定したので、bbb、すなわち2bbを得ます。最後に両辺をbで割って、“21”が証明されました。

もちろん、21であるはずがありません。これが成り立ってしまうと、さらに両辺に1を足して3=2が成り立ちます。同様に、4354、…と連鎖し、結局12345=…となってしまいます。では、何が起きているのでしょうか?  実は、これは因数分解後にabで割ったことに起因します。abは等しいので、ab0です。数学において、0で割ることはご法度です。ここから、おかしな道理が進んでしまったのです。

文責: メディア学部 松永

2022.08.25

第4回(8月21日)オープンキャンパス開催報告:片柳研究所棟

2022年8月24日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です.

8月21日に本年度第4回目となるオープンキャンパスを開催しました.
メディア学部では片柳研究所棟と研究棟Cの2ヶ所で展示を行なっていました.今日は片柳研究所での展示の様子をご紹介します.

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八王子キャンパスに到着した皆様には,まず片柳研究所棟の地下ホールで,大淵学部長による学部挨拶・紹介をお聞きいただきました.
メディア学部の概要はもちろんですが,そもそもメディア学部で学ぶメディア学とはどんなものなのか,なぜメディア学部は学科制ではなくコース制なのかなどをご紹介していました.短い時間ではありましたが,メディア学部でやっていること,学べることの軸が凝縮されていました.高校生の皆さんの中には,まだ大学を卒業した後,自分がどんな人物になりたいのか,どんな専門性を持って社会に出たいのか,考えがあまりまとまっていない方もいるかもしれません.オープンキャンパスでのさまざまな出会いが,進路選択の助けになっていたら嬉しいです.

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学部挨拶の後は,各研究室での研究展示をご覧いただきました.
8月21日は,片柳研究所棟で,伊藤彰教研,川島研,三上・兼松研の3研究室が展示を行いました.

片柳研究所棟3階では,伊藤彰教研が展示を行いました.
この研究室では,様々なサウンドに関する研究を行なっています.
オープンキャンパスでは,研究で使っている音響機材とともに,立体音響や咀嚼音に関する研究紹介を行なっていました.
ちなみにメディア学部に伊藤研は2つあり,どちらもコンテンツコース,どちらも音関連の研究室です.

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4階のコンテンツテクノロジーセンター(CTC)では,川島研が展示を行いました.
川島研では,主にCGアニメーションに関する研究をおこなっています.
オープンキャンパスではCGアニメに関する研究紹介の他,CGアニメ教育に関するお話などの説明がありました.また,学生による展示として,プロジェクションマッピングを用いた事例の紹介や,アニメーション関連のプロジェクト演習の紹介もありました.

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5階メディアテクノロジーセンター(MTC)では,三上・兼松研の展示を行いました.
三上・兼松研では主に,主にゲーム関連の研究や私の専門であるシナリオ・キャラクターに関する研究を行なっています.MTC内では,プロジェクト演習でゲーム開発を行なっている学生が,自分達で制作したゲームの展示・試遊を行なっていました.このゲームは来月開催される東京ゲームショウへの出展を目指して開発しているものです.いよいよ本番も目前ということで,だいぶ完成に近い状態のものを遊んでいただけたと思いますが,いかがだったでしょうか?
もし東京ゲームショウへ行かれるようでしたら,是非メディア学部のブースにもお立ち寄りください.
また,MTC前では私がプロジェクト演習や三上・兼松研の研究紹介を行っていました.

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(文責:兼松祥央)

脳活のためのパラドックス(3):ヒルベルトの無限ホテルの運用

2022年8月24日 (水) 投稿者: メディア社会コース

前回、無限について触れましたので、今回も無限絡みの話をしましょう。ヒルベルトというのは、1920世紀に偉大な功績を残したドイツの数学者です。ただ、ご心配なく。今回の話に難解な数学は出てきません。中高生の数学の知識で、なんとなく納得できるはずです。この“なんとなく”にパラドックス感があるのです。

さて、このヒルベルトのホテルには1号室、2号室、3号室、…と無限の数の客室があり、無限の数の客が泊まれます(もちろん架空の話です)。無限の世界だけに、ホテルの支配人も何部屋が埋まっていて、また何人が泊っているのかがよくわからず、ホテルの前には念のため常に満室という看板を掲げています。それでも、どうしても泊めて欲しいという客はやって来ます。支配人は非常にお人好しで、そういう客もなるべく泊まらせてあげたいと考えていました。そこで、そういう事態に備え、宿泊客には「緊急の場合には、部屋を移ってもらうことがあります」と事前に一応断っています。

ある晩、どうしても泊めて欲しいという一人の客がやって来ました。このとき支配人が悩んだ末に取った対応は、全宿泊者に対する次のようなアナウンスでした。「誠に恐縮ですが、緊急の事態が発生しましたので、いまご利用いただいている部屋番号より一つ大きい番号の部屋にお移りください」という依頼です。これで、1号室の客は2号室に、2号室の客は3号室に、3号室の客は4号室に、…というように部屋の移動が行われます。その結果、1号室が空き、新たな客を迎え入れることができました。現実のホテルでは、絶対にありえない対応ですが…。

翌晩、支配人は難題に出会うことになります。どうしても泊めて欲しいという無限数の客からなる一つのツアーグループがやって来ました。客が有限数であれば、その人数分だけ既泊者に部屋を移動することをお願いするだけで済みますが、無限数の客に対してはその手法は用いられません。そこで支配人が悩んだ末に取った対応は、全宿泊者に対する次のようなアナウンスでした。「誠に恐縮ですが、緊急の事態が発生しましたので、いまご利用いただいている部屋番号の2倍の番号の部屋にお移りください」という依頼です。これで、1号室の客は2号室に、2号室の客は4号室に、3号室の客は6号室に、…というように部屋の移動が行われます。その結果、奇数番号の部屋が空くことになり、無限数のツアー客を迎え入れることができました。ここまで来ると、非現実性の度合いが高まりますね。

翌々晩、支配人はさらなる難題に出会うことになります。どうしても泊めて欲しいという無限数の客からなる無限数のツアーグループがやって来ました。支配人は、前晩の経験から、ツアーグループが有限数であればやりようがあることにすぐに気づいたのですが、無限数のツアーグループに対してはその手法は用いられません。そこで支配人が悩んだ末に取った対応は、全宿泊者に対する次のようなアナウンスでした。「誠に恐縮ですが、緊急の事態が発生しましたので、いまご利用いただいている部屋番号をnとして、2^n(2のn乗)の番号の部屋にお移りください」という依頼です。これで、1号室の客は2号室に、2号室の客は4号室に、3号室の客は8号室に、…というように部屋の移動が行われます。ここで、2が(最初の)素数であることを意識しましょう。その部屋移動が終わった後に、最初の無限数客のツアーグループには「3号室、9号室、27号室、…(3^n3n乗))の部屋をご利用ください」と案内し、次の無限数客のツアーグループには「5号室、25号室、125号室、…(5^n5n乗))の部屋をご利用ください」と案内します。このように素数を用いると、部屋の重複は起きません。次の無限数客のツアーグループにあてがわれる部屋番号はわかりますよね。

現実世界の話ではないですが、狐につままれたような感じで納得できてしまいますよね。無限という概念は奥(/懐)が深く、パラドックスの詭弁や誤謬としてしばしば用いられます。

文責: メディア学部 松永

2023.08.24

脳活のためのパラドックス(2):無限と分割が生み出す不思議な論理

2022年8月23日 (火) 投稿者: メディア社会コース

有名なパラドックスとして、アキレスと亀の競争の話があります。健脚・俊足のアキレスが足の遅い亀に追いつけないというものです。足の速いアキレスは、ハンディとして亀の後方100mからスタートするとします。ここでは話をわかりやすくするため、アキレスは秒速10m、亀は秒速1mで走るとしましょう。ちょっと亀が速すぎますが…。この設定で、用意ドンで両者はスタートします。アキレスが亀が最初にいた地点に到達するのは10秒後ですが、そのとき亀はアキレスの前方10mの位置にいます。その亀がいる10m先にアキレスは次の1秒後に到達しますが、そのとき亀はアキレスの前方1mの位置にいます。その亀がいる1m先にアキレスはさらに0.1秒後に到達しますが、そのとき亀はアキレスの前方10cmの位置にいます。つまり、アキレスが亀のいた位置に到達したときには、亀は距離を縮められながらも常に僅かながらアキレスの前方にいます。… アキレスは永遠に亀に追いつけない???

これは古代ギリシャの哲学者ゼノンが作ったパラドックスです。ゼノンは他にもいくつかのパラドックスを作っています。次の例は、ある意味で先のアキレスと亀のパラドックスに通ずるものがあります。二分法による不思議な論理で、永遠に目的地には到達しないというものです。ある場所に行くためには、必ずその中間点(目的地まで残り1/2の位置)に到達しなければなりません。続けて残りの半分に歩みを進めても、いずれその中間点(残り1/4の位置)に到達しなければなりません。さらに歩みを進め、残り1/8の地点、残り1/16の地点、…に到達する必要があります。こう考えると、無限の歩みの行程があり、果たして有限の時間で目的地に着くのであろうか、という話です。

さて、アキレスと亀のパラドックスに話を戻しましょう。もちろん、アキレスは亀に追いつけます。もともと追いつく時間は決まっているのですが、先の説明は、その時間までを徐々に細かく刻んで永遠に考えていることによる誤謬です。所用時間を加算していくと、1010.1+…(秒)となりますが、これは初項10、公比1/10の無限等比級数です。細かな説明は省略しますが、アキレスが亀に追いつくまでの時間は10/(11/10)100/911.11…(秒)です。少し難しい数学を持ち出しましたが、実は、中学生でも方程式を使って解けます。アキレスがt秒後に亀に追いつくとすると、アキレスの進む距離は亀の進む距離に100mを加えたものに等しいので、10tt100という方程式が得られ、t11.11…が得られます。

ゼノンの後者のパラドックスも,無限等比級数の考え方で目的地に到達できることが示せます。目的地までの全体行程を1としましょう。1/2進み、1/4進み、1/8進み…と続くわけですが、1/21/41/16+…は、初項1/2、公比1/2の無限等比級数なので、(1/2)/(1-1/2)1となり、目的地に到達したことがわかります。

文責: メディア学部 松永

2022.08.23

脳活のためのパラドックス(1):言語メディアの不完備性?

2022年8月22日 (月) 投稿者: メディア社会コース

二十四節季では、すでに立秋に入っていますが、明日から処暑(暑さが和らぐ節季)に移ります。ただ、まだまだ猛暑が続きますね。そのような猛暑の中では、思考力が低下しがちです。そこで、本日を含めて一週間、シリーズものとして脳活のためのパラドックスについて綴りたいと思います。言語メディアの不完備性を、遊び感覚で感じ取ってもらえればと思います。

もとより、皆さんはパラドックス(paradox)という用語をご存じでしょうか? 対比されるオーソドックス(orthodox)という用語は、どこかで聞いたことがあると思います。この2つは一緒に理解するとよいでしょう。いずれも、論理学が発展した古代ギリシャの時代に生まれたものです。共通の語尾“dox”は“doxon”の略で、意見や陳述を意味します。これは、現在の文書やドキュメントという用語の原型で、MS-Wordの“docs”という拡張子からピンと来るかもしれません。語幹部分ですが、オーソ(ortho)は“正規な(/まっとうな)”を意味します。一方、パラ(para)は“並ぶ”あるいは“異なる”という意味を持ち、対比表現に用いられます。そのような解釈もあり、オーソの“真理”や“定説”に対して、パラドックスは“逆理“や“逆説”と表現されます。

さて、パラドックスの具体例として、“嘘つきのパラドックス”を紹介しましょう。古代ギリシャにおいて、クレタ島出身の賢人エピメ二デスが放った「P:すべてのクレタ人は噓つきである」という主張にまつわるものです。エピメニデスは当時、高貴な哲学者として知られていました。その彼が放ったこの一言を信じようとすると、当人がクレタ人なのでこの主張は噓となり、「Q:すべてのクレタ人は嘘つきではない」という解釈が可能で矛盾が生じるように感じます。ただ、ここには実はカラクリがあり、完全な矛盾があるわけではありません。Pの裏返し(否定)は「~P:クレタ人の中には嘘つきでない者がいる」となり、エピメニデスがその嘘つきでない者の1人であれば、Pの主張は嘘には当たらないことになります。

この種のパラドックスは自己言及パラドックスと呼ばれています。自己言及パラドックスは、身近なところでも見出すことができます。看板に貼られた「張り紙禁止!」というビラ、会議中の「静粛にしなさい!」という注意、試験中の質問に対して「その質問には答えられません」という回答などです。

明日以降も、頭の体操のためのパラドックスを紹介していきます。

文責: メディア学部 松永

2022.08.22

第4回(8月21日)オープンキャンパス開催報告:研究棟C

2022年8月21日 (日) 投稿者: メディア技術コース

こんにちは、メディア学部の加藤です。

8月21日に今年4回目のオープンキャンパスを開催しました。

メディア学部では、片柳研究所と研究棟Cの2箇所で研究室紹介・展示を行いました。

今回は、研究棟Cの様子について紹介します。(片柳研究所での様子はこちら

 

研究棟Cではメディア学部に30ある研究室のうち、以下の10の研究室が展示を行いました。

【コンテンツコース】
伊藤(謙)研究室「楽曲分析と音楽制作」
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【社会コース】
榊研究室「ビジネスの世界」
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松永・鈴木研究室「“進化+深化”の eラーニングの世界」
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【技術コース】
大淵研究室「デジタル音響処理と人間の聴覚」
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柿本・盧研究室「ビジュアル情報学」
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寺澤研究室「最新技術で問題解決」
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永田研究室「画像処理あれこれ」
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藤澤研究室「人工知能とメディアコンテンツ」
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松吉研究室「ことばを扱うコンピューター」
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太田・加藤研究室「UI,UXの研究紹介」
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太田・加藤研究室では,研究室(C523)にて卒業研究のポスター紹介、および加藤の研究のデモ展示を行いました。

またそれに加え、研究棟C 5Fロビーにてプロジェクト演習での成果についても紹介を行いました。

今年度のオープンキャンパスは今回で全て終了となりますが、Web上でも各研究室の情報が掲載されているので、興味のある研究室について是非調べてみてください。

 

 

ネットワークメディア研究室卒研発表会

2022年8月20日 (土) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。

ネットワークメディア研究室はコンピュータネットワークやインターネットの技術に関する研究のほか、IoT、機械学習、深層学習などを用いて身近な問題の解決に取り組んでいます。VR/AR、小中高校の情報教育、オンライン授業、メタバースに向けた検討なども行っています。2022年度に卒業研究に取り組んでいるのは現在7名です。その中間発表会を8月3日に実施しました。対面で実施する予定でしたが、直前に第7波の感染拡大が急激な勢いを見せたため、オンラインに切り替えました。

今年は以下のようなテーマで卒業研究を行っています。

  • 一方の絵に他方の絵の特徴を度合いを調整し付与するための手法の検討
  • FPSゲームにおける射撃訓練のAIの検討と実装
  • カードゲームにおける対人AI
  • 小中学生向けの情報科目の学習教材の提案と試作
  • 個人の利用に合わせた写真管理・分類サービスの提案
  • 合成音声を用いた講義動画における発話特徴の学習効果への影響
  • Bluetooth LEを用いたスマートフォンへの周囲環境通知システム

中間発表は前期科目である「卒研I」の単位認定に必須であり、もう一つの必須項目である中間報告書の提出とともに卒研生が直面する最初の関門です。私の研究室では時間をかけて中間報告書の内容の指導・添削とそれに基づく発表資料(スライド)の作成・添削・発表練習を行っています。どちらも卒研生にとってほぼ初めてと言ってよい経験であり、皆、苦戦します。しかし、その過程で、各自が、自分がやってきたこととこれからやるべきことを整理し理解を深め、一段階成長するのを毎年感じます。

中間発表のスライドを編集してポスター化し、8月21日のオープンキャンパスで研究室公開を行います。夏休みの取り組みが成果に直結するので、これからが山場になりますが、期待したいと思います。そして、秋の紅華祭(学園祭)も対面実施ができるようならば、ぜひ、夏休みの成果を目に見える形にして研究室公開でデモンストレーションしたいと考えています。

(メディア学部 寺澤卓也)

子供プログラミング講座(2)

2022年8月19日 (金) 投稿者: メディア技術コース

一昨日に続いて、もう一つの講座の話をしたいと思います。

8月6日(土)の「子どもプログラミング体験~電子ブロックMESHを使ってツールやゲームを作ろう」は八王子市南大沢の市生涯学習センター南大沢分館で実施されました。この講座では、小学校4年生~6年生を対象にソニーのMESHというブロック型のデバイスを使って受講者それぞれが考える「あったらいいなこんなもの」の実現を目指します。今年は午前と午後の2回の講座を実施し、私も午前の講座の講師を務めました。午後にはメディア学部でプロジェクト演習「IoTプロトタイピング」の演習講師をお願いしている瀬高先生が講師をされました。

MESHは「明るさ」、「人感」、「傾き」などのセンサーのブロックや「ボタン」、「LED」などのブロックがあり、それらをiPadの(現在はほかのOS上でも動きます)アプリでビジュアルプログラミングできます。iPadのカメラやスピーカーなどもブロックと同様の部品として使えるようになっています。「ボタンを押すとLEDが光り、スピーカーから指定の効果音が出る」、「人が通ったらiPadのカメラで写真を撮る」などの「Aが発生したらBを実行する」スタイルのプログラミングをアプリ上でブロックのシンボルを線でつなぐ(指で操作)だけで行えます。

とてもシンプルなので小学生でもすぐにMESHの使い方を理解できます。講座では簡単な使い方を練習した後、それぞれが何を作るかを考えます。受講者3人に1人程度のスタッフ(MESH経験のある本学学生)を配置して、アドバイスしながら一緒に考えます。紙皿や紙コップ、スポンジ、割りばし、空き箱、プラスチックハンガー、モールやフェルト生地、色画用紙などを材料として用意し、はさみ、のり、テープ、マーカーなどで工作できるようにしてあるので、それらも見ながらアイディアを練ります。

メインはその後のプログラミング+工作タイムです。材料を工作して形を作り、中にMESHブロックを貼り付けたり、外に付けたりと工夫を凝らします。「箱を開けると中に入れてある「明るさ」ブロックが反応して音が出る」などはすぐにできるので、そのような仕組みを応用したり、振動を検知してゲームを作ったり、スピーカーから出る音のプログラミングに凝ってみたり、さまざまです。スタッフがそれぞれのやりたいことをうまくガイドしたり、手伝ったりしながら、作業を進めます。

最後に、自分が作ったものを大きな画用紙に絵で描いてもらい、それを使って一人一人プレゼンテーションをするとともに、実際にデモンストレーションをします。2時間半の講座ですが、あっという間に時間が過ぎ、いつも時間が不足気味になります。子供たちの集中力はすごいですね。学生スタッフも対応が上手でうまく導いてくれました。

(メディア学部 寺澤卓也)

卒研中間発表会 2022

2022年8月18日 (木) 投稿者: メディア技術コース

去る、8月上旬の一日、太田・加藤研究室の卒業研究の中間発表会を行いました。当日は久々に、おそらく3年ぶり?に大学で対面によるのポスター発表形式での実施となりました。

 

当日は、新しく研究室に配属となった3年生との顔合わせからはじめました。我々教員も含めて、全員の自己紹介からはじめてどんな顔ぶれが同じ研究室にいるのかを確認。皆、マスクをほぼ常につけているので、最近は学生の顔がなかなか覚えられません。というか、認識できていないかもしれません。ということで、顔がわかる画像を研究室のSNSに載せてくれるようにお願いするのですが、それもしてくれない人が今は多いような気がいたします。

 

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その後、ポスターを立板に貼り付けて発表の準備の後、発表会に入りました。発表会といっても、試験も終わった後の週でもあり、聞き手は新配属の3年生だけですが、久々にオンラインではなく対面で行うと活気がある感じになりますね。会議ツールやメタバースなどによって、オンラインでの発表会もいろいろ模索して来ましたが、やはり対面で行うほうが発言も自由にできている感じがしました。3年生も活発に質問をしていたようでした。感染者数がかなり増えていた時期ではありましたが、間隔を空けて注意をしながら行いました。やはり、対面でやって良かったように思えました。助教の加藤先生がこの大学に着任されてからは、はじめての対面式での発表会になりました。ずいぶんとオンラインの生活が長くなってしまっていたことを感じます。

 

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一方で、4年生は当日の発表にこぎつけるまでになかなかゆったりとしていて、ポスターを仕上げるのが直前という人が多くはらはらいたしました。どうも、この傾向もコロナになって以来程度が増しているように感じます。こういうときこそ、差別化をはかるべく奮起してもらいたいと思っているのですが…

 

 

太田高志

子供プログラミング講座(1)

2022年8月17日 (水) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。寺澤です。

私は数年前から毎年、八王子市の夏休み子ども講座のお手伝いをしています。八王子市では夏休みの子供向けイベントをたくさん用意していますが、そのうちの2つにかかわっています。今年も8月6日と7日に実施されたので、このブログで簡単に紹介しようと思います。

東京工科大学八王子キャンパスは八王子市内にあり、八王子市との様々な地域連携活動も行われています。「子どもプログラミング体験」と「夏休みプログラミング体験講座」は東京工科大学と八王子市の共催で実施されており、私は大学側の窓口(と一部の講師)を担当しています。

8月7日はJR八王子駅近くの市の施設「クリエイトホール」の講座室で「夏休みプログラミング体験講座~Unityでゲームを作ろう」が実施されました。小学校5年生から中学生までを対象とした3時間の講座を午前と午後の2回実施しました。講師は南多摩中等教育学校生徒さんのUnity講座の時にもお願いした演習講師の藤森先生です。Unityを使って制作や研究をしている本学学生にスタッフとして受講者3名に1人程度ついてもらいました。受講者は小学生が主体だったようです。プログラミングの経験がある人は比較的多かったのですが、Unityの経験者はほとんどいませんでした。

Unityは作ったものをすぐにグラフィカルに動作確認でき、そのための部品もそろっていて直感的にわかりやすいことが特長の一つです。そして部品の動作を決める部分をプログラムで記述していくので、プログラミング初心者にも理解しやすい環境になっています。今回はボールが転がりながらコインを取っていくという基本形のゲームをもとに、少し各自の工夫を加えたものを作成しました。中には、教わっていないことにも独自にチャレンジしている子もいました。頼もしいですね。

この講座は以前は八王子キャンパスに来ていただいて演習室のPCで実施していたのですが、昨年と今年は新型コロナの影響で演習室の環境を提供できない可能性があることから、学部で確保している演習用のノートPCにUnity等をインストールしたものを一時的にクリエイトホールに運んで実施するスタイルとなっています。南多摩中等教育学校の時に続き、これらの準備には今回も実験助手の阿部先生に多大なご協力を頂きました。ありがとうございました。

(メディア学部 寺澤卓也)

ペタンクやったよー(国際交流の試み)

2022年8月16日 (火) 投稿者: メディア技術コース

ペタンクやりましたー! 

 

…‥ ‥

 

 

ペタンクって何?って感じですよね。わかります。

それはフランスの遊びなのですが、ボールを投げて的に近いほうが点をとれるという、カーリングやボッチャ的な競技(遊び?)です。よくフランスのおじいさんたちがやっているのが「なんとか街歩き…」みたいな番組ででてきたりしています。ちなみにpétanqueです。

 

詳しい説明は以下のウィキペディアのページでも御覧ください…

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%AF

 

ペタンクのボールは金属製(画像を見てちょ)で、1つ720gです。ちなみに、少年ジャンプ一冊とかりんご2個とかが700g程度の重さだそうです。12.9インチのiPadもそれくらいの重さのようですから、それを投げている感じですね。そんなに重くなさそうにも思いますが、手に取るとかなりずっしりとしたものですし、一組のキットには6つのボールが収められていて、全体で4.7kgとなっています。こ2チーム分あるので、両方持つと9kg超えです。これはうちの猫2匹を両方一度に抱えたくらいの重さだ…

 

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ところで、私はこのボールセットをコロナが流行る前に買っておりました。3,4年前でしょうか。それ以来、実際に試してみる機会を窺っておりましたが、一緒に遊んでくれる人がいなくて、はたせずにおりました。ペタンクを知っている人や興味を持ってくれる人がいませんでしたので。しかし今、学部には何人ものフランスから来た学生がいるではないですか!(リンク先の記事参照:http://blog.media.teu.ac.jp/2022/07/post-4261e0.html)こんな絶好の機会があるでしょうか?

 

ということで、彼らと知り合いになった頃合いで、ペタンクって知ってる?と訪ねてみました…

すると、トレビアーン!知っているだけではなく、ほとんどの学生が家族でやったことがある、という返事でした。素晴らしい…。じゃあ、皆で一緒にやらない?というのが当然の流れですよね?日本の学生にも、異文化の一端に触れるいい機会ですし、授業だけでなく一緒に遊べばより接しやすくなり会話もはずむのでは…。と、あくまでも教育的な見地から提案をしてみましたところ、非常に好意的な賛同を得ることができましたことは喜びに耐えません。学期中にはなかなか時間も取れなかったこともあり、期末試験が終わったあたりで計画してみました、が…、好事魔多し…。コロナの魔手がここにも及び、参加予定者に感染者と濃厚接触者がでてしまい、なんと残ったのは4名(フランス人学生2名、日本人学生1名、そして私…)。かなり寂しい感じになってしまいましたが、せっかくだからとにかく一度やってみようと生き残った人たちの意気も高く、当日を迎えたのでした。その勇姿を御覧ください。

 

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えー…、競技の性質上、躍動感のある感じではないため、競技の楽しさや私達の盛り上がり具合が今ひとつ伝わりにくい画像になっているきらいはありますが、しかし!実際のところ、かなり面白く遊べました。かなり盛り上がりもしました!特に、最後の一投で逆転!みたいなことがあったときには歓声とともにハイタッチをするくらい盛り上がりました。ルールが単純ですが、単純な分面白い。3,4年前に購入してから、はじめてボールを投げた感動もありました。当日は適当に空いている場所を見つけてやったのでボールの転がりかたが予想できないなど、理想の環境とは遠かったですが、それでも面白かったです。かくなるうえは、愛好会を経てサークルを目指すか?という勢いです(口だけ?)。とりあえず2回目をもっと人を呼んでやろうと思っています(やってみたい人は連絡をいただければ)。2チームにわかれて何ゲームもやったのですが、最後に、フランス対日本、という国を背負っての戦いに…

 

結果は、12-3!でボロ負け…。ペタンクに関してはフランスに一日の長があったようです。

 

とりあえずいきなりやってみたというところなので、実態はニアピン勝負みたいな内容でした。今後は腕を磨いて、戦術を考慮したり、ボールを直接あてて弾き出す、なんて技術も習得してみたいところです。第二回のレポートも乞うご期待!(読んでる人いるー?)

 

 

これまでの海外交流の試みについては、以下のページにありますので併せて御覧ください。

 

プロジェクト演習(英語で取り組むワークショップ #1, 2, 3)

http://blog.media.teu.ac.jp/2021/05/post-d447b4.html

http://blog.media.teu.ac.jp/2021/05/post-db3f60.html

http://blog.media.teu.ac.jp/2021/05/post-b60fb1.html

 

海外大学とのオンラインによる交流クラス(英語で取り組むワークショップ #4)

http://blog.media.teu.ac.jp/2021/06/post-d4efd7.html

 

海外大学との交流クラス最終発表会(英語で取り組むワークショップ #5)

http://blog.media.teu.ac.jp/2021/08/post-ded90c.html

 

プロジェクト演習(国際交流の試み)

http://blog.media.teu.ac.jp/2022/07/post-4261e0.html

 

 

 

 

太田高志

 

2022年8月7日/東京工科大学メディア学部オープンキャンパス開催報告(その④)

2022年8月15日 (月) 投稿者: メディア社会コース

みなさん、こんにちは!メディア学部の藤崎実です。

このブログでは、2022年8月7日に行われたオープンキャンパスの様子の総集編をお伝えします。
当日は、このような研究室を開放して、教員と学生からの説明会が開かれました!
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受付は片柳研究所です!
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メディア学部の説明は一番大きなホールで開催されました。
高校生も、保護者のみなさんも、熱心に説明を聞いていました!
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学生による研究発表も大盛況でした。
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研究棟Cでは、多くの研究室が開放されて、多くの見学者で賑わいました!
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実際に教員や在校生からの話が聞けるのが、オープンキャンパスの良さですよね!
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オープンキャンパスでは、大学の研究室に入ったり、広大なキャンパスを歩いてみたり、
先輩たちの話を直接聞いたりできます。

当日は、見学した高校生や保護者からも、多くの質問がありました。

大学でどんなことが学べるのか。
実際に見学して、疑問に思ったこと、知りたいことなどがあれば、
どんどん、教員や学生に質問してくさいね!

次回のオープンキャンパスもお楽しみに!
(メディア学部 藤崎実)

サウンド×ヒューマン研究室・卒業研究中間発表会

2022年8月15日 (月) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

8月4日(木)に、当研究室の卒業研究中間発表会を行いました。新型コロナの流行拡大後は、中間発表・最終発表ともオンラインが続いていましたが、今回、2年半ぶりに対面での発表会を行いました。今回は少数精鋭、5人の卒研生の皆さんの発表です。

今期は、4月の授業開始から7月末まで、ずっと対面での活動を続けることができました。飲み食いしながらの懇親会ができないなど、以前と全く同じではないところもありますが、それでもずいぶん落ち着いて研究ができた気がします。最後に感染拡大の第7波が来てしまいましたが、例年より人数が少ないこともあり、感染防止に気をつけながらの対面実施としました。

前期の卒業研究では、とにかく何か手を動かしてみるようにお願いしています。「神は細部に宿る」と言いますが、研究が本当に面白くなるのは、いろんな試行錯誤の中で、小さくても自分なりに工夫できるところを見つけてからです。そういう意味で、まずはどれだけ失敗しても構わないので、とにかく手を動かしてみることが重要です。今回の発表では、実験に使う音や動画を作ったり、アンケートを作ったり、実験用プログラムを作ったり、あるいは実際の測定を行ったり、人それぞれではありましたが、みんなが手を動かしてみた内容を紹介してくれて、私としてはおおいに安心しました。

このあと後期に入ると、これを少しずつ収束させていく必要があります。また、卒業論文という形にまとめあげることも重要です。来年の2月には、どんな研究成果が出たか、このブログにまた投稿させていただきますので、楽しみにお待ちください。

専門演習「作曲演習」の紹介【第8弾】:作品発表会開催!

2022年8月14日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

 メディア学部の伊藤(謙)です。

「作曲演習」が2年ぶりに対面開講となったことをこちらの記事でお知らせしました。

中間の作品発表会は無事に終了し、その後、5回の個別指導を経て、最終授業(7月21日)で期末の作品発表が行われました。下の写真はそのときの模様です。
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この演習では、作曲にあたっていくつか条件があります。その中でも特に重要な条件は次の2点です。

指定された音列からフレーズを作り、作品の中で展開(反復・変化)させること。
・演奏時間は1分半〜3分とすること。


「指定された音列」はメロディの素材となるもので、今回は「ミーソーファーラ」がお題でした。(※音列の音の組み合わせは学期ごとに変わります)

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設定された条件を満たしていれば、曲のスタイルや使用する音色は全く自由です。今回は16名の履修生が「ミーソーファーラ」をうまく「料理」してくれて、どれも個性的な作品に仕上がりました。

16名それぞれの作品で「ミーソーファーラ」が使われている部分(一人あたり10秒前後)をピックアップしましたのでお聴きください。




いかがでしょうか? 同じ「ミーソーファーラ」を使っても、こんなにもいろいろな音楽を生み出すことができます。私自身、指導しながら思いもよらないフレーズやハーモニーを耳にして、とても刺激になります。

このように「作曲演習」では、「小さな素材を展開させること」に重点を置きつつ、「時間経過にふさわしい展開であること」を意識した作曲指導をおこなっています。これは1年次科目「音楽入門」(楽典)での「『名前に含まれる音名』をもとにした作曲」や、2年次科目「音楽創作論」(楽曲構成法)での「モティーフ(動機)に展開による作曲」と繋がりを持ちます。

ただ、これらの授業で前提となる知識を得ていても、実際に自身が曲を作るとなると、なかなかうまくいかず苦労するようです。そうした試行錯誤が「ものづくり」には大切ですし、その経験は学生諸君がそれぞれの専門分野での研究や制作に取り組むときにも必ず役立つはずです。

後期はどのような作品に巡り会えるか、とても楽しみです。

(参考:過去の関連ブログ記事)
【作曲演習】
[2020.06.04] 「作曲演習」の遠隔開講での取り組み
[2020.08.26] 「作曲演習」の遠隔開講での取り組み(その後)
【音楽入門】
[2022.06.27]  授業紹介:「音楽入門」での作曲(今年のお題の紹介)
[2022.08.10]  授業紹介:「音楽入門」での作曲(「お題」がこうなりました)
【音楽創作論】
[2022.01.12] 「音楽創作論」での作曲 〜今回は難易度高し〜
[2022.01.15] 「音楽創作論」での作曲 〜お披露目に間に合いました〜
[2022.02.21] 「音楽創作論」での作曲 〜最終版ついに公開!〜


(メディア学部 伊藤謙一郎)

2022年8月7日/東京工科大学メディア学部オープンキャンパス開催報告(その③)

2022年8月13日 (土) 投稿者: メディア社会コース

みなさん、こんにちは!メディア学部の藤崎実です。

このブログでは、研究棟Cで公開された卒業研究室の様子をお伝えします!

早速、3階の「森川地研究室」に入ってみましょう!
こちらでは、「メディア&エンタテインメント研究」と題して、メディアの未来を探求する研究を紹介していました。

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続いて「大淵研究室」に行ってみましょう!
こちらでは、「デジタル音響処理と人間の聴覚」をテーマに、いろいろな音をコンピューターで作ったり調べる研究を行っていました!

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さて次に、「松永・鈴木研究室」を体験してみましょう。
こちらでは、「“進化+深化”の eラーニングの世界」と題して、様々なゲーム教材を紹介していました!

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そのお隣は、「千種研究室」です。
こちらでは、「メディア学部生のデザイン力を地域貢献に」というテーマで、プロジェクト演習で活用しているcanvaによるデザイン制作例を紹介していました!
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続いて2階に降りてみましょう!
2階では「藤崎研究室」が「SNSとマーケティングコミュニケーション」と題して、SNSを活用したマーケティングコミュニケーションについて紹介を行いました!
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最後にちよっと離れて、4階の会議室では「佐々木研究室」が、「映像のライブ配信を体験してみよう」というテーマで、
学生情報局による番組制作と映像配信の実際を紹介していました!
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オープンキャンパスでは、大学の研究室に入ったり、先輩たちの話を直接聞いたりできます。
自分の目で見て、実際に大学の空間を体験することは、貴重な経験になります。

次回のオープンキャンパスもお楽しみに!
(メディア学部 藤崎実)

お絵描きAI

2022年8月13日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

お絵描きAIMidjourney」は、数か月前までは研究者のような専門家の間でしか使われなかった対話型AIによる画像生成体験を、Discordアカウントと紐付けたことで一気に一般に普及させました。
AI
は単語、文章(promptと呼ばれる)を頼りに画像を生成します。
ネットではpromptを「呪文」と称して、自分の意図するイメージをいかにAIに書いてもらうかの「呪文」のノウハウが盛んに議論されたりしています。まさに、AIと「あそべる」レベルに一般化させたと言えるでしょう。
成功例と称される生成されたイメージの美しさは目を見張るものがあります。新作ゲームのコンセプトアートだと言われれば、ああそうなのか、と思わせられるほどのクオリティだと感じます。
数年前にAIが生成したというたくさんの犬の鼻先や突起物が交じり合ったような抽象的なイメージ画像を見て失笑していたことを思うと、昨年末に試されたDiffusionCLIPと呼ばれる手法によってここまで劇的に進化してしまうことにただ驚愕の一言です。
あらゆる分野のデザイナーにとってこのイメージ生成パワーを生かさない手はないと思います。
使い方としては多くのイメージをAIによって生成してもらい、そのイメージを自分のイメージと照らし合わせ、商用のマテリアルに昇華させることが考えられます。物理的に多くの資料を集めて参照し、イメージを具現化する作業にAIの力を利用する時代が来たのです。また同時にこれまでは存在しなかったAIを手なずける「呪文」を使う能力も新しい専門スキルとして必要とされるのかもしれません。

文責:安原


イメージは自作のキャラクターゲームの名称を「Midjourney」に入れて生成したものです

2022年8月7日/東京工科大学メディア学部オープンキャンパス開催報告(その②)

2022年8月12日 (金) 投稿者: メディア社会コース

みなさん、こんにちは!メディア学部の藤崎実です。

8月7日(日)のオープンキャンパスは大盛況でした。
このブログでは、研究棟Cで公開された研究室の様子をお伝えします!


研究棟Cは5階建てです。まず5階の「菊地研究室」に行ってみましょう。
こちらでは、「VFX映像の作り方」と題して、CGによるVFX映像がどのように制作されるのかを紹介していました。
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続いて「永田研究室」に行ってみましょう!
こちらでは、「画像処理あれこれ」と題して、画像認識のための技術を紹介していました。
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続いて、「松吉研究室」にも入ってみましょう!
こちらでは、「ことばを扱うコンピューター」というテーマで、テキストデータを知的に処理する技術を紹介していました。
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では、4階にも行ってみましょう!
まずのぞいてみたのは、「羽田研究室」です。
こちらでは、「メディアとエンタテインメント」と題して、
 ゲームではないエンタテインメントのためのコンピュータの使い方について紹介していました。
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隣は、「柿本・盧研究室」です!
こちらでは、「ビジュアル情報学」と題して、CGのモデリング技術とレンダリング技術の応用研究を紹介していました!
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そのお隣は、「進藤研究室」です。
こちらでは「デジタルマーケティング」というテーマで、デジタルマーケティングの最新動向を紹介していました!

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続いて入ってみたのは、「吉岡研究室」です。
こちらでは、「聞こえのバリアフリー」と題して、情報技術を活用した多様性のある社会を目指す研究を行っていました!

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4階の最後は「伊藤謙一郎研究室」です。
こちらでは、「楽曲分析と音楽制作」というテーマで、音楽系研究室での研究・制作の取り組みをご紹介していました。

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オープンキャンパスに来ると、実際の研究室に入ることができ、
大学で学ぶ先輩の話を直接聞くことができます。

自分の目で見て、実際に大学の空間を体験することは貴重な経験になったことでしょう。
明日も研究棟Cの様子をお届けします。
お楽しみに!

(メディア学部 藤崎実)

オープンキャンパス報告「クリエイティブ・アプリケーション」

2022年8月12日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の戀津です。

今回は、先日8/7に行われたオープンキャンパスの報告第二弾です。

私は当日、片柳研究所棟5階のMTCで卒業研究とプロジェクト演習の説明をしていました。
昨日に引き続き、今日はプロジェクト演習「クリエイティブ・アプリケーション」の説明です。

クリエイティブ・アプリケーションでは、私を含めた卒業生の制作したiOS向けアプリである『ハノイの本』と『Gen』、先日紹介した、SwiftStudentChallengeにて受賞した久保田さんのアプリを展示していました。
展示のアプリに触っていただきつつ、これらのアプリを創るために授業でどのような事をしているかの説明もしています。

当日は演習講師をしてくださっている渡邉先生にもお越しいただき、直接授業の説明やプログラム教材についてのより深いコンセプトのお話をしていただきました。
渡邉先生はメディア学部一期生であり、初めてのメディア学博士でもあるため、演習以外の面についても広範にわたって質問対応していただきました。
一緒に説明をしていた私自身もメディア学部卒業生でありメディア学博士なので、かなり濃い空間になっていました。

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写真は展示開始前の状態です。(竹島・戀津研の学生さんにテストプレイをお願いしました)
左奥にGenをTVモニターで表示し、テーブル左側にハノイの本、右側に久保田さんのアプリを配置しています。
それぞれ触っていただきつつ、配布用の紙やモニターの資料などを交え演習の説明をしています。
多くの来場者の方に触っていただきつつ、演習の説明やメディア学部の魅力など多くのことを説明できました。

今回は準備の都合で講師陣のみによる展示となりましたが、今後機会があればぜひ受講生の皆さんにも展示、発表していただければと思います。

2022年8月7日/東京工科大学メディア学部オープンキャンパス報告(その①)

2022年8月11日 (木) 投稿者: メディア社会コース

みなさん、こんにちは。メディア学部の藤崎実です。

8月7日(日)東京工科大学の八王子キャンパスにて、オープンキャンパスが開催されました。
このブログでは、片柳研究所で行われた様子をお伝えします!

では、ご一緒に当日の様子を体験していきましょう!
まずは受付を済ませて・・・。
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地下の大ホールでは、大淵学部長によるメディア学部の説明が行われました。
会場では大勢の参加者、保護者の方々が熱心に耳を傾けていました。
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メディア学部には「コンテンツコース」、「技術コース」、「メディア社会コース」があります。
メディアに関する多様な学びを得ることができる点が、メディア学部の特徴ですね!

さて、片柳研究所5階のMTC(メディアテクノロジー)センターへ行ってみましょう。
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こちらでは、「コンテンツコース」の竹島・戀津先生による、「コンピュータビジュアリゼーション」の出展が行われていました。
多くの高校生が集まり、熱心に研究についての説明を聞いていました。
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竹島・戀津先生の研究室では、可視化によるデータ解析を行っています。
いろいろなデータを可視化することで、データへの理解をより直感的に深めることができます。
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こちらが高校生に説明する戀津先生です。
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もし、東京工科大学に入学したら、みなさん、将来、どんな研究を行うのでしょうか。
いろいろな夢がふくらむことと思います。

次に、「技術コース」の太田・加藤先生による、「UI,UXの研究紹介」に行ってみましょう!
こちらでは、人とコンピューターの関わりについて、さまざまな研究を行っています。
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こちらが高校生に説明する太田先生です。
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そして、こちらが加藤先生です。
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研究室の学生も、高校生にいろいろな説明をしていますね!
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オープンキャンパスに来ると、実際に大学で学ぶ先輩の話を聞くことができます。
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自分の目で見て、実際に大学の空間を体験することは貴重な経験になったことでしょう。
明日は、研究棟Cの様子をお届けします。
お楽しみに!

(メディア学部 藤崎実)

オープンキャンパス報告「時間転移を伴うシナリオの制作支援」

2022年8月11日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の戀津です。

今回は、先日8/7に行われたオープンキャンパスの報告です。

私は当日、片柳研究所棟5階のMTCで卒業研究とプロジェクト演習の説明をしていました。
今日は竹島先生と合同で実施している、コンピュータビジュアリゼーションという研究室の発表について紹介します。

以前から何度か紹介していた、小﨑さんが卒研生としてゼミに所属してくれています。
テーマは引き続き物語中の時系列構成についてを取り扱っています。
現在は「時間転移」という表現を使い、研究で取り扱う対象を定義しています。

物語中の設定等で実際にタイムトラベルをするようなものと、そういった特殊な状況は起きないが描写上の順序に前後があるものをそれぞれ扱えるようにしています。
どちらも時系列構成という点では重要で、作品によってそれぞれどれだけ取り扱うかが異なり、物語の特徴になったりもします。
ただ、実際に時間を移動しているかいないかによって物語上の影響度が異なるため、それらを区別して両方扱える必要があります。

これまでの研究ではその区別と支援手法上での可視化方法に苦心していました。
まだ実施・検証中の研究のため詳細は説明できませんが、今までよりも扱いやすい形になってきています。
これからの発展が楽しみです。

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オープンキャンパスでの説明の様子です。
ゼミでの進捗報告時には背景となる前提やその日以前の進捗説明を省略できたりしますが、初めて聞く人に説明するとまた違った視点が得られたりします。
普段聞いている指導教員やゼミの仲間では気付きにくくなってしまっているような部分への質問が来たり、自分自身説明するために全体を見直す必要があるためです。
オープンキャンパスは来場される皆さんだけでなく、発表する側にもよい機会となります。
今後も機会があれば説明の場にどんどん立っていただければと思います。

また進展があり次第ご報告します。

授業紹介:「音楽入門」での作曲(「お題」がこうなりました)

2022年8月10日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の伊藤(謙)です。

前回(6月27日)の記事で「作曲します!」と宣言していた曲が完成し、7月22日の最終授業でお披露目しました。

そのときの演奏と楽譜を本日、皆さまにご覧いただこうと考えていたのですが、曲の完成がギリギリとなってしまい楽譜の清書まで手が回らず、演奏もおぼつかないので、ブラッシュアップしたものを次回(9月中旬)の記事でご紹介したいと思います。その楽譜には、履修者諸君が考えてくれた曲名から選ばれたものが記載されていることでしょう。

今回は曲全体をお聴きいただくことはできませんが、作曲にあたって「お題」となった3つの音列がどのようなメロディになり、それにどのようなハーモニーがついたのか当日の演奏でご紹介します。元の音列とあわせてお聴きください。

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お聴きいただいた【音列①】はサビ、【音列②】はAメロ、【音列③】はイントロのフレーズの素材としてそれぞれ使われました。

Aメロは2回現れるのですが、1回目のあとにBメロを置いています。このBメロは「お題」の音列とは関係なく私が独自に作りました。


いかがでしたでしょうか?

次回は最初から最後まで曲全体をお聴きいただこうと思います。どうぞお楽しみに!


(メディア学部 伊藤謙一郎)

卒業研究「プロダクトデザイン」の皆さん(2022年3月卒)のポスター紹介 4回目

2022年8月 9日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

今夏は猛暑ですね。新型コロナも心配ですが熱中症にも特に注意が必要な夏となりました。3月に卒業されたみなさんも若いからと油断することなく、健康第一で社会人生活に慣れてほしいと思っています。

それでは、卒研紹介として4回目です。今回は、中嶋さん、中村さん、東さんのポスターを紹介します。

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中嶋さんは、グローバル化が進む中、和式・洋式の便器に着目しました。日本のトイレ機器の機能は海外でもニュースになることが多いようですが、特に便器使用時の姿勢に焦点をあてました。調査の結果、適切な排泄には姿勢が重要であることを確かめ、和式と様式にはそれぞれ長所・短所があることを確かめました。これを踏まえ、便器というよりもトイレの足場の在り方の重要性を指摘し、稼働床にて適切な排泄を促すトイレフロアのデザイン提案を行いました。

中村さんは、スマホの普及を背景に浴室でもスマホを利用するユーザーが増えていることに着目しました。ユーザー調査の結果、浴室で使用するためのスタンド類は既に供給されているものの、固定や位置などの使用自由度の点で課題が多いことを確かめました。これらを踏まえ、アーム・吸盤・マグネット・防水方法の適切な組み合わせを探り、現行製品の不満足点を改善する浴室用スマホスタンドのデザイン提案を行いました。

東さんは、湿度の高い日本において、洗面所付近に置かれることの多い歯ブラシの衛生面に着目しました。使用中の歯ブラシを保管する製品は数多く供給されているものの、大人数家族にとって満足させる製品が少ないことを確かめました。このことを踏まえ、湿度面で製品素材にも言及しながら、歯ブラシの向きや歯ブラシ間の通気性を高める形態を探り、衛生面を高める歯ブラシスタンドのデザイン提案を行いました。

メディア学部 萩原祐志

ゲーム開発における初見プレイヤーの重要性

2022年8月 8日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

夏本番となりオープンキャンパスなどで東京ゲームショウ向けのゲームを展示する機会が増えてきました.先日のオープンキャンパスでも6チームが開発途中のゲームを展示し,多くの来場者に体験してもらいました.

その前のオープンキャンパスの際に,課題として「操作方法がわからない」,「何をしたらいいかわからない」といった感想というか状態になることが多く,展示スタッフが横で細かく指示をしないとクリアできないという有様でした.

ゲームの空間の中でプレイヤーを操作する方法は主にコントローラー操作ですが,慣れ親しんだゲームと似たような操作であれば誰でも簡単に操作を始められると思います.アクションゲームなどでは,キャラクターの移動,カメラ操作,ジャンプ,攻撃はほぼ共通のボタンが使われますし,画面に表示されるアイコンの意味もほぼ共通しています.そうした,法則を理解して自分たちのゲームにも利用することがうまくできると,まずは自由に動き回ることができます.

次に,ゲームの目的や次に何をするのかを明確にヒントを出す必要があります.これがないとプレイヤーは何をしてよいかわからず,ゲームの空間の中をただ歩き回るだけ(場合によってはすぐにゲームオーバー)になってしまいます.

昔の家庭用ゲームのパッケージソフトであれば,ソフトと一緒に封入されていたブックレット(説明書)を読むのも一つの楽しみでした.お店でソフトを購入した帰りの電車の中で,さっそく開いてストーリーや操作方法などを予習して家ですぐにプレイしたものでした.

昨今では基本無料(Pree to PlayやF2Pといわれます)で,後から課金するスタイルのスマホ向けゲームが増え,事前に説明書を読んでからプレイするというスタイルはまれになりました.

そのため,学生の作品でも,最小限の説明でゲームの世界に入ることができて,どんどん進められるような設計が求められてきました.

今回のOCでは,関係者で今回開発したゲームについて全く知らないプレイヤーに,特別な説明なくゲームをプレイしてもらいました.その結果,少し戸惑ったところはありましたが,予定していた時間(3分程度)の中で体験することができるようになりました.

このようにブラッシュアップを続け,9月のTGSでの出展を目指しています.

文責:三上浩司

 

立秋

2022年8月 7日 (日) 投稿者: メディア社会コース

今日は立秋です。
立秋は、夏至と秋分の中間の日です。

厳密ではないですが、夏至は昼が最も長く、秋分は昼と夜の時間が等しいです。

夏至のとき、東京では昼は夜に比べておよそ5時間長いので、立秋では、その半分で、昼が2時間30分程度長い
と思ってしまいそうですが、実際には違います。

毎日、同じ時間だけ昼が短くなっていくわけではないのです。

立秋の昼は3時間40分近くあります。

このように比例しないのは非線形だからです。

自然現象は長期にわたっては、ほとんどが非線形になります。

社会や人間がかかわることがらに至っては、本質的に非線形といってもかまわないくらいです。

こうしたことがらは、昨日述べた、メディア学部の経営数理でも講義しています。

今日の立秋からの暑さは残暑と呼ばれますが、まだまだ暑いことに変わりありません。
健康にお過ごしください。

(メディア学部 小林克正)

ゲーム理論

2022年8月 6日 (土) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部では、いくつかの科目でゲーム理論を扱っています。
それはいろいろな角度から学んでほしいからです。

ゲーム理論は必勝法の研究ではありません。
ゲームの構成要素を分析し、ゲームのような状況での戦略を考える理論です。
その戦略も、勝つというより、大きく負けないということが目的になります。

筆者が担当する経営数理という科目でも扱っています。

ゲーム理論は、もちろん、デジタルなゲームに対して用いることも行われていますが、
もともと経済学の枠組みから始まったこともあり、現在、盛んに利用されているのは、経済学・経営学です。
戦争などの分析では政治学にも使われています。生物学でも成功をおさめています。
経営数理では、こうした面を講義しています。

メディア学部でゲーム理論を学んでいただきたいと思います。

(メディア学部 小林克正)

5次方程式の解の公式

2022年8月 5日 (金) 投稿者: メディア社会コース

今日85日は、昨日に引き続き、著名な数学者の生まれた日です。
ニールス・アーベル(1802)です。

アーベルは、5次以上の代数方程式には解の公式が存在しない、ということを証明しました。
これは、5次方程式や6次方程式に存在する解が、2次方程式のようにルート(べき乗根)と四則演算を組み合わせた形では表せない、ということを意味しています。

アーベルは、この他にも、楕円関数を発見し、その研究をしています。
楕円関数は、その意義深さから、19世紀の一時期、数学そのものというほど研究されました。
現代では物理学の広い範囲に用いられています。

アーベルは若くして亡くなっているので、これらの結果は、若いうちでも勉強し発想すれば、最先端の研究も可能だという手本となっています。

メディア学部の講義でもこうしたことを含めた話をしています。

(メディア学部 小林克正)

四元数

2022年8月 4日 (木) 投稿者: メディア社会コース

今日84日は数学者のウィリアム・ハミルトンが生まれた日(1805)です。 

ハミルトンは、以前このブログでも紹介した、四元数を発見しました。

四元数は、複素数の拡張で、3次元での回転を計算するのに便利な数です。
ただし、積の左右が入れ替えられないという普通の数とは異なる性質があります。

数学で、行列とは表のように縦横に数の並んだものです。
ハミルトンは、行列に関するケイリー・ハミルトンの定理も証明しました。
この定理は行列のべき乗を普通の数のように手軽に扱えるという結果をもたらしました。

ハミルトンは、さらに、物理学に用いられるハミルトニアンと呼ばれる関数も発見しています。
その拡張も同じように呼ばれ、のちに量子力学に用いられ現代では欠かせないものになっています。 

メディア学部に来て、四元数などを利用するようになっていただきたいと思います。

(メディア学部 小林克正)

レコード

2022年8月 3日 (水) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部では当然さまざまなメディアに関して学びますが、古いメディアである、レコードをご存じでしょうか。
音を円盤に記録したものですね。

いまレコードは静かなブームになっています。
配信を含むデジタルな音に比べると、やわらかな音質が受けているようです。

今日は、そのレコードの発明者エミール・ベルリナーが亡くなった日(1929年)です。

昨日述べた電話に関してもベルリナーは貢献しています。
ベルの設立した研究所に属し、ベルとエジソンの電話に関する特許争いに、エジソンと異なる方式を完成させることで決着させました。

その後、ベルの研究所から独立して、レコードを発明しました。

レコードより前に、やはりエジソンが蓄音機を発明していましたが、これは円筒形でかさばる上、安定性や音の再現性に問題がありました。

ベルリナーのレコードは、これらを克服したもので、音の記録・作成には大きな手間がかかりますが、音の再生は、ごく簡単な装置でもできるという大きな利点があります。

音を再生するためのレコード・プレイヤーも、回転する板と針、紙の円錐を組み合わせて手作りすることもできます。
手で回して、その場で聞くだけなら、電気も不要です。
現在のレコードも、この方法で聞くことができます。

もちろん音質よく聞くためには、電気を使い、レコード・プレイヤーやアンプ、スピーカーといった機器のクオリティも上げる必要があります。

(メディア学部 小林克正)

電話の発明

2022年8月 2日 (火) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部の授業でスマホを利用することもあります。
スマホのアプリを企画したり、作成したりする演習や卒業研究などもあります。

今日82日はそのスマホのもとである電話の発明に関連がある日です。

電話のもととなった液体送信装置の発明者であるイライシャ・グレイの生まれた日(1835)なのです。
そして、偶然ですが、電話の発明者として知られるグラハム・ベルの亡くなった日(1922)です。

電話の発明の権利は、この二人の間で争われました。

現在では、グレイの発明があって、それをもとにベルが完成させたと見られていますが、研究者の中には異論もあります。

いずれにしろ、この二人の争いがいなければ、現在のような電話の発明は、もっと遅い時期になっていたかもしれません。

もちろん、電話がなければ、スマホもありません。スマホがなければ成り立たない現在も、これらの発明から始まったと考えられるでしょう。

ところで、グレイの発明の中には電話のもとから発展させて最初の電子楽器のひとつと言われるものもあります。
いまのシンセサイザーのもととされています。

(メディア学部 小林克正)

8/21 第4回オープンキャンパス(八王子キャンパス)のお知らせ

2022年8月 1日 (月) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。メディア技術コースの松吉です。

東京工科大学 八王子キャンパスにおきまして、2022年度4回目の来場型オープンキャンパスが8月21日()に開催されます。参加には事前予約が必要です。本日(8月1日)より参加申し込みの受付を開始しておりますので、本学にご興味のある方はぜひお早めに特設ページにてお申し込みください。来場予約は先着順で受け付けており、定員に達し次第、受付を締め切らせていただいております。

(8月21日()の来場型オープンキャンパスは、新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止のため、中止・延期・変更になることがあります。そのような場合には、上記の特設ページ等にてアナウンスいたします。)

8月21日のオープンキャンパスにおきまして、メディア学部は13の研究室にて研究紹介を予定しております。メディア学部 公開研究室一覧ページにて、これらの研究室名(プロジェクト名)、研究テーマ名、展示の概要を記載しております。ぜひ事前にご確認ください。ゲーム、サウンド、コンピューターグラフィックス(CG)、ユーザーインターフェース(UI)、人工知能、eラーニング、...と、とてもメディア学部らしい展示が予定されております。皆様のご来場を心よりお待ちしております!

本学では、来場型に加え、オンライン型のバーチャルオープンキャンパスも7月18日より毎日開催しております。お申し込みいただければ、8月31日までご自由にコンテンツをご覧いただくことができます。入試説明、学部学科専攻説明、模擬授業、研究紹介、オンラインキャンパス見学など、たくさんのコンテンツを配信しております。皆様のバーチャルでのご参加も心よりお待ちしております!

 

(文責: 松吉俊)

 

8月1日

2022年8月 1日 (月) 投稿者: メディア社会コース

今日は81日です。

高校生のみなさんは夏休みが始まったところだと思いますが、大学生はまだ夏休みではありません。その直前で、定期試験を受けていたり、レポートを書いたりしていることが多い時期です。

 一方、今日ではなく、旧暦の八月一日は、国立天文台によると今年は827日です。この時期は、高校生のみなさんからすると、夏休みの終わりですが、大学生の夏休みとしては折り返しです。

 この旧暦の八月一日は八朔(はっさく)と言い、国内のさまざまな地域でお祭りがおこなわれます。

 朔とは、月が見えないことを意味していて、現在でいう新月のことです。月を基準にする太陰暦では、朔すなわち新月が一日(ついたち)です。

 ちなみに、八朔というと果物もあります。和歌山産が多いですが、原産は広島の、柑橘類です。こちらも八朔の頃に食べ始めることから付けられたようですが、実際は冬場が旬です。

(メディア学部 小林克正)

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