エンタテインメントコンピューティングでの発表 - テレビゲームをもっと面白くするには
2022年9月 7日 (水) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の羽田です.
9/1から3日の日程でエンタテインメントコンピューティングという学会が京都府の福知山公立大学にて開かれました.学会全体のお話はまた次回に譲るとして,今回は本研究室からの発表についての記事になります.
本研究室からは修士課程2年の岡本 早織さんが「ゲームプレイ中の風の強度による臨場感の変化」というタイトルで発表を行いました.この研究岡本さんが4年生のころから続けている研究の一環で,VRではないいわゆる普通のテレビゲームにおいても,画面の動きにあわせて風を起こすことで臨場感が得られるのではないかというものになります.いわば映画館で最近導入されている4DXの家庭用ゲーム版ということですね.
VRにおいては臨場感や没入感を向上させるために風を使うという研究が数多くおこなわれています.
落下するとき,高速に移動するときなどに全身に風をあてることであたかも動いたように感じさせるということです.また,背後から風をあてることで後ろから何かが接近していることを表現したりもします.しかしながら現在ひろく行われているテレビゲームではそのような工夫はあまり見られません.
テレビゲームは現在でもVRゲームに比べて圧倒的なシェアを誇っていますし,FPSやオープンワールドRPGのようにゲーム内を自らが移動するものも多数存在しています.このようなゲームにおいてもタイミングをあわせて風をコントロールすることで臨場感の向上ができるのではないかというのがこの研究です.今までは高いところから飛び降りる時に風をあてることで浮いているような感覚が生じるかということを主として検証してきたのですが,昨年度の同じ学会で発表したときに,落ちるだけではない別の方向ではどうなるのか,という質問がありました.そこで今回は進撃の巨人の立体機動装置,あるいはスパイダーマンの移動のようにワイヤーをつかった移動であるワイヤーアクションを使ったゲームを作成し,移動中にプレイヤーに風をあてることで臨場感が向上するかを調査しました.
結果としては多くのプレイヤーでは風により臨場感が向上するということが示されましたが,風が弱いなどといった問題点も明らかになりました.詳しくは情報処理学会の電子図書館から論文を見ることが可能ですのでぜひとも見ていただければとおもいます.
(羽田久一)
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