ソーシャル・デザイン論 その3 まちおこし
2022年9月18日 (日) 投稿者: メディア社会コース
ソーシャルデザインとは、これからの社会を、今を生きる人々にとってより良いものにしていくために、社会の課題を創造的にデザインし解決することを指します。ソーシャルデザインの幅は広く、設計や、教育、福祉、産業や各種災害などに関する課題を解決することにも及ぶます
ソーシャル・デザイン論では、さまざまなソーシャルデザインの事例を紹介しますが、以下は学生達が調査した事例の数々です。
1.2017年にグッドデザイン賞を受賞した群馬県にある山名八幡宮の事例です。1175年〜1177年の間に勧請されたといわれる山名八幡宮では、次の100年に向けてリニューアルが行われました。子育ての悩みを緩和するための「親子カフェ」や、食育を促す「天然酵母のパン屋」、自由にみんなで作る公園などを境内の敷地内に設けることで、地域の社会課題に取り組んでいます。「安産子育ての宮」として親しまれていた場所をソーシャルデザインを通じて、地域との関わりを持てるような場所へ生まれ変わらせています。
2.宮城県石巻市の廃校を利用した子供向け複合施設「MORIUMIUS」震災の後も残り続けた廃校をつかい、地元の食材を料理したり、地域住民との交流をする場所としてデザインされています。
3.香川県小豆島の事例です。小豆島は、ソーシャルデザインのまちおこしに取り組んで、見事に成功を収めている地域です。小豆島はオリーブが有名で、まるでジブリ映画「魔女の宅急便」の世界のようだとSNSを中心に話題になりました。そのほかに、妖怪アートを使った商店街の町おこしも行っています。妖怪美術館を筆頭に、商店街全体をアートの街に仕立て上げました。その結果、来訪者数は5倍を記録しました。
4.熊本県の「オモケンパーク」は、熊本地震で倒壊してしまった建物をそのまま使い、修理費用を抑えつつ地域復興のアートミュージアムを作った事例です。これも、社会創成、環境や地域に優しいソーシャル・デザインと言えます。
5.”道の駅保田小学校” 南房総・鋸南町にあるこの学校は人口減少により廃校になってしまいました。しかしそこを道の駅(宿泊施設・ショッピング施設)としてリノベーションを行い、旧校舎の再利用をもとに町おこしへとつなげています。当時のデザインをそのままに学校という場で別の日常が行える魅力的な空間である。
文責:飯沼瑞穂
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