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VRで視野のギリギリを攻めるには(日本デジタルゲーム学会夏季研究発表大会)

2022年10月12日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

本日も,大学院生の研究を紹介していこうと思います.今日の研究は王陳溢さんの「視野境界におけるVRゲーム視覚表現のための視野個人差の考慮」という研究です.こちらも日本デジタルゲーム学会夏季研究発表大会で発表しました.

ヘッドマウンテッドディスプレイ(HMD)を用いたバーチャルリアリティ(VR)ゲームは,広い視野角(100度前後)に映像を投影することで高い没入感を得ることができます.視野角が広い分,プレイヤーに「見えるか見えないか」の表現を行うときに,どこに表示させたらいいかの判断が難しいです.(通常のディスプレイであれば,画面の端に表示させたり消したりする表現ができます)

このような疑問もあって,VRゲームをプレイしているときに人はどれぐらいの領域まで認識しているのか,過去に大学院生も研究していました.そして,今回はそこに個人差があるのではないかという点から,個人に合わせてカスタマイズしたらより表現力を高めることができるのではないかということを考えました.

視野を計測するには,「ゴールドマン式視野計」という装置があり,中心部を注視しながら,執念の点が見えなくなるタイミングでボタンを押すことで,どの領域までみえているのかを計測する仕組みです.

本研究では,このような仕組みをHMDを装着した段階でできるようにゲームエンジンUnityを用いて実装しました.

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開発したシステムのイメージ

 

完成したシステムを利用して,様々なプレイヤーに実験したり,一人のユーザーが複数回にわたって計測する実験をしました.その結果,プレイする人によってかなり計測された範囲が異なることがわかりました.また,このような個人差よりは小さいですが,同じプレイヤーであっても日によって違いがあることがわかりました.

今後は計測装置をさらに改善し,ゲーム演出を視野に合わせることで体験が高まるかどうか,実験を続けていきたいと思います.

文責:三上浩司

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