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格闘ゲームのキャラクターが実際にダメージを受けて動けなくなるシステム(日本デジタルゲーム学会夏季研究発表大会)

2022年10月11日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

本日も引き続き大学院生の研究を紹介します.こちらは于ソウキさんの「格闘ゲームにおける被ダメージによる部位損傷システムの開発」です.

格闘ゲームはプレイヤーを操作し,敵のキャラクタと戦うゲームです.プレイヤーが操作するキャラクタにはHP(ヒットポイント)があって,相手のヒットポイントを0にしたり,制限時間が来た時によりHPがのこっていたりすると勝つことができます.

しかし,実際の格闘技などの試合では,プレイヤーは徐々にダメージを受けていき,当初のように体を動かすことができなくなっていきます.このような現実の世界の現象をゲームに取り入れようという取り組みは過去にも多くありますし,実際にも用いられていることがあります.

しかし,ゲームとして楽しむことを考えると,あまりにシビアなシステムはゲームとしての楽しみにつながらないため,利用されないことがあります.例えばレースゲームなどを想像してもらうといいと思います.比較的シビアなゲームシステムを持つゲームはF1レースのゲームなどで存在します.敵の車とちょっと接触しただけでも車体にダメージを受け,ピットインを余儀なくされるゲームシステムが採用されていたりします.(それでも実際のレースよりもだいぶ簡略化しています).一方で,敵のキャラクタと体当たりしながら競い合ういわゆるマリオカート的なゲームもあります.

レースゲームはある意味双方が成り立っているゲームジャンルですが,これを格闘ゲームの上でも採用し,シビアでリアルな表現を楽しんでもらうことはできないかと考えたのが,この研究のきっかけです.

キャラクタの致命的なパーツにはこべつのHPを設けたり,腕には別のHPを設けて一定以上で動作ができなくなるなどの仕組みを加えました.

実験の結果システムは好意的に受け入れられることが多いことがわかってきました.

今後はさらに,様々な要素を実装し比較実験をしていきながら,面白さを向上できるシビアなシステムや仕掛けを探っていきたいと思います.

 

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実際に開発したシステムの例

 

文責:三上浩司

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